◆2024年1月1日時点の公示地価を発表

 すでにニュースをご覧になられている方も多いと思いますが、先日3月26日に国土交通省が2024年1月1日時点の公示地価を発表しました。

 

=== 記事一部抜粋 ===

公示地価 全国2・3%上昇 バブル崩壊以降で最大の伸び

 

 国土交通省が26日公表した公示地価(2024年1月1日時点)は、全用途の全国平均が前年比で2・3%上昇し、上昇幅はバブル崩壊の影響が出た1992年以降で最大となった。

 

 地価はコロナ禍の影響で21年に下落した後、持ち直しており、同省はコロナ禍前の水準に回復したとみている。上昇は3年連続。東京や大阪などの主要都市だけでなく、地方でも住宅需要が高まり、地価が上昇する地域が広がった。

(2024/3/26毎日新聞記事より)

=== ここまで ===

 

 ニュースによると、東京は全エリアで上昇。北海道や長野などのインバウンド需要が旺盛なエリアはみな上昇率が高い結果となりました。

 

 個人的には所有物件のある茨城県日立市が気になるところでしたが、守谷市が急上昇している一方、残念ながら今年も下落となってしまいました。。。涙

 

 地方はインバウンド需要があったり、都心へのアクセスが良いところは上昇し、その他は今後も安定して右肩下がりになりそうですね。 

◆公示地価を必ずチェックする理由

 この公示地価は、私たち不動産投資家にとって重要な数字。私が必ず公示地価をチェックする理由は3つあります。

 

 1つ目の理由は、銀行融資に大きく関わってくるからです。

 

 ご存知の方も多いと思いますが、銀行は物件を評価する時に、土地の評価をどうしているかというと、主に「固定資産税路線価」で評価します。(建物は再調達価額)

 

 では、その「固定資産税路線価」がどうやって決まっているかというと、公示地価を算出根拠としています。公示地価のおよそ7割が固定資産税路線価です。

 

 ですので、公示地価が上昇しているかどうかは、銀行融資においても重要な指標となってきますよね。

 

 2つ目の理由は、高値掴みしていないか、割安に買えているかをチェックするためです。

 

 公示地価と実勢価格は大きく乖離することもありますが、価格が適正かどうかのある程度の指標にすることはできます。公示地価と比べて売買金額が大幅に高いようでしたら高値掴みを疑うようにしています。

 

 3つ目の理由は、今売りに出したらおおよそいくらぐらいの金額で売れるかの指標にするためです。

 

 私は基本一度購入したら「売らずに朽ちるまで持つ派」ですが、それでも今売ったらいくらになるかは気にしています。地方なので基本は右肩下がりで土地値は下がりますが、大きく上昇するようなことがあれば、手仕舞いする可能性も残しています。

 

 

◆公示地価チェックに便利なサイト3選

 ところで、公示地価や路線価をチェックする時、みなさんはどんなサイトをチェックしていますか?

 

1.全国地価マップ

 たぶん最も使っている人が多いサイトは「全国地価マップ」かなと思います。直感的にも使いやすく、住所を打ち込むだけで瞬時に調べられるのは良いですよね。

 

2.国土交通省 標準値・基準値検索システム

 元祖はこちらの「国土交通省 標準値・基準値検索システム」ですね。私はあんまり参照することはありませんが、一応紹介しておきます。

 

3.楽待「賃貸経営マップ(β版)」

 盲点だったのが、楽待の「賃貸経営マップ(β版)」です。使ってみて想像以上に便利だったので驚きました!(楽待さん、ごめんなさい)

 

 地価公示や路線価も瞬時に調べることができるのはもちろん、空室率や利回りやハザードマップまで調べられるのですごく便利です。Googleマップと連動(?)しているので、全国地価マップよりもピンポイントの場所を探しやすいんですよね!

 

 まだベータ版ではありますが、そのうち楽待の有料会員でないと使えなくなってしまうと思いますので、無料で使える今のうちに使い倒しておこうと思います(笑)

 

(楽待「賃貸経営マップ(β版)」より)

 

◆まとめ

 ということで、公示地価に関連したアレコレをコラムに書いてみましたが、いかがだったでしょうか?

 

 公示地価は路線価ほど参考にしない数字ではありますが、路線価よりも実勢価格に近い数字ではあるため、不動産価格の動向を知る上では重要な数字になりますよね。

 

 面白いのが、土地値をすごく気にするのは日本の特徴です。「土地がメインで建物が付属」という感覚が強いんです。「代々守ってきた土地」なんて良く言われますよね。

 

 一方でヨーロッパやアメリカでは、考え方が逆。「建物がメインで土地が付属」という感覚が強いんです。建物は古くなればなるほど価値が上がったりしますし。

 

 そのため欧米の外国人に聞くと、「なんで日本人は建物よりも土地をそんなに気にするの?」と聞かれることもあります。こんなところにも文化の違いが出るんですね!

 

 公示地価が発表される度に興味深いなと思う次第です。

 

◆編集後記

 ニュースを見ていると、「公示地価」と書いてあったり、「地価公示」と書いてあったりして、混乱したことありませんか?

 

 最初は同じものだと思っていたのですが、ちゃんと調べてみると意味が異なることに驚きました。順番って大事ですよね。

 

 奥さんから「今日の煮物濃くない?」と聞かれた時に、

 

Aパターン:「うん、たしかに味濃いかも」→「でも、おいしいよ!」

 

Bパターン:「おいしいよ!」→「でも、味ちょっと濃いよね」

 

 順番をちょっと変えただけで恐ろしいことになるので、順番にはすごく気をつけています!笑