北国の大家です。

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本当にありがとうございます!

<姫路城>

念願の白鷺城に行ってきました!

意外に寒かった(汗)

 

前回の続き、ここからが本題です!

4.実態調査

利用状況の実態調査を行いました。

ネットサービス業者に依頼して、戸ごとのパケット数を確認して貰いました。

築浅物件では、トラフィックから明らかにネット設備を使っていないだろう入居者はゼロでした。

この物件では入居理由に、ネット無料があったからという回答もありました。

それを裏付ける結果になったかと思います。

次に建築会社に依頼して、既存の物件からサンプリングして、利用実態の調査を始めます。

次に、私たちの築浅物件では、年末年始の利用状況をレポートして頂くことになりました。

ネットサービス提供会社のルーター再起動を行い、トラフィックをゼロクリアして計測を開始します。

1月中旬にはモニターを終えて、レポートが頂ける予定です。

大家仲間にも利用実態調査に協力して貰おうかと画策しています。

5.エンジニアの部屋

インターネットに関する技術を、初歩的な部分だけ取り出し、解りやすく説明する試みです。

少しだけマニアックな話になります。

・IPアドレス

ネットワーク上の住所といった所です。

VDSL/LAN方式は1棟に1個のIPアドレスが付与されます。

インターネットから見ると、12戸の入居者がおなじIPアドレスを利用します。

但し宅内(物件内)では各戸の入居者にユニークなローカルIPアドレスが付与されます。

ローカルなIPアドレスはルーターでIPマスカレードというしくみでグローバルIPアドレス(インターネット上のIPアドレス)に変換されます。

昔はこれで使えないサービスもありましたが、今ではほとんどありません。

普通に各入居者がグローバルIPアドレスを持っているのと同じ状態でインターネットを利用できます。

・セキュリティ(無線LANのポート設定)

単純な例では共用部のルータの設定を間違うと、101号室から102号室の回線に侵入できてしまいます。

これはルーターで他のポートにアクセスできない設定にすることで回避しますが、私は少なくてもインターネット業者に確認するようにしています。

回答が変なら、ルーターの設定を見せてもらいます(これはマニアックですね汗)。

・WiFiのセキュリティ(無線LANの暗号化)

WEPはツールで簡単に解読されます。

最新のWPA2(AES)も数年前に盗聴方法が見つかり、脆弱性が指摘されています。

最新情報の取得とファームウェア(ルーターのソフトウェア)のアップデートなどで対応したい所です。

WiFiのセキュリティ(VDSL/LAN方式のルーター)

誰でも天井を開口して物理的にルーターに触れる状態は非常に危険です。

意外と見落としやすいのですが、暗号化強度を上げても、ここを物理的にアクセスできないような対策が無いと、実は何をやっても意味がないとも言えます。

大昔ですが「カッコウはコンピュータに卵を産む」という本を読みました。

盗聴対象のLANケーブルを物理的に分岐して、盗聴履歴が残らないようPCにデータを保管せず、ひたすらプリンタに印刷してハッキングするという手口でした(汗)。

皆さんの物件の共用部にあるルーターは、軽易に触れないようになっていますか(笑)?

・ビットとバイトのワナ

皆さんに質問です!

Q.1GB(ギガバイト)の動画データを、高速インターネット回線(1ギガbps)でダウンロードする場合、理論上の最短時間は1秒間でしょうか?

ベストエフォートではなく、全ての状況が整い、帯域を全て使いきれる場合を想定してください。

A.×(バツ)

1Gbpsの回線は、PC・ルーター・PCのように直結してロスを最小限にした実験でも、平均300Mbpsも出れば優秀な方です。

という帯域性能の話ではなく、表記の話です。

昔からネットワーク性能はbps(ビット・パー・セコンド)で表記さます。

PCなどのデータサイズは、バイト表記です(ビットで表記しない)。

1Byte(バイト)=8Bit(ビット)です。

1ギガバイトの動画データは、8ギガビットなのです(驚きですか?)。

8ギガビットを高速インターネット(1Gbps)でダウンロードするので、帯域をフルに使えても8秒掛かるという訳です。

ネットワークは従来低速なものでした。

そこでバイトの一つ下のビットで表記する慣習があるのです。

高速インターネット回線は表記を変えると、1Gbps=125Mバイト/秒な訳です。

悪く言うと(汗)「125Mバイト/秒の高速インターネット!」だと高速に感じないので「1Gビット/秒(1Gbps)の高速インターネット」と言っているのです。

当たり前だと思った方と、「えええー!?」って思ったかがたいたと思います。

私の知人の建築会社の幹部は「えええー!?」と言っていました(汗)。

飲み会で大家仲間に説明したら、理解して頂けた方は少数でした。

説明した北国が酔ってたからじゃねーの!?というご指摘は甘んじて受け入れます(汗)

6.考察

札幌の築浅物件のLAN方式無料インターネット回線の未利用者ゼロは驚きましたが、エリア特性があるようです。

札幌市では5Gアンテナが極端に少ないです。

スマホショップや市中心部に限定されます。

先週、関西に行きましたが、街中はもちろん田舎の温泉街でもバリバリ5Gのアンテナが立っているのには驚きました。

札幌では、4G(下り100Mbps)なので、スマホ並みのスピードが出ればいいと考える事が、高速インターネットの要望が少ない理由の一つかと思います(高速未経験のため)。

次にLAN方式では、物件にオンラインゲームのユーザがいて、他の入居者からクレームが出ることは稀のようです。

インターネット業者に聞いても、数年に一回あるかどうかと言います。

私もそうですが、業者などの対応も無料サービスなのでオンゲーで他の入居者に迷惑を掛けるのは許容しない。

場合によっては、通知前にポートを閉じる(事後通知)事もあるようです。

オンゲーは想定外(想定しない)という事です。

7.今後の新築では

札幌も5Gアンテナが整備されたり、高速インターネット回線を使いたいという需要は取り込む必要があると感じています。

しかし東京のように現時点で光の配管だけを用意して「高速インタ-ネット」マンションにするだけでは現状を見ると心もとない気がします。

今後の新築では光配管+LAN方式のハイブリッドが良いかなと思っています。

光の配管を入れて建築費が上がるとも思えず、従来通りLAN方式で無料インターネットを提供して、高速インターネットは入居者ご自身で契約してください!とするのが、中途半端な作戦で合理的かなと思っています(今の所は)。

但し、建築会社が採取したデータを見て、エリアや入居者属性などで違いが見られれば、また少し考えたいとは思っています。

築浅の利用してない人ゼロ物件はオール単身物件です。

聞いた話では、30戸以上の物件では光を二本引き込み、LAN方式を2セット導入している物件もあるようです。

ファミリータイプが多い物件だと1Gbpsを全戸で分かち合うLAN方式では厳しいことも予想されるので(我が家のルータには15台以上の危機が接続されている汗)、単身のお部屋だけにインターネット無料を付けて、ファミリータイプでは各自で契約してくださいというのもアリかなと思い始めています。

 

今回のコラムは如何だったでしょうか?

私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。

我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。

―以上です―