実践大家コラムの読者の皆様、こんにちは、llcです。
前回は神戸の区分店舗購入に際し、売主も管理会社も修繕積立金の変更予定無しとしながら、購入後すぐに管理組合より「修繕積立金足らないので、5年かけて修繕積立金4倍にするよ、前の定時総会で言っていたよね」という通知を受けました。
分かっていればもっと安く買えたんじゃないの?
誰が悪い?
という内容をコラムにしていました。
今回はその続きです。
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どこと揉めよう?
売主:定時総会に出ておらず、知りませんでした。
→ほんまか?知っとったんちゃうん?という思いは強いですが、知っていたことを立証するのは難しそうで、申し訳ないという態度が感じ取れたので、こことは揉めませんでした。
仲介業者:定時総会議事録を確認しておらず、知りませんでした。
→プロやろ!確認しとけ!ただ、ここと揉めて仲介手数料の一部の返金を受けるより、今後情報収集のための各種パイプ役になってもらおうと考え、こことは揉めませんでした。
管理会社:誤記でした。
→プロで、かつ明らかな誤記という物的証拠があったため、こことは初めから揉めるつもりでした。なので、記録に残すためメールでやり取りしていました。
前回のコラムでkazu21599さん・しげお@さんは仲介業者、たけさんは売主、タカボンのパパさんは買主が悪い(責任がある)とのコメントをいただきましたが、管理会社が悪いとのコメントはどなたからもありませんでした。今後のコラムの構成に影響を与えそうですが、実際に揉めたのは管理会社となので、このまま進めます。
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管理会社とのメールの要旨
(llc)修繕積立金が上がることを知っていれば、購入時にそれを理由とした減額交渉が出来たはず。経済的逸失利益として5年分の増加影響額として〇〇〇円補填して欲しい。
(管理会社)契約上「修繕積立金の値上げがされる場合がある」との条項があり、その条項に基づき売買契約が成立しているため、修繕積立金の値上げ予定に対する逸失利益は無く、お支払いできない。
→区分なので、当然「修繕積立金の値上げがされる場合がある」ことは認識していますが、重要事項調査報告書で修繕積立金の変更予定が無いことが前提の売買契約です。
重要事項調査報告書では修繕積立金の変更予定は、「有」「無」「検討中」の3つのチェックがあり、今回管理会社は修繕積立金の変更予定を知りながら、「無」にチェックをしていました。
修繕積立金の変更予定が「無」の場合の交渉と、「有」の場合の売買金額の交渉が同じはずがありません。
また、「無」の状態から検討して、決議して、移行期間を挟み、実行に至るまで最低5年はかかると考えていました。特に今回のように5年で4倍にするというような大幅な値上げであれば、こじれて否決され、更に時間がかかると思います。
⇒不誠実にもほどがある!よっしゃ、訴訟しちゃる!
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訴訟に向けて
①まずどのような訴訟の類型があるのか調べる
大きくは通常訴訟、手形小切手訴訟、少額訴訟、人事訴訟、行政訴訟の5類型。手形小切手訴訟、人事訴訟、行政訴訟は今回関係ないので省略。
通常訴訟:個人の間の法的な紛争、主として財産権に関する紛争の解決を求める訴訟
少額訴訟:簡易迅速な手続きにより60万円以下の金銭の支払を求める訴訟
→せっかく手間暇かけて訴訟しようとしているのに、少額訴訟なら60万円が上限。今回は明らかな物的証拠があるので、通常訴訟にしよう。
②どこの裁判所に訴状を出すか(簡易裁判所 or 地方裁判所)
簡易裁判所:140万円以下の請求に係る民事事件
地方裁判所:それ以外の一般的な民事事件
→区分店舗の購入額的に簡易裁判所が妥当かな。
③法的要件の検討
民法709条:故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
→管理会社が重要事項調査報告書で虚偽記載したので、売主と修繕積立金の変更があることを前提とした売買代金の交渉が出来なかった。
この条文でいけるはず。
④「訴状」・「請求の趣旨及び紛争の要点」の作成
探したのですが、標準フォームが無いんですよね~
ネットで探しながら見様見真似で作成しました。
「訴状」
事件名をつけて、原告・被告の住所・電話番号を記載するぐらいです。
「請求の趣旨及び紛争の要点」
請求の趣旨は原告に対して140万円支払えとしました。(簡易裁判所の上限です。)
紛争の要点は、
・事実の整理
・民法709条のあてはめ(不法行為の存在、故意過失の存在、因果関係、経済的逸失利益の算定)
という流れで記載しました。
⑤弁護士の先生に確認
弁護士報酬は着手金+成果報酬でかなりかかりそうと思ったので、頼むつもりはなかったです。
ただ初めての経験なので、作成した「訴状」・「請求の趣旨及び紛争の要点」を持って、時間いくらの相談料をお支払いして見ていただきました。
それを踏まえて記載内容をきれいにしていきました。
⑥簡易裁判所に訴状の提出
提出は簡易裁判所ですが、家庭裁判所・地方裁判所・高等裁判所も併設されているので、非常に大きい建物です。
入ってすぐ手荷物検査があります。
中は複雑に入り組んでおり、中々目的地にたどり着きません。
簡易裁判所の受付で状況を説明し、訴状等を提出しました。
訴状提出に必要な印紙(12,000円)・郵便切手(5,000円)は裁判所内に併設されている郵便局で購入可能です。
印紙の額は訴訟額や訴えの内容で決まっており、郵便切手は書類のやり取りに使用し、余れば戻ってきます。
このシリーズ今回で2回目ですが、まだ序盤です。
次回はこの続き、裁判所でのやり取りをコラムにしていきます。
皆様のコメント・いいねがコラムを続ける活力になりますので、よろしくお願いいたします。
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