おはようございます。

しげお@です。

 

楽待記事にありました「底地権」について、

私なりにコラムを書きます^_^

 

「底地権」

聞いたことがある程度〜の方が殆どだと思います。実際に取引の場で出てくるのは「借地権」が多く、「底地権」は出てこないことがほぼです。

底地権、これは、上物が借地権である土地(底地)の権利です。ざっくり土地を持っているだけで建てる権利はありません。

 

・底地の儲けは何があるか?

底地権の収入は毎月の地代があります。

 

借地権の更新料

借地権は木造(非堅固)なら20年毎の更新、鉄筋など(堅固)なら30年毎に更新があります。20年に一度のボーナスです。

更新料の算出は各地主ルールがあったりしますが、目安は裁判等であります。更地価格の3%5%くらいかな。路線価の10%とする地主もいます。

 

建て直し、名義変更料

借地権の建物を建て直したり、耐用年数を伸ばす大規模改修をやれば、“地主への承諾料が必要です。借地権を売却をするときは、地主(底地権側)の承諾が必要で、お金が発生します。

底地の支出は、毎年の固定資産税くらいです。

 

・実際の売買相場は?

底地権の査定は難しいです。

これは借地権が絡むため。底地の上にある借地権者(建物所有者)によって、儲かるし、塩漬けにもなります。

 

〜儲かる場合〜

例えば底地権を買って、借地人に交渉します。

「底地を買ってください」

これは、借地人にとっては、権利が借地権から所有権に変わる大チャンスです。多少高くても買うかもしれません。

この逆もあります。

 

「借地人に、借地権を売ってください」

これも所有権になります。まず、このどちらがを狙います。これが成立しなかったら、、、底地は地代の利回りとして保有するのみです。

 

・底地権の査定

路線価割合や利回りでも計算されます。

 

最悪のケース(所有権にならない、借地人が何も応じない、契約書も昔のまま等)を底地のリスクとして、そこに所有権化による利益の可能性を考慮した数字が、底地の金額になります。

※実際の売買では、実勢価格の借地権割合で底地の価格を出すことはせずに、二束三文で取引となります。

 

なぜ二束三文かというのは、この所有権化の交渉は既に決裂していたり、地主(底地人)との関係がぶっ壊れていることがあるからです。

他にも、融資がつきにくいこと、権利や人間関係が複雑で、一般の不動産投資家が買わない(紹介されない)ため、底地は底地を得意とする業者に流れがちです。業者は買い取って、根気強く借地人と交渉をして、底地を売ったり、借地権を買い取って新築戸建を建てたりします。

 

・底地買取と売買のイメージ

底地を買い取ってもらう場合ですが、業者は仕入れで底地を2で買います。(全体を10として)それを借地権者、所有権メリットのある人に売るときは3〜4でうります。

逆に借地権を買い取るときは、5〜6で買い、10で転売します。

 

この所有権化の確率を高めるために、広さのある底地(うえに3.4人の借地人がいる)は買い取りますが、借地人が一人だけの底地はリスクが大きいので買取査定はガクンと下がります。

 

所有権化できなければ何も出来ず、地代だけです。それこそ、実質利回り10%以上でないと買い取らないでしょう。※場所による

 

・底地人の必殺奥義

じゃあ、借地人と喧嘩していたらずーっと何もできないのか?

そんなことはありません。借地権売買が起こったときに嫌がらせができます。

 

売買の承諾をしないです。

これは、借地人から見れば最悪です。売ろうとしても地主が承諾しない、売れません、最悪です。

 

この場合、借地人は「借地非訟」をします。裁判です。ただ、この裁判は最終的に地主が買い取る権利があり優先されます。裁判所が出した借地権価格で地主が買取る(相場から安い)のです。

裁判所が出した価格は安いので、借地権購入後(所有権化)に、それをそのまま建売業者に売っても利益でしょう。

 

私が底地を持っていて、借地人と喧嘩していた…借地人からの譲渡承諾を無視し、借地非訟による獲得をやるでしょう。

こんなリスクがあるため、借地権の物件は、大地主やお寺、役所が持っているのが望ましく、よくわからない個人や法人が底地権利者だと、このようなことが起こるのです。

 

区分マンションでも同様で、特に借地権の築古区分マンションは要注意です。地主が承諾を拒絶して、一部屋ずつ借地非訟で獲得して建て替えを目指す物件も知っています。

(築古借地権マンションは、裁判所の査定が安い。それを買い進めて、最後はマンションデベに用地で売る。時間はかかりますが、かなり儲かるでしょう。

 

・さいごに

底地権は知れば知るほど奥深く、読み合いです。不動産をやるからには、借地と底地の権利関係や仕組みの理解はマストと思っています。

実際は営業マンでも、借地権や底地権(特に底地)を扱ったことのない方は多く、査定基準や承諾ルールも曖昧です。

 

権利だけでなく、人の感情が絡むことで価格が左右される借地権・底地権、面白いです。

積極的には…買いたくないですケド。笑