◆友人からの相談
先日、渋谷区に住む友人女性(独身)から、
「5年前に買ったマンション、不便だから引っ越そうと思うんだよね。誰かに貸したらと思ったんだけど、住宅ローン残ってるとやっぱダメだよね?」
こんな話しがありました。住宅ローンで買った自宅マンションを賃貸に出したいと考え聞いてきたようです。
このコラムを読んでくださっているような勉強熱心な方には当たり前の話ですが、住宅ローンの残った自宅を賃貸に出すのは原則NGです。銀行から一括返済を求められる可能性もあります。
ただ、不動産投資には無縁の友人からこのような話が出てきたということは、それだけ住宅ローンを使った不動産投資が裏技かのように広まっているのかもしれません。
賢明な友人は事前にネットで調べて賃貸には出さそうない方が良いと判断したようですが、住宅ローンを使った不動産投資は絶対に止めた方がいいですよね。
◆晴海フラッグの問題
先月より東京オリンピックの選手村跡地を改修した「晴海フラッグ(中央区)」の入居が始まり話題を呼んでいます。
最上階に位置する広さ161㎡の3LDKが3億4900万円台と最も高く、最低価格は1LDKの部屋でも4800万円台。なかなかのお値段です。
それでも都有地の払い下げで比較的安く買えるとあって、最終販売期には平均倍率が71.1倍、最高倍率266倍という異例の人気を集めました。これだけマンションが建っている中で、ものすごい倍率です。。。(汗)
となると横行するのが投資目的による購入です。
TV取材に対して、晴海フラッグの抽選に訪れた人は「タワーマンションは投資用で申し込みに来ました。」と平然と答えている人がいることに驚きました。
実際すでに多数の部屋が未入居のまま販売されていたり、賃貸に出されています。新築未入居で転売or賃貸すること自体は問題ありませんが、もし住宅ローンを使っていたら大問題ですよね。
住宅ローンの不正利用に当たる可能性がありますし、未入居のまま住宅ローン減税を使っていたら脱税にもなります。知っていてやっていたら詐欺行為にも問われます。
一方で、不動産投資に無縁の友人が聞いてくるほどカジュアル化しているということですから、知らずに軽い気持ちで購入してしまっている人がいたら怖いなと感じました。
(晴海フラッグ パンフレットより)
◆合法的に住宅ローンを使って不動産投資する方法
ところで、合法的に住宅ローンを使って不動産投資する方法もあります。
ご存知、「賃貸併用住宅」の購入です。
賃貸併用住宅は、ひとつの建物にマイホーム部分と賃貸部分を持つ「自宅兼アパート」です。居住面積が1/2以上など、金融機関の規定する条件をクリアできれば住宅ローンを利用できます。
私は今から約10年前のサラリーマン時代に住宅ローンを使って賃貸併用住宅を購入しました。地元の信金から融資を受けました。
自宅+1R×2部屋+地下2店舗の築20年、RC4階建ての中古物件です。エリアは果てしない東京の郊外ですが、住宅ローン返済以上の家賃収入を得ています。
賃貸併用住宅を購入してみてどうだったか、賃貸併用住宅のメリット・デメリットについては、読者様の要望があれば今度お話したいと思いますが、賃貸併用住宅だったら合法的に住宅ローンを使って不動産投資ができます。
賃貸併用住宅については賛否両論あるかとは思いますが、私は不動産投資の選択肢の1つだと考えています。
◆くすぶり続ける住宅ローン不正利用
以上、「住宅ローンを使った不動産投資」についてお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか。
アルヒやアプラスの住宅ローンを使った投資用マンション購入問題は、いまだにくすぶり続けています。若者や低所得者も巻き込まれています。
また、つい先日、「「フラット35」偽造書類で融資金をだまし取った疑い SBIアルヒのFC元社員、暴力団幹部ら逮捕(2024年2月6日)」というニュースも飛び出しています。
住宅ローンは金利が低く審査も甘いだけに、昔からこうした不正やトラブルも絶えないのだろうなと感じた次第です。
◆編集後記
これまで不動産投資に無縁だったはずの友人が興味を持ち出したり、不動産投資もかなり一般的になりましたよね。
ちょっと前までは「不動産投資をやっている」と言うと、悪い新興宗教にでも入っているかのように避けられましたが、時代も変わりましたね。利確したい人には絶好のチャンスです。
一方で、ここ最近、連日のように日経平均株価が「バブル期越え!」「史上最高値!」などと騒がれています。
これで、妻や毎週自宅の掃除をしてくれているシルバーさんが株式投資やNISAの話をしてきたら、引き上げ時だなと思っている次第です(笑)
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