以前の実践大家コラムで「一戸当りの家賃収入を上げられるドキドキな施策」という記事を投稿した。
箱根の所有賃貸をシェアリングして活用するという記事であった。
現在そのためのサイトの更新や設備のアップデートなど、準備を色々と進めているの。その中でも、本日はセンサーにより遠隔地から状況を把握するための仕組みについて少し話したい。
前回のおさらい
前回は、著者テック大家さん所有の箱根の賃貸物件の収益アップのため、ちょっとドキドキする新しい施策を考えているという内容であった。
観光地箱根というメリットを活かして、都心と箱根の2拠点生活をするための賃貸として、会員制のシェアリング賃貸を検討しているのだ。といっても募集しているのは数名。ごくごく小規模なものである。
既に希望者がいたり、知人が利用したい、など、いくつか見込み顧客もあるので具体的な準備を進めている段階だ。
リモートで使用状況を把握する試み
ちょっと特殊なことをする実験場でもあるこの部屋は、単身15世帯ほどが既に入居済みの賃貸物件の一室である。
この物件は、建物の入口にオートロックシステムが搭載されており、各部屋の入口は内廊下に面している。
今回のシェアリングは会員が1日単位で利用するのを前提としていて、そのための簡単な予約システムも準備している。
とはいえ、大家としては予約した利用者が本当にその日に使っているのか、なんとなく把握したい。むしろ「手に取るように分かる」必要はないし、知りたくもない。
一応、物件にはセキュリティカメラもいくつか設置しているので状況はわからなくもないのだが、物件全体の世帯数が多いので、シェアリングの入居者なのかどうか、判断するのは面倒なのだ。
というわけで、当該ルームの扉に”開閉センサー”を設置することにした。
プライバシーの観点でセンサー情報を監視するのはいかがなものかという話もあるだろう。
だが、開閉センサーの方がセキュリティカメラよりもよほどプライバシーを犯すことはない。なぜなら、取れる情報がセキュリティカメラよりも非常に限られているからだ。
開閉センサーとは
ここで”開閉センサー”がどんなものか、説明しておこう。
ドアに取り付けて使うIoT(Internet of Things)のセンサーである。スマートホーム向けのプロダクトと言ったほうが理解できるであろうか。
今回使用するのは、筆者が興味があって自身のブログ「テック大家さん」でも何度か取り上げている、SwitchBotというメーカーの製品。以前、実践大家さんのコラムで取り上げた「スマートロック」を出しているメーカーでもある。
以下の写真は開閉センサーを取り付けた状態の扉だ。
2つの小さな部品に分かれていて、扉側とドアの枠にそれぞれ設置しておく。2つの部品が離れるとドアが開いた、くっつくと閉じた、と検知してくれるというわけだ。
設置は簡単。何と言っても配線が不要なのが後付にいい。
その理由は電池だから。
「え、電池交換が必要なの?面倒じゃない?」
と思われた方、はい、その通り。
こういうのは価格と機能のトレードオフというものがあるのだ。
Amazonで¥3,000弱で購入できる。簡単だから安い。少々手間だが、電池が無くなったら大家が行って交換すればいいだけのことだ。
これなら、セキュリティカメラと違って、顔もわからなければ、動きもわかない。わかるのは、ドアが開いたかどうか、入ったか出たか、だけ。
ビッグデータいうけど、データ取って宝の持ち腐れということもある。限定的な情報で十分な用途もあるのだ。
なにより、利用者のプライバシーも担保できる。一応、会員の許諾書に書いておくことにしよう。
システムに必要なもの
さて、こんなシンプルな機器であるが、実際には遠隔地から状態を知ろうとすると、もうちょっと話は複雑だ。眼の前の扉にはすぐに手が届くが、はるかなる扉には多難の道のりが待っている、という感じである。
開閉センサーは、例によって(!) Bluetoothによる通信を行う。
以前、このコラムで投稿したスマートロックの記事「心が自由になるスマートロック 物件のカギをリモート管理」でも書いたのと同じ状況だ。Bluetoothは近距離通信の規格なのでリモートからセンサーの状態はわからないのだ。
そこで、SwitchBotハブという製品が必要となる。
この機器が文字通り「ハブ」となりWiFi経由でインターネットに接続する。これでネット経由で情報がわかる仕組みができる。
ネットにつながってこそのInternet of Thing。センサーを設置する物件にWiFiが完備されているのが前提だ。
かくして全体として、スマートロックの記事と似たような、以下のシステムになる。
それにしても、この時期は箱根で過ごすには最高の季節である。
↓我が家の実業家が箱根の物件で仕事中…笑
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