こんにちは、サラリーマン大家のTAKAです。
本日はそもそも信用金庫とはどういう金融機関であるかというところも含め、信用金庫の不動産業向け融資の状況についてコラムを書いていきたいと思います。
1.信用金庫とは
信用金庫は、その信用金庫の所在がある地域の住民・企業が会員となり、互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織の金融機関です。このため信用金庫の主な取引先は中小企業や個人となります。
また、信用金庫は、利益第一主義ではなく、地域社会の利益が優先され、さらに、営業地域は一定の地域に限定されており、預かった資金はその地域の発展に生かされている点が、営利企業の銀行とは異なります。
そして、上記のような金融機関であるがゆえ、基本的には「会員」に対し、サービスを提供する組織となり、具体的に「会員」は信用金庫が所在する地区内の以下の者を指します。
地区内に住所または居所を有する者
地区内に事業所を有する者
地区内において勤労に従事する者
地区内に事業所を有する者の役員
地区内に転居することが確実と見込まれる者
<事業者の場合>
従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者
(出典:一般社団法人全国信用金庫協会ウェブサイトより一部抜粋)
なお、信用金庫の場合には、預金については会員外からの受け入れが制限されているわけではありませんが、貸出については、一部制限付きで会員外に行うことがあるものの、原則的には会員に貸出先が限定されています。
(この制限があるがゆえに、不動産投資家が融資を受けようとする場合には、お付き合い可能な信用金庫とお付き合いが難しい信用金庫ができることとなります。)
2.信用金庫全体の不動産業向けの融資の状況
今回のデータは不動産業向けの融資のデータであり、不動産賃貸業以外の融資も含まれています。
(出典:信金中央金庫 地域・中小企業研究所ウェブサイトより一部抜粋)
1998年頃は信用金庫全体の融資の約1割程度が不動産業向け融資だったものが、足元では約2割ほどに融資全体に占める不動産業向け融資の割合が増加しています。
また、不動産業向け融資については、足元でも前年度比約3%増加と引き続き残高を伸ばしており、信用金庫全体の前年度比約1%と比べても高い増加率となっています。
なお、信用金庫全体の融資は2020年頃までほぼ横ばいが続き、2020年以降で少し残高が増加していますが、おそらく新型コロナ対応の融資の影響だと考えられます。
3.私見
今の日本では、規模の小さな金融機関ほど貸出先に窮している現状にあります。今回の残高の推移を見ても、信用金庫のなかでの不動産業向け融資の残高が一貫して増えていることから、信用金庫は不動産業向け融資に高い関心を持っている金融機関であると考えられます。
ただし、例えば、営業地域内に中小企業がそれなりにあり、融資先がそれなりにある地域ではあまり不動産業向け融資に積極的ではないということはありえると思われるため、どの信用金庫も不動産業向け融資に積極的であるとはいえないように感じます。
(金融機関(特に担当者などの現場レベル)からすると、手間のかかる不動産業向け融資よりも、事業法人に運転資金を貸すほうが手間がかからないといった事情や過去のバブル崩壊で大きな損失を出した教訓などが影響していると思われます)
信用金庫全体としては不動産業向け融資に積極的な感じはありますが、実際にお付き合いをする信用金庫を探す場合には、楽待などでも定期的に公表している不動産融資の実績や、他の大家さんのつてなどを頼り、開拓するのが効率的かと思われます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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