◆本日の相談

 毎週月曜日は、「楽待相談室」に寄せられている質問への回答を抜粋して、同様の悩みを持っている方にも参考になるよう補足して解説していきます。

 

 今回は「2024.7.6 融資条件を聞いてください」という相談を取り上げたいと思います。

 ※事前に質問を読んでから記事を読んで頂くとより有益です。(コラムのルールでリンクが貼れないため、楽待相談室から検索ください。)

 

 今回の相談は、木造アパートを購入しようとしている方から、ノンバンク系列の銀行から仮承認が下りたものの、他にもっと良い条件で融資をしてくれる銀行を探したいという相談です。

 

 一言に「良い条件」と言っても、人によって答えは変わってきますよね。みなさんは良い条件ってどのように考えますか?

 

◆”何をもって”良い条件とするか?

 一般的には「金利は低く」「融資期間は長く」「自己資金は少なく」というのが良い条件とされています。すべての条件が揃っている融資を引ければ最高です。

 

 

 ただ、不動産投資1stステージにおいて、すべての条件が揃った融資は難しいですよね。金利が高かったり、自己資金が2割3割必要だったり、期間が短ったり、、、

 

 ましてや私たちのような持たざるサラリーマン投資家はまず不可能です。優先順位をつけなければいけません。

 

 ところが、誰かにアドバイスを求めると、ある人は「金利が低い」ことが条件が良いことだと答えます。また、ある人は「融資期間が長い」ことだと答えます。一方で、ある人は「フルローンが引ける」ことだと答えます。

 

 みなさんは”何をもって”良い条件と考えますか?違う言い方をすると、何を妥協しますか?

 

 

◆ここ最近の不動産投資の主流

 ここ最近の不動産投資の主流でいえば、「自己資金を少なく(フルローン or オーバーローン)」を一番の条件とする人が多いようです。

 

 自己資金を温存できる分、金利は高めですが、融資期間も長めに取れます。融資期間を長めに取れるため、高い金利でもCFを出すことができます。

 

 この自己資金温存重視派の投資家の狙いとしては、不動産投資1stステージにおける「手元資金の最大化」と「短期間での規模拡大」があります。

 

 そのため、最初に融資を引くなら、現在でもフルローンの出るS銀行一択ですという不動産業者や不動産コンサルもいます。

 

 一方で、デメリットとして、自己資金割合の低い融資をしてくれる銀行は限られるため、投資家が殺到しています。

 

 その上、融資対象エリアが限定されているため、少ないパイの争奪戦が繰り広げられています。ちょっと良さそうな物件が売りに出されれば一瞬で売れてしまいます。

 

 自己資金を温存して融資を引きたいがために、収益性や資産価値を犠牲にして無理やり購入しているケースも見受けられます。(なかにははめ込まれてしまっているケースも・・・)

 

 バックにある属性力に加えて、物件発掘力と目利き力、さらには行動力と素早さが求められる投資スタイルです。

 

◆ななころの場合

 私はというと、実はすべて妥協しています笑

 

 なぜなら、私は持たざる不動産投資家だったということもり、「金利」「融資期間」「自己資金」の3条件どれも満たした融資を受けることができなかったというのもあります。

 

 あとは少ないパイを誰かと競わされるというのも好きじゃないのもあります。行列に並ぶのが好きじゃないんですよね笑

 

 一方で、金利は、決算内容が良く実績を積んでいけば、後から下げることもできます。(当初4.5%→現在1.3%前後)

 

 自己資金は1割2割入れてきましたが、利回りの高い物件を買っていることや、据置期間を置くことですぐに復活します。(サラリーマン時代は全力で節制生活して自己資金に回していました。)

 

 また、融資期間については、メインバンクの地銀が耐用年数内という厳しい条件があるため、めちゃくちゃ短いです。(最近買った物件は期間7年ちょっとです。)

 

 それでも、融資期間が短い分、みるみる残債が減り、あっという間に完済となります。これ気持ちいいです。

 

 そのため、幸か不幸か銀行の融資条件はすべて妥協するしかなく、良い物件を探すこと、良い物件を買うことに全力を注いできました。それでも5年で脱サラすることができました。

 

 ですから、必ずしも「金利は低く」「融資期間は長く」「自己資金は少なく」ということに囚われないようにしましょう。条件が悪くても後から条件を良くするチャンスはあります!

 

 

◆まとめ

 ということで、今回は銀行融資において「何をもって良い条件とするか?」についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?

 

 まとめますと、「何をもって良い条件とするか」は、その人の状況や戦略によって答えは変わってきます。あえて高い金利、あえて融資期間を短く、あえて自己資金を多くいれるということも全然あります。

 

 「金利」「融資期間」「自己資金」それぞれどういった優先順位となるのか、ご自身の立ち位置と目的に応じて戦略的に融資を引いていきましょう。

 

 なお、この相談者の方は、杉並区木造アパート約3億円の物件に2.9億円のローン、変動金利1.8%弱、30年少々の融資条件で仮承認が出ており、さらに良い条件の融資を探しているとのこと。

 

 まったくもって羨ましい限りですが、杉並区でいうと表面利回り5%6%、物件単体の収支についてはどうなのでしょうか。

 

 また、将来売却しようと思った時に市場はどうなっているのか。売れのか。今は本業も好調のようですが、このまま10数年間好調を維持できるのか。

 

 たとえ好条件で融資を引けたとしても、不動産投資の成否の鍵はその当たりもポイントとなりそうです。

 

◆編集後記

 先日銀行で記帳していると、母子の会話が耳に入ってきました。

 

 「ねぇ〜、ママ、銀行って15時でおしまいなの?楽だね!パパいっつも仕事で遅いから銀行で働けばいいじゃん!」

 

 きっとこの子も大人になって、銀行員の辛さを知る日が来るのかもしれませんね。

 

 私の知る銀行員は、どんどん不動産投資に目覚めて退職していきます。