暑中お見舞い申し上げます。
お中元の時期です。玄関席に桃やビールが届きます。取引業者の皆さま、お気遣い誠にありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。
さて唐突ではございますが、今回、読者の皆さまにクールな話題を提供できる運びとなりました。
💀建築業者破綻💀
1.好事魔多し
2.カオスな世界が幕を開ける1本のLINE
3.破綻されたAさんにお伝えしたいこと ⇦今回ここまで
4.前兆
5.当日中に手を打ったこと
6.リフォーム中断物件が多数発生
7.工事中断物件対策
8.損失額
9.教訓
10.今後の展開
11.まとめ
1.好事魔多し
コラムを開始して2年半が過ぎようとしてます。その間も、出逢った方々にも恵まれて、ほぼ無風で事業を邁進してまいりました。
その間を一言で表現すると、まさに
「泰平の世」
250年以上続いた江戸幕府のごとく、安定統治。ちょっとした事件は起こるものの、笑い話のネタにできる程度でした。
そんな平和ボケの日々が続き、日差しが強くなりつつあったある初夏の日のこと。
新大阪駅に到着した矢先、1本のLINEでカオスの世界が幕を開けます。
2.カオスな世界が幕を開ける1本のLINE
「お世話になります。色々とごちゃごちゃしてすみません。 さんの工事は綺麗にしたかったのですが、どうにかやって行こうとしたのですが完全に循環出来なくなって仕舞いました。他の所も完全に回らなくなりました。今までさんざん色々な事で助けていただいたのですが裏切ってしまいました。もう完全にパンクしてしまい身動も取れない状態になりました。 nは一番ご迷惑掛けする事になり大変申し訳御座いません。今後は破産手続き致します。 無茶苦茶な形になり本当に申し訳御座いません。」(黒塗り以外原文ママ)
過去のコラムでご紹介したやばい戸建
⇓ 何百万もお支払いしたものの・・・
この状態で放置( ;∀;)
ついにビッグイベントが発生してしまいました。
普段、私の築古戸建てやアパート、マンションリフォームを請け負っていた業者さんが自己破産しようとされているのですΣ( ̄□ ̄|||)
早速各方面からスマホが鳴り響き、ラインやメールもバンバン入ってきます。電話の本数は初日で約30本。破綻された業者さんが関係者に同様のラインを送ったようです。
中には「この番号にかけてと言われてかけました。未回収工事代の300万もらえますか?」とか・・・
破綻した業者さん(以下 Aさんとします)の下請けの方々は阿鼻叫喚の様相。関係者各位、資金回収に必死です。私としてはAさんに工事代を全て支払っているものの、下請けの業者さんはAさんから支払って頂いてないため、私に払って欲しいと訴えてくるわけです。
事業存続がかかっている会社もあり、溺れる者藁を掴む状態で、「なんとかして欲しい」と必死に懇願されてきます。
若い頃に簿記の授業を受けた際
「この流れが連鎖倒産なんです!」
と声高々に語っていたスキンヘッド先生の顔が思い浮かびました。
「だる~、意味わからんわ」と眠そうに聞いていた授業を思い返します。
「先生、僕はまさに今、30年の時を経てリアル体験してます」
ただ、30年前の僕であれば衝撃で愕然と立ち尽くし、動悸が止まらず、眠れぬ夜を過ごしたでしょう。しかし長い時を経て、少々のことでは動揺しないタフな精神力を養っておりました。
実際、コラムのネタが一つ出来たと思ってしまう自分がいます。
住宅営業時代は10万の損失でも出したら、失禁してしまうのではないかと思うくらい上司から詰められていたものです。良くも悪くもその経験によって、それよりはマシと思ってしまいます。
現在の「自己責任」という環境はあの時代より精神的にかなりラクです。そういう意味でもサラリーマン時代のおかげで問題に対応するキャパを増やすことができました。
お給料をいただきながら修行できたなんて、感謝せねば。
3.破綻されたAさんにお伝えしたいこと
一連の出来事をコラムに連載することをご了承下さい。多額の損失事件を投資家の皆さまへ私を反面教師として、せめて情報提供はさせていただきたいのです。
そして、Aさんのことは恨みつらみはありません。
数年間多方面にご協力いただいたことに大変感謝してます。
経営状況を何度聞いても「大丈夫です」としか言われなかったため、突然のことで驚きましたが、金額面で無理をさせていたのかもしれません。
どこで道を誤ったのか私にはわかりません。しかしながら、致命傷となる前に相談頂ければ良かったのではと思います。
Aさんは人柄の良さ、相談しやすさ、オールマイティな対応、レスポンスの早さもあり、周りに人が集まってきたということも知ってます。(それだけに皆さん衝撃度強めです)
今後について一つ言えることは「必ず再起できる」ということです。先ほど書いたAさんの人間力は努力して得れるものではないです。
当然破綻したらお金や所有物は消えますが、知識や能力、経験値は消えないのです。その持ち運び可能な知識や経験を利用すれば再起はきっと可能でしょう。
私自身、仮に経営破綻したとしても、これまでの知識とノウハウ、経験は応用できる自信があります。
必要なのは再度表舞台に出てくる勇気や精神力です。願わくば、岡山で再起して欲しいところですが、やりにくさがあれば他県でも良いのではないでしょうか。
個人的には、私の学生時代はプライベートや学業共にある意味、経営破綻状態だったと思ってます。
社会に出たら、当時のリベンジをしようと懸命に努力しました。
良い意味でのリベンジ
そして、再起を心から応援してます。
PS
本来は、前回の税務調査の結果報告をさせて頂きたかったところ、急遽倒産エピソードをご披露することとなりました。
1話完結しようと書き始めたものの、イベント的にボリュームがあり過ぎ、かつ様々な思いも書き綴ってしまい、続きは次回に持ち越すこととなってしまいました。
私と懇意な金融機関の皆さまもこのコラムを読まれてると耳にします。内容的にさぞご心配になられるかと察しますが、次回決算にてご判断いただけますと幸いですm(__)m
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