~このコラムはサラリーマン兼業大家が58歳で退職後、専業大家として法人化10期目を迎えた、私の今を綴ったコラムです。~
こんにちは、kazu21599です。
2024年7月6日に【実践大家コラム】№195、プロパンガス貸与スキームの終焉~想定はしてたけど、ガス配管設置費用はどうなるんだろう?~
と言うコラムを書きましたが、7月29日2社目からより詳しい説明がありました。私自身の不勉強もあり実際今後どうなるのかよくわからないままでしたが、より詳しい説明が聞けたのでご紹介しようと思います。
1,LPガス業界の商習慣と『消費者被害』と呼ばれる課題
2,2024年7月2日施行…LPガス販売事業者の過大な営業行為の制限
3,2024年7月2日施行…LPガス料金等の提示の徹底
4,2025年4月2日施行…LPガス料金は三部料金制です
5,過大な営業行為に係るガイドライン等の整備(WG中間とりまとめの指摘事項)
となります。
1,LPガス業界の商習慣と『消費者被害』と呼ばれる課題
従来からLPガス事業者と不動産・建設業者との間に「設備の無償貸与」と言う習慣があったようです。⇒それがオーナーの方にも伝わり、ガス業者に過大な負担を要求するようになってきて、入居者(消費者に)に設備費用をガス料金に上乗せすることになり、実質消費者が家賃以外に設備費用を負担する(ガス料金が高すぎる、単身用学生アパートの同じような設備で同じような家賃なのにAアパートでは1か月5,000円、隣のBアパートでは1か月8,000円などという不透明な料金が請求されたりすることが横行してきた)
この商習慣のメリットは(ガス事業者とオーナー)にはあるが、
●ガス業者は設備貸与に…修繕費や設備交換代も含め高価格の貸与で解約条件を縛ることでガス販売契約を囲い込むことができる。
●オーナーは設備に…お金を掛けなくて済むので、その分家賃を安くして入居率をあげることができる。
⇒その反面入居者(消費者は)不透明で(料金の内容が良く解らない)高いLPガス料金を受け入れざるを得なくなるという問題が大きな課題になってきた。
問題点①ガス業者が…LPガス契約獲得を目的に過大な設備貸与の営業を展開してきた⇒当初はガスの建物配管部分や給湯器などのガス消費設備であったが、過大設備としてガスに関係のない、エアコン・温水洗浄便座・TVインターホン・Wifi設備などにも貸与が拡大してきた…過大な営業
問題点②過大な営業費用を…LPガス料金に上乗せして回収⇒通常であれば家賃に上乗せすべき費用をガス料金として回収…不透明で高いガス料金
問題点③入居するまで…ガス料金が不明⇒過大な営業費用が上乗せされているLPガス料金であることを入居前に知ることができない…不満とトラブル
このような問題点は入居者(消費者)にとって『消費者被害』となるとの認識になり、上記の商習慣を改善し、適正なガス料金(設備貸与の部分の上乗せの無い)の表示と請求以外は認めない方向で法律が改正されたようである。
※法改正の課題点
2,2024年7月2日施行…LPガス販売事業者の過大な営業行為の制限
①正常な商習慣を…超えた利益供与の禁止⇒ガスと関係のない設備の貸与もガスに関係のある消費設備料金も貸与禁止となりました。(というより個別にこの設備貸与が禁止ということではなく、ガス料金に設備代金を上乗せして請求することがダメということのようです。)
※個人の自宅の場合は、①ガス基本料金②使用に応じた料金③ガス消費設備料金(給湯器やガス配管設置料など)きちんと内訳がわかるように請求し(三部料金2025年4月2日より施行)、賃貸物件の場合は①②は入居者に請求し、③は建物のオーナーに請求しなさいと決まったということのようです。⇒個別の設備の貸与がダメと法律に記載されているわけではなく、貸与のような形でガス会社の変更がいつでも自由にできないシステムはアウトということで、結果的に貸与システムはできなくなったということです。(つまり現状のような設備のリース料+故障の修理代+将来の設備交換費用なども含めた高額な無償貸与は正常な商習慣としては認められないだろうという会社の判断…自主規制になったということらしいです)
※建物に附属するガス配管についてはまだ確定はしていないようですが、将来的には建物所有者と建物に付属するガス配管設備の所有者は同一者に一致させるようガイドラインに記載する方向の様です
したがって、2004年7月2日以降は給湯器などの交換も無償貸与は(自主規制でやめることなり)、継続して無償貸与をしているガス会社は、(立ち入り検査の際、その貸与が正常な商習慣として第三者に妥当で違反ではない商行為として説明できなければ)、是正の勧告、悪質と判断されれば罰金・営業停止などのペナルティがあるようです。
またこのような設備貸与をガス販売事業者に過大な営業行為を求めること、またはそれに応じた場合は違法となる恐れがあるとのことです。違法行為として経済産業省資源エネルギー庁のLPガス商習慣通報システムで監視するようになっているようです。(まあ誰かからのタレコミがあると立ち入り調査や是正措置の勧告になるのかなと思います。)
※違反した場合LPガス販売事業者が罰則の対象となります。(30万円以下の罰金)
重要な問題は、既に契約している、給湯器の無償交換(将来壊れたら)はどうなるかですが、この2社目の営業マンの会社では(1社目同様)やはり無償交換は禁止でオーナーに設置費用を請求する、修理の場合は修理費用を請求することになるようです。
但し説明のあった2社目の会社では、設備交換する費用は今のところ本体代金+材料費で取付け作業費は請求しない方向で行こうという事らしいですが⇒今後作成されるガイドラインで(取付サービスも)禁止される可能性もあるかもしれないということでした。
そして、営業さんが恐れているのが既に貸与済でまだ貸与金額(償却していない残債)が残っている設備代金をオーナーに請求せよとなった場合、大きなトラブルになるので、そうならないように願っているとのことでした。
※7月2日施行法改正
3,2024年7月2日施行…LPガス料金等の提示の徹底
賃貸住宅においては、入居者がガス販売業者を選ぶことができず、特定のLPガス販売事業者としか契約締結ができなかったので、賃貸契約締結後にガス料金でトラブルが発生しています。
⇒そこで管理会社や仲介会社は賃貸契約締結前にLPガス料金の提示をするよう、LPガス販売業者からお願いするようです。また提示がない場合は、そのアパートのLPガス販売業者に問い合わせるとガス料金等の料金を知らせないといけないようです。⇒賃貸契約前にガス料金の説明を聞き、契約後のガス料金トラブルを防ぐということらしいです。 ・・・つづく
さあ、いったいどうなっていくのかな?
※設備貸与が法律で禁止と記載されているわけではなく、賃貸物件の場合①過大な設備貸与金額で自由なガス会社変更ができないシステムでオーナーを縛るのは禁止②消費設備設置料金はガス代に上乗せして入居者(消費者に)請求してはならない。⇒建物所有者オーナーに請求しなさい、ということで、結果的に設備貸与はできなくなったという当該会社の判断で自主規制するということなのかなと思います。
※なお、コラム記載の内容は私が営業マンと話してそう解釈しただけなので、間違った解釈をしているかもしれません。必ずご自身でご確認下さいませ。
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