~このコラムはサラリーマン兼業大家が58歳で退職後、専業大家として法人化9期目も半ばを過ぎた、私の今を綴ったコラムです。~

 

こんにちは、kazu21599です。

 昨年7月の実践コラムで、従兄弟の死去に際し相続人がいないため相続財産清算人の選任を家庭裁判所に申請したこと、6月に司法書士さんが相続財産清算人に選任され、従兄弟から預かっていた預金通帳・現金・不動産の登記識別情報など全て相続財産清算人に渡したことを書きました。

●2023.7.8【実践大家コラム】№103、相続財産清算人が決まったよ・前編●2023.7.11【実践大家コラム】№104、相続財産清算人が決まったよ・後編

 

 

1,相続財産清算の流れは

 

相続財産清算の流れは、次の6つになります。

●相続財産清算人の選任申立て⇒kazu21599が特別縁故者として申し立てしました。

 

●相続財産清算人の選任⇒家庭裁判所で近隣の司法書士さんが相続財産清算人が専任されました。従兄弟から預かっていた財産を全て引き渡しました。

●相続債権者等に請求申出の催告⇒相続財産清算人が相続債権者および受遺者に対して、請求申出の催告をします。

⑴すべての相続債権者等に対する官報公告(期間は2ヵ月)…相続財産清算人が知らない債権者に公告します。⇒出てこなければ権利はなくなります。

⑵知れている相続債権者等には個別に連絡…今回は底地権者と借家人が関係者としていることを知らせていました。

●相続債権者等に支払い⇒相続清算人が個別連絡や官報公告で請求申し出のあった債権者等に必要な支払いを相続財産の中から優先的支払います。(不足していれば按分になります⇒不足していれば受遺者への遺贈はありません)

※今回受遺者はいません。

●相続人の不存在確定⇒相続財産清算人の選任後にする官報公告の期間(6ヶ月以上)が満了しても、相続人の権利を主張する人がいない場合、相続人の不存在が確定します。

●相続財産の国庫帰属⇒特別縁故者に対する財産分与を済ませ、相続財産清算人に報酬を渡し、最後に財産が残っていれば国庫に帰属して清算完了となります。

※相続財産清算人は報酬付与の申立てを家庭裁判所にします。報酬額は清算業務の手間等を考慮して家庭裁判所が決めます。清算業務の終了報告書を提出すれば、相続財産清算人の業務は終了です。

 

2,特別縁故者に対する財産分与

 相続人の不存在が確定したからといって、自動的に特別縁故者に財産分与されるわけではありません。特別縁故者は相続人の不存在が確定してから3ヶ月以内に、財産分与の申立をする必要があります。

⇒ということでR6年1月14日相続人の不存在が確定しました。そこで今回財産分与の申し立てをしました。

 3か月経過後家庭裁判所が特別縁故者の財産分与を認めた場合相続財産清算人は特別縁故者に相続財産を引き渡します。

 

 という流れなのですが、kazu21599が相続財産清算人の選任の申し立てをし相続財産清算人が決まり預かっていた財産を全て渡したあとは、もうその財産とは関係のない立場になり、相続財産清算人の司法書士さんからも家庭裁判所からもその後何の連絡もありませんでした。(こちらから電話して教えてもらう事はできます)

 

 自分で注意して相続人不存在の確定を電話して確認してから3ヵ月以内に家事審判申立書により特別縁故者としての財産分与の申し立てをすることになりました。

※不動産がどうなったのかも、借地契約や借家契約がどうなったのかも、預金がいくら残ったのかも全くわからないので、そもそも特別縁故者としてどこまで認められるのかも今から3か月後にならないとわかりません。

※最終的に最後に残った相続財産の全部もしくは一部、もしくは特別縁故者として認められない、などの判断は裁判官の審判になります。

 

 

特別縁故者に対する財産分与の申立ては

【申立先の家庭裁判所】⇒亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所

【申立に必要な費用】⇒●収入印紙(800円分)●予納切手⇒家庭裁判所により違います

【申立に必要な書類】⇒●申立書●申立人の住民票●特別な縁故を証する資料⇒複数用意して提出します

自分で提出した文書の写真をと思ったのですが、消すとこばかりになるので見本にしました

収入印紙800円と切手が3,066円申し立てに必要でした

※上記の書類に、引き渡した時点の財産目録と、30Pくらいの5年間の私の介護援助の内容を書いた日記の写しを特別な縁故を証する資料として添付しました。3か月経過後他に必要な書類があれば家庭裁判所の方から連絡があるとのことです。

 

 

 相続財産清算人選任の申し立てから約1年余り、当初は本人が元気なうちにきちんと話して財産をどうしたいのか遺言を書いてもらうつもりでしたが(一応倒れる前に亡くなった後のことをどうしたいか決めてくれとは伝えてましたが)、突然脳梗塞で倒れ、看護士さんの話では意思は伝えることができるという事でしたが、実際会ってみると完全に寝たきりの状態で、相続の話などできる状況ではありませんでした。

 法定相続も関係ないのでほっておこうと思った事もありましたが、借地人の方も借家人の方も私が手を引くと困ることになるだろうと考え直し、(特別縁故者として相続財産清算人選任の申し立ても可能だという事がわかり、最後までけりつけないといけないなと今に至りました。)

 

 正直な話、仮に財産を清算して残れば、そのまま国に帰属するのも何だかもやもやして納得できず(5年間叔父さんと従兄弟の生活再建と介護支援を無償でしてきたという部分も認めてもらいたいという気持ちもあり)今回特別縁故者として相続財産の分与の申し立てをすることにしました。

 3か月後裁判官が残った相続財産の分与を認めてくれるかどうかはわかりませんが、できれば引き継いだ時保険金を解約して360万余りだったものを、私が管理し、地代の交渉と支払い、借家人の家賃の回収と家の様々な修理手配、DIYによる修繕・管理、入院や各種の手続き、障害者手帳と障害者年金の申請、住民税の申告、公共料金の支払い手続き、ケースワーカーさんとの打ち合わせ、本人の入院や買い物の付き添いなどしながら、節約することや水道の凍結破損の火災保険の申請などでこの5年間で貯蓄を700万まで増やしたことなど、従兄弟の財産の維持管理に大きな寄与があったことを評価してもらいたいと思っています。

 

 

※特別縁故者が財産を取得するには、①「相続財産管理人の選任申立て」と➁「特別縁故者の財産分与の申立て」の2つが必要となります。

 

 レアなケースだと思いますが、相続財産清算人という制度もあるので頭の片隅に記憶されていくと何かの時に役に立つかもしれません。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

この制度を教えてくれた司法書士さんと

私の義兄に感謝致します。