こんにちは!地主の婿養子大家です
稼働率低下
私は大家歴20年近づいていますが、
築年経過で稼働率が低下する事はあってはならない
と思っています。
前回のコラムにアロエさんが、最近では金融機関へのシミュレーションでも稼働率は横ばいで提出していると言っていましたがその通りだと思っています。。
どうでしょうか。読者の皆さんと、考えに乖離がありますでしょうか。汗
誤解を恐れずに言えば、
私はそれに加えて、
返済期間内の稼働率について金融機関へは100%で提出している
くらいです。汗
シミュレーションにおいて、危険値を把握する事は大事ですが、それよりも実践値の方が断然に説得力があるので。
今日は、そんな稼働率と築年数との関係について自論を展開し、melmさんからご提案頂いた、
私が実際に集計に用いている
稼働率の中身
についてを追加で3日目に書きたいと思います。
【1日目】
1.何故、稼働率は大事なのか?
2.2023年の稼働率
3.過去6年間の稼働率比較
【2日目】
4.6年間における変化
5.築年数と稼働率の関係
6.エリアと稼働率の関係
【3日目】
7.目標とすべき稼働率
8.私の稼働率定義
9.各々の項目への考え方
以上で書いて参ります。よろしくお願いします。
4.6年間における変化
2018年:99.7%
2019年:97.7%
2020年:98.2%
2021年:97.7%
2022年:98.7%
2023年:98.5%
こうやって並べて稼働率だけ見ても、実際のところは何も見えてきませんよね。汗
2018年の稼働率は99.7%と驚異的な数字を記録しました。
稼働率だけで見れば過去最高に良かったのかも知れませんが、この年は退去件数17件と非常に少ない退去件数でした。
パーセンテージで表すと、この頃250戸くらいだったとすると、7%を切っているわけなので少ないと思います。
ちくわさんから前回のコラムでコメントをもらいましたが、多分、私の保有物件の平均入居期間は長いです。したがって、退去が少ない年は必然的に存在しますし、その年は稼働率も高くなる。
しかし、
いくら長期入居者が多くても分母が増えればいつかは退去するわけで、拡大に伴って退去件数は増えていきます。
また、
普通賃貸においては2年更新なので、時に更新時期が隔年で偏る事があります。この時はそんな感じもありました。案の上翌年は退去件数も増えました。
2019年は、その反動で退去件数は倍増しました。稼働率は97.7%。
また年末に(半)再生物件を購入したので、その入居付けで7部屋×1.5か月くらいは費やしたせいもあり、稼働率は97.7%と低下してしまいました。秋に購入した土地値アパートの空室もありましたし。
ただ、
退去した物件の多くはむしろ空室日数▲15日とかの物件もありました。どういうことかというと、解約通知を貰ってから次の入居者を募集しますが、退去する前に次の入居者が決まり、しかも前の入居者が早めに退去してくれる事で、実際の解約通知の日よりも早く空室になった事で次の入居日を前倒しする事で生じたものです。そんな運営努力もあり、何とか稼働率98%近くを実現しましたが、
仮に、
退去した物件が苦戦物件で3か月平均とかになっていれば、それだけで稼働率は3%低下する事になります。つまり、この年の稼働率は95%を下回る可能性もゼロではなかったという風に私は捉えました。この年、拡大しながらも、
この点は十分に留意したい
と思ったのを鮮明に覚えています。
2020年も引き続き拡大は続けていました。稼働率は98.2%。
2019年秋に購入した土地値アパートの空室6部屋くらいを埋めるのに苦戦をしました。また、過去最大規模の物件を購入したのもこの年でしたが、その物件は7部屋空いていましたが一瞬で満室に出来ました。
自論である賃貸の2年毎波の理論通り、この年は前年退去が多かったために比較的安定した退去件数で、5件程度前年よりも退去が減りました。規模は拡大していたので30戸程度は戸数が増えての結果です。購入物件の入居付けも踏まえると、この年は約45件くらいの空室を埋めての結果でした。
一応、
私はこのあたりの2年理論の波を読みつつ、拡大を図っていて、
無理な時期
に
無理な拡大
は自身のモチベーションや金融機関の評価、周りの評価を下げる結果に繋がる恐れがあるので注意しています。
拡大しても稼働率が低下して、収益率が悪化していては本末転倒で、しかも、全体でみると特にそんなに悪く映らないようにも見えるので
その問題点に気づくのが遅れたりする
のが嫌な部分です。
忘れてはいけませんが、この年はコロナの年です。
私はテナント物件も保有しているので、実際にコロナによる空室損を受けた上でこの数字です。
コラム内、一貫して書いていますが、このような感じで
経営とは、
ある程度何かが起きるもの
の想定でそれでも好成績を収めることが出来る前提でいたいと考えているわけでした。汗
購入物件の入居付けを加味しなければこの年は既存物件の稼働率は体感的には99%を超えるくらいの数字でした。
情報発信する人の中には、
・売却物件は空室損に加味しない
・購入物件の空室損は仕方ない
など自身の数字の見栄えが良いように解釈している人もいそうですが、
私はその逆で、
拡大するからこそ、売却するからこそ、
それでも
全体の数字が悪くならないように最大限留意
しています。
例えば、
金融機関にしてみれば、帳簿上の数字で判断するわけですから、上記のような都合の良い解釈には何ら良い意味ありませんものね。汗
2021年、コロナ禍が深刻化した時期でもあり、私もテナント物件で結構な空室損を受けました。加えて、レジの方でも、2年波理論通り、退去件数も多く、しかも物件によっては入りは苦戦する感じも見受けられた年だった記憶です。
結果的に97.7%という数字でしたが、この年は、この数字で少しホッとしたのを記憶しています。
それくらい
コロナによるテナントの空室が不安
な年でした。
2022年、2023年の数字を見ると私の2年波理論通りのような結果です。
2022年35件くらいの退去
2023年は30件程度の退去
でした。
規模拡大をしながらの結果ですが、本来であれば今年は購入出来るなら購入したい年だったわけですが、市場と自身の入居の波が必ずしも合致しませんよね。汗
だからと言って、購入に無理はしない
のも私の特徴かも知れません。
すでにクソ長くなってますが、こんな感じで6年間の比較です。
5.築年数と稼働率の関係
既に答えを書いているような内容ですが、私は築年数と稼働率は比例関係にないと思っています。
築年数が古くなっていくと、稼働率は低下するのではなく、
稼働率を保つための競争力を失ってくる
だけで、それはリフォームや適正な募集を行う事で、十分に賄えるものであるケースがほとんどであると思っています。
言い換えると、
築年が経過して苦戦して実際に稼働率が落ちているのは、築年の問題ではなく、
・競合物件の増加
・競合物件の過剰サービス
などを疑う事が多いです。
いずれも、物件の稼働率ひいては収益に直結する問題なので、ある程度余裕をもってこれに対処できるように、
事前に
・募集網を広げる
・物件の訴求力を強める
・物件のペルソナを変える
などを心掛けています。
結果的に、10年スパンで見ても、築年数が稼働率低下に影響しているという結果には陥っていない。
しかしながら、
若干の収益性低下は否めない
と捉えています。
6.エリアと稼働率の関係
既に前回のコラムでも新築でも低利回りでも稼働率が悪いなんて事もあり得るとコメントを頂いたり、返事したりしました。
エリアが好立地でも稼働率は一概に高いとは言えませんし、物件の価値が高くても同じです。
結局、
その市場で、どのように上手く入居付け出来ているか?
需給バランスが取れている
事が大事だという事になります。
結果、
1日目にも称しましたが、稼働率は大家にとっての通信簿であり、特に努力欄、姿勢欄が如実に表れる箇所だというわけです。
そんな稼働率について、melmさんから、私の定義する稼働率はどのように決めているか?
稼働率について情報発信する上で、私がどのような算出方法をとっているかは大事な部分だと思いますので、急遽3日目を書く事にしました。
次回は、熱の冷めぬうちの今晩に書き上げて明日アップ出来ればと考えております。m(__)m
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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