こんばんは!

 

不動産競売物件をピックアップし、深読みします。

好評でしたら継続したいと思いますので、忌憚なきご意見をお願いします。

 

今回選んだのは千葉地裁令和5年 ヌ 第141号

千葉県市川市本八幡駅南の閑静な住宅街に建つアパート敷地の細長い一部土地(32.71㎡)です。ショッピングセンターが近く、便利なところですね。本件土地は元はAとBが半分ずつ所有する土地であり、A及びBの遠戚であろう、Cが本件土地含む土地にアパートを建てて所有しています。占有権原はありません。(解説:占有権原がない=占有する正当な法的根拠を持たない)

 

Aは回答できない状況とのことで、おそらくご高齢かご病気をされていてBとは連絡がつかない状態です。

 

Cはアパートを建てるにあたり、本件土地が存在することは認識しており、本件土地に建物がかからないように建てたつもり。が、実際は本件土地に建物がかかっている模様。以下のようなイメージです。

そんなこの土地の評価額は

 

112万円

 

①上に建物が建っていると思われること

②この土地だけでは利用が難しいこと

③購入後、アパート所有者と揉めること

 

からこのような評価額になっていると思われます。駅から徒歩10分以内に位置し、細長い土地であるものの更地であれば少なくとも500万円以上 の価値がありそうです。

 

本競売物件にはアパートの所有者が揉め事回避のために入札しそうです。

仮に第三者が落札した場合の収益方法としては、アパートの所有者に買い取ってもらうのが可能性一番高そうです。価格交渉はひと悶着あるでしょう。落札者が細長い本件土地を利用しなければいけない正当事由が考えにくい一方で、自分の土地の上に占有権原のない建物が建っている状態がおかしいもの確か。

 

交渉が決裂した場合には裁判になりそうです。同様の事例がどうなるか、不動産に詳しい弁護士のアドバイスを求めるか、判例を参照したほうが良さそうです。

 

最終的にいくらで落札されるのかは見ることができますが、そのあとのストーリーは当事者のみぞ知るです。 

 

と、ここまでドラフトしたのは1月。2月下旬に再度BITを見たら!なんとこの物件取り下げられておりました。Cが買ったんでしょうね。たぶん。

尚、本コラムは飽くまでも私の私見です。正確性を保証するものでは御座いません。悪しからず。