こんにちは。

ベトナム大家です。

 

さて、コラム「宅建業者」シリーズは

今回の10回目を書いて最終話とします。

 

400万円の物件に買付が入っているとき

これまでは買い上がりが有効でした。

500万円で買うという客が現れたならば

手数料が3万円アップするためです。

 

ところが、手数料が30万円固定になり

この手法は使えなくなりました。

では、同じタイミングの買付に対して

誰が優先されるのかを解いていきます。

 

仕事と手数料が釣り合わない

取引態様が「仲介」または「媒介」で

800万円で出ている物件があるとします。

 

素人が先に満額買付を入れたとしても

これは簡単に引っ繰り返されます。

直接買うという業者が現れたならば

手数料が掛からなくて済むからです。

 

[売主] →30万→ [仲介] ←30万← [素人]

[売主] →0万← [業者]

たかが重要事項説明書を作ってもらうだけで

30万円も盗られるのは大きいです。

自分で作れば1日です。時給4万円です。

 

金額の多寡だけで決まらない

では、素人が先に満額買付を入れてから

業者が指値30万円の買付を入れたとします。

 

素人に売ると800万-手数料30万

業者に売ると770万です。

先行者が優先されるかも知れませんが

業者のほうが選ばれることも多いです。

 

なぜなら、プロが素人に物件を売ると

契約不適合責任が2年ついてくるからです。

(旧名称:瑕疵担保責任)

 

具体的には

・雨漏り

・シロアリ

・給排水管

の3点が挙げられます。

 

売却してから1年11か月後に

「雨漏りが発生したから修理してくれ」

なんて言われたら、超絶面倒くさいので

業者は業者に売りたがる傾向にあります。

 

私も、仲介を経由した買付が入った後に

業者から買い取りたいと相談がありました。

仲介に買付キャンセルの連絡をしたところ

ネチネチ嫌味を言われましたが、響きません。

 

なぜなら、不動産業界は後人生を賭け、

死力を尽くしてる、言うなら戦場です。

買付を奪われた買付を奪われた・・・と

騒ぎたてる仲介がどこにいるでしょうか?

いたら物笑いの種にされるだけでしょう。

不動産業界では、だまし打ち不意打ちが日常

皆、なんとか他社の寝首を掻こうと

専属を取ろうと策をめぐらしています。

それが真剣勝負というものです。

 

不動産屋なんて日本に12万社以上あるので

嫌味を言うやつは着信拒否して仕舞いです。