北国の大家です。

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<くろえだ豆>

誕プレの「黒えだ豆」を栽培中です!

 

私たちは高利回り物件を幾つか保有しています。

表面利回り15%以上を高利回りとすると、高利回り物件だけでも1億円くらいあります。

特に専業大家は生活費・減価償却費の捻出の面では、高利回り物件はありがたい面もあります。

但し、銀行で融資を受ける際には

全く資産とみられず、借金だけがある(涙)

と見られる事になります。地銀・信金共通です。

日本政策金融公庫は、それでも路線価x1.0で担保評価してくれるので、若干でも資産とみてくれる場合があります。

つまり、高利回り物件は一面で美味しいが(私たちは地方高利回り絶対主義ではないので)高利回り物件ばかり持つと、札幌の好立地物件などを買い進める時、B/Sが悪化して銀行評価が下がり、足かせになる場合もあります。

それを防ぐには、高利回り物件の借入額と同額かそれ以上の資産を持つことです。

資産家なら難しい事ではないです。

一般の方が取り組むにあたり、私は一つの工夫をしています。

再現性はアレですが(汗)、私たちの場合はうまく行っていると言う事例を紹介します。

1.背景事情

私たちの場合は高利回り物件から入りました。

ちゃんとした人のように、生活できるだけの物件を買い揃えてから脱サラした訳ではなかったからです。

脱サラ直後は生活費分の家賃を得る事が目的でした。

必然的に高利回り物件を狙う事になります。

その後、B/Sの悪化に伴い、高利回り物件だけを買い進めるわけにもいかず、高積算物件も買う事になります。

状況に従っただけで戦略的な行動ではありません(汗)。

サラリーマンの副業や、専業でも既存物件で十分に生活費を賄える状況なら、高利回り物件を買い進める事で潤沢にキャッシュが積み上がります。

資産の部を現金で補強する感じになるはずです。

但し、私たちの場合は生活費に消えるので・・途中で限界が訪れた感じです(汗)。

2.隠ぺい(法人を分ける)

対策としては、隠ぺいを考えました。

隠ぺいって言葉はやましい感じに聞こえますが、ITの世界では非常に優れた手法に聞こえたりもします。

「業務・ロジック・アルゴリズムを隠ぺいする」みたいな感じで使います。

ある関数が一つの業務として動くので、関数の利用者は中身を意識しなくても、決められた値を入力することで、期待した業務の結果(アウトプット)が得られるみたいな感じです。

複数の関数で結果を得る場合は、関数A、関数B、関数Cが独立して動作して疎結合なのが優秀なモジュール構造と言われます。

これも奇麗に隠蔽されていると言います。

余計な話が長くなりましたが、隠ぺいには良い意味もあるという事です(汗)。

実践例としてはこうです。

法人A(妻の法人)

法人B(夫の法人)

のように二つの法人を作ります。

法人Aは高利回り物件で固めます。

ファイナンスも日本政策金融公庫、信用保証協会付き融資となります。

ノンバンクが使いやすいエリアなら、ノンバンクも選択肢に入ると思います。

要するに無担保融資で固めるのです。

結果として、この法人Aでは一般のプロパーローンは望めなくなる代わりに、キャッシュフローを獲得することが出来ました。

 

札幌などの積算の出るエリアの物件は法人Bに集めます。

法人Bはプロパーローンで固めます。

これで奇麗に色分けが出来ました。

 

ちなみにラクマチ相談室の回答を見ていると、個人ベースの不動産投資では法人も個人も合算して見られるので・・といった回答が多いです。

私もそう回答していました(汗)が、金融機関を味方につけると違う感じになります。

次のプロパーローンは法人Bでやりましょうとなり、(築古無担保ローンで固めた)法人Aでは?と聞くと、まあ無理ですとなります。

ITの隠ぺい化と同じように、上手に隠ぺいできた訳です(しつこい汗)。

3.隠ぺい(法人に紛れ込む)

専業大家特有な事だと生活費の確保、一般的な事では減価償却が必要になり、税務を考慮するとプロパーローンで築浅RCだけを買い進めるわけにもいきません。

私たちの場合は配分的に法人全体の20%以下の範囲で、法人Bにも築古を紛れ込ませています。

これが結構良い感じです。

20%というのは、現状は築浅取得時の自己資金+元金返済分くらいの感覚です。

つまり法人Bが債務超過にならない範囲で、築古を追加する感じです。

再現性が無いと言うのはこの辺の事です。

物件を買い進めるには担保の余剰やキャッシュが必要ですが、幸い法人A・B以外に個人に担保の余剰がありました。

なので法人Bが債務超過にならない範囲で(ぶっちゃけるとギリギリまで)築古をブッコむことが出来ました。

4.まとめ

今回はかなり個別の事情に寄ったお話になりましたが、私たちなりの戦術の披露でした。

築古絶対主義、あなたのボロ物件に突撃のタイプは、キャッシュを積み上げる・自己資金を多めに入れる・別な資産がある感じで成立していると思います。

私たちのように持たざる者は、知恵を使い戦うしかありません。

今では法人Bで新築・築浅を購入して、法人Aで築古高利回りを堪能するのが、すっかりと軌道に乗っています(変な言い方ですが汗)。

ポイントは、なぜ法人A・Bの二つの法人を持っているか?をストーリー立てて説明して相手に共感・納得感を得る事が大事な部分です。

たった一個の金融機関でも、共感が得られて金融機関が応援したい!って感じに持っていければ、どの金融機関に行ってもだいたいは通用しています(今のところは(;^_^A)。

日本政策金融公庫、信用保証協会を攻めて、法人Aで色々な無担保融資を受ける。

これを決算書などでオープンにしつつも、法人Bで融資を受ける際に法人単位で(いい意味で)隠ぺいする。

実際にはオープンだが、法人Bへプロパー融資がしやすいと言う意味です。

 

これにテリー隊長さん・melmさんの推奨する、法人ではなく個人に金を残すことを追求するなら、個人事業で大型物件を持ち、法人A・Bはマイクロ法人スキームとして活用することもできます。

実は私たちはこのパターンです。

今回は単純化するために、法人A・Bに話を限定しました。

 

よく誤解されるのが、消費税還付の1棟1法人スキームです。

生い立ちは似ていても、金融機関に納得してもらえると言う意味では、似て非なるスキームだと思います。

ホンネでは儲かっていれば良いという金融機関も多いので、1棟1法人スキームも実害なしの場合も多いようですが、やはり売却して身ぎれいになる事を目指す人が多いのも事実です。

一番の違いは、法人設立の意図・経緯を銀行・税務署に説明できて、少なくても銀行は納得に応じる(変な日本語ですが、解っていても説明できるって事です)ことです。

真摯にストーリーを作り説明する必要はありますが、夫の法人、妻の法人と説明して、突っ込みを受けた銀行は今の所一つもありません。

 

皆様の法人設立のストーリーやスキームの構築のお役に立てると幸いです。

 

今回のコラムは如何だったでしょうか?

私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。

我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。

―以上です―