◆前回のあらすじ
「いいね」ありがとうございます。今回はStandFM(スタエフ)の方が「いいね」が伸びていて驚きました。話を続けます。本日最終話です。
前回の記事では、複数の銀行から融資を引き出すために、他行が気にする「金利」以外の項目についてお伝えしました。
不動産投資1stステージのおいて、いきなり低金利は難しいですし、「プロパー融資・経営者保証なし」も難しい。
ですから、保証協会付き融資からスタートするにしても、「経営者保証なし」で融資を受けていきたい。新融資制度では「経営者保証なし」に持っていきやすくなるんです!
それでは、明日3月15日スタートの新融資制度についてと、経営者保証なしのための「3要件」についてお話ししていこうと思います。
◆経営者保証の実態
実はこれまでも中小零細企業が「経営者保証なし」でも融資を受けられるように、国や政府は動いていました。
平成26年2月から適用されている「経営者保証に関するガイドライン」でも、経営者保証なしでも融資を受けられる道が示されています。昨年2023年3月にも方針として打ち出されています。
ところが、法的拘束力が無いということもあってか、ほとんどの銀行は慣例を破ろうとはしません。中小企業の4割が使う信用保証制度で、融資の7割で経営者保証が使われているとされています。
7割ですよ、7割!?驚
ですから、私たち不動産投資家が、新規法人を立ち上げて銀行から融資を引き出して物件を買おうと思ったら、基本的には「経営者保証あり」を求められます。
個人で融資を受ける場合でも、まだまだ連帯保証を求められるケースが多いです。団信に加入しているにも関わらず、奥さんや旦那さんを連帯保証にするよう言われたりしたことありませんか。
◆明日、新融資制度がスタート!
そこで、国は中小企業などが経営者保証なしでも融資を受けられる信用保証制度を創設すると今年1月に発表しました。
それが、明日3月15日からスタートする新融資制度です。
新制度では、直近の決算で債務超過ではないなど複数の「要件」を満たすと、保証料を上乗せすることで経営者保証が不要になります。
「えっ、保証料が上乗せになるの?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、上乗せは0.25% or 0.45%とそこまで高くはありません。
しかも、当初3年間は国が上乗せ分を補助してくれるんです。(スマホやネット回線の販売手法みたいですが笑)
25年3月末までの申込分は「0.15%」、25年4月から26年3月までは「0.10%」、26年4月から27年3月までは「0.05%」に相当する保証料を国が補助するとあります。
◆複数の要件とは?
それでは、複数の「要件」とは何でしょうか?
主に次の3点です。(簡略化します)
1.銀行に決算書等を提出していること
2.代表者への貸付金等がなく、かつ、代表者への役員報酬がべらぼうに高くないこと
3.債務超過ではない or 減価償却前経常利益が2期連続して赤字ではないこと
※その他にも要件はありますが、誓約書面の提出などで取り上げるほどの要件ではないため省きます
銀行と付き合いがあれば当然決算書は提出しているでしょうし、これから融資を申込する際には必ず決算書等を銀行に提出するでしょうから、1は全然問題ないですよね。(新設法人でも問題ありません)
また、2も問題ないと思います。むしろサラリーマンでいるうちは、無駄な社会保険料を払わないように役員報酬無しの人も多いかなと思います。
そして、3は議論の余地がありそうですが、純資産の額が0以上であれば債務超過には当たりません。また、減価償却を除いて利益が出ていればOKです。
ですから、上記3要件を満たすのはさほど難しくはなく、ほとんどの人が「経営者保証なし」でも融資を受けられる可能性があります。
(出典:「保証料上乗せにより経営者保証の提供を不要とする信用保証制度」経済産業省の公式サイトより)
◆まとめ
ということで、「経営者保証なし」でも融資を受けやすくなっているというお話をさせて頂きました。いかがだったでしょうか?
繰り返しになりますが、銀行は他行の融資状況を異常に気にします。「今どんな融資条件なのか?」を気にするんです。
ですから、他行からの見栄えをよくしたい。これまでをまとめると以下の順番で見栄えが良くなります。
①プロパー融資・経営者保証なし
②プロパー融資・経営者保証あり
③保証協会付き融資・経営者保証なし(保証料上乗せ無し)
④保証協会付き融資・経営者保証なし(保証料上乗せあり)
⑤保証協会付き融資・経営者保証あり
既存の借入れが「経営者保証なし」であれば、「経営者保証あり」の場合に比べて、他行の融資可否のハードルも下がります。融資条件も良くなる可能性があります。
国が保証料上乗せ分を補助してくれるということもあるので、多少の保証料を上乗せしても「経営者保証なし」で融資を受けていくと、今後の銀行開拓も楽になっていきます。
不動産投資1stは、どうしても銀行の方が優位な立場です。交渉することもなかなかできません。
ですから、こういう制度を知った上で、上手に活用して銀行から融資を受けつつ規模拡大していきましょうね!
◆編集後記
先日、突然父からLINEで「友人(外国人)から賃貸借契約の保証人になってほしいと言われたんだが、どう思う?」という相談がありました。
私たち大家業界においても、連帯保証人よりも保証会社を利用するのが一般的になっていると思っていましたが、違うようです。
連帯保証人を取るのってまだまだ普通のことなのでしょうか?
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