◆マイナス金利解除が既定路線
連日のようにニュースで目にする「マイナス金利解除」。いよいよマイナス金利解除は目前に迫っているようです。
そこで、心配になってくるのが「アパートローンの金利が上がってしまうのではないだろうか?」ということです。
金利上がるの怖いですよね。。
私もお金を借りた当初の金利は4.5%でしたから、元本が減らない減らない。もう二度とあんな金利見たくないです。
借入額や期間にもよりますが、金利1%上がっただけでもダメージが大きいことは間違いありません。できれば金利はそのままでいてくれーと思いますよね。
果たしてこれから金利は上がっていってしまうのでしょうか?
※本日の記事は、金融について詳しい方には退屈な内容かと思いますので、読み飛ばしてしまってください。
◆そもそもマイナス金利って?
そもそもなんですが「マイナス金利ってなんだ?」「なんの金利なんだ?」という話になりますよね。
私は学生の頃に大手町にある銀行協会というところで働いていたことがありまして、そこで教わったことをかいつまんで説明します。
マイナス金利とは「政策金利」のことです。では、「政策金利ってなんだ?」という話になるのですが、簡単に言ってしまうと、日本銀行の金利のことです。
私たちがお金を借りている一般的な銀行は、実は自分ところにはお金全部を置いているわけではなくて日本銀行に預けています。ですから、日本銀行は銀行の銀行って呼ばれていたりもします。
その一般の銀行が日本銀行に預けてるお金に対する金利が、政策金利と言われるやつです。今はこの金利がマイナスなんです。現在、金利マイナス0.1%。
つまり日本銀行に預けていると、一般の銀行はお金が減ってしまう状態なんです。「なんでそんなことするの?」ですよね。
それは、政府が「日本銀行に預けていると減ってしまうよ。どんどん企業に貸し出そう!」と銀行に対してメッセージを発してるんです。これが金融緩和です。
◆変動金利はどうやって決まる?
そこで、今連日報道されている「マイナス金利解除したらアパートローンの金利が上がるのではないか?」という話になるのですが、まずアパート金利がどうやって決まってるいるのかが重要になりますよね。
変動金利の場合、多くの銀行は”ある数値”に連動して金利が動くように設定しています。アパートローンだけでなく、住宅ローンも同じです。
では、”ある数値”ってなんでしょうか?
その数値が「短期プライムレート(短プラ)」と呼ばれるものです。
短期プライムレートとは、銀行が最優良の企業に貸し出す際の、1年以内の短期の最優遇された貸出金利のことです。変動金利はこの短期プライムレートに連動しています。
ですから、政策金利がマイナス金利解除になったところで、この短期プライムレートが上がるとは限りませんし、アパートローン金利までもが上がるとも限らないんです。
◆結論
それでは、この「短期プライムレートがどれくらい動くのか?」という話なのですが、最後に動いたのは今から15年前のこと。2009年です。
それからずっと1.475%のままなんです。マイナス金利が始まったのは2016年。マイナス金利が始まる前からぜんぜーん動いてないんです。
(日本銀行「短期プライムレート」の数値より作成)
つまり、「マイナス金利が解除されたくらいで、アパートローンの金利がいきなり上がるなんてことはないだろう」というのが大方の見方です。
もちろん分からないですよ。突如急上昇する可能性もあるかもしれませんので100%ではありません。
ただ、緩和政策は維持されるというようなことも言われています。地銀の支店長さんも言ってましたが、「金利は上げたくてもそんな簡単には上げられないですよ」というのが銀行の本音なんです。
ということで、マイナス金利解除と連日報道されていますが、私たち不動産投資家に影響が出てくるのはまだしばらく時間はかかるのかなと思っている次第です。
(もちろん将来的には金利上昇はしていくでしょうから、今のうちから十分に備えることはオススメします)
◆編集後記
昔、まだ純粋無垢な小学生だったころ、先生が私たち生徒に向かってこんなこと言ってました。
「幽霊ってなんで怖いか知ってるか?」
「幽霊ってな、目には見えないから怖いんだよ!」
などと、分かったような分からないようなことを言っていました。妙に頭に残っています。
でもたしかに、もし幽霊が誰の目にも見えたら怖くないのかもしれません。姿形が見えないから、いろいろと妄想が広がって恐怖を感じるのかもしれません。
金利についても幽霊と同じ。将来上がるかどうかは目に見えない。だから恐怖が湧き起こったりするのかもしれないなと思いました。
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