お疲れ様です。
いよいよ、今週末に迫った第7回楽待セミナー。
そこでは、僕にとっての初めての一棟物件。
その出会いと別れのエピソードを語っています。
その物件は、
保有期間が僅か1年だったにも関わらず、
エピソードが多すぎて(笑)、
盛り込めなかったものも多数あります。
今日は、そうした取りこぼした中の一つ。
ある信金マンとの出会いについて、語らせてください。
今から、十数年前。
未だ、僕が区分しかしていなかった頃です。
区分を3戸。現金で買い進める中で、
その堅実な収益力を喜びながらも、
成長速度に限界を感じ始めていた中。
僕は、その頃懇意にしていた業者さんから、
一棟中古マンションの紹介を戴きました。
さすがに現金で買えるロットではなく、
初めて、住宅ローン以外の融資を引くことになった僕は、
・どんな書類を揃えればいいのか?
・そもそも、どこが自分に融資してくれるのか?
も分からずに、右往左往しながら走り回っていました。
最初は、サラリーマンとしての給与振込口座を開いていた
某メガバンクを、自分のメインバンクと思い込み(笑)、
相談に行ったものの撃沈。
日本政策金融公庫に、やっと行き当たり、
そこで融資打診を進める中で、
仲介業者さんから、ある信金を紹介されました。
そこで、僕に付いてくれたのが、
タイトルにある信金マンです。
まだ若く、20代後半だったと思います。
彼と何度か打ち合わせを重ね、
上司、支店長とも面談を行う中で、
遂にその信金さんから融資承諾の連絡を戴いた時は、
本当にうれしかったです!
ですが…
折悪しくというか、
同じタイミングで、日本政策金融公庫でも、
融資承認が下りたのです。
融資条件は、ほぼ同じ。
ただ、一つだけ違っていたのは、
日本政策金融公庫は、固定金利。
信用金庫は、変動金利だったことです。
その頃の僕は、初めての融資にビビりまくっていました。
そのため、15年の融資期間中、
金利が変わらないという、その一点のみで、
日本政策金融公庫を選びました。
今なら、確実に信金さんを選んでいます。
公庫は、恐らくこの一棟の借入で、
もう融資の上限枠に達していました。
でも、信金さんの場合には、
その後のお取引に繋がっていくという、
大きなメリットがある訳ですから。
が、
当時は、ほんとに分かっていなかったんですね💦
ただ、金利の変動リスクが怖い。
その一点だけで、僕は公庫を選びました。
その結論を告げた時の、
彼の残念そうな表情は、今でも記憶に残っています。
ー・ー・ー
時が経ち、
ある大家の会で、
僕は、どこか見たことがある顔を見つけました。
そうです。
あの信金マンが、同じ大家の会に参加していたのです。
懇親会で彼を見つけ、挨拶をすると…
彼も、僕のことを覚えていてくれました。
お互いの近況等を話す中、
彼が信金を卒業して、専業大家を経て、
今は、宅建業者としても活動されていることを知りました。
お酒が進む中、
当時の思い出話となった時に。
「僕は、MOLTAさんのお陰で偉い目にあいましたよ」
笑いながら、彼が語ってくれた話を紹介します。
当時は、
まだサラリーマンが融資を引いて、
収益物件を買うということが、
ほぼ一般的ではありませんでした。
彼も、僕の担当をするようになって、
「こんなこともできるんだ!?」
と、驚いたそうです。
これまでの個人事業主や、中小企業の運転資金や設備資金。
そういったものとは、全く異なる融資に取り組むことになった彼は、
書き上げた稟議書を、何度も上司から突き返されたそうです。
時には、
「こんな内容で、稟議が通るか!」
と、投げ返されたことも…
いつも、僕に笑顔で、
「MOLTAさん、こうした点については、どう思われていますか?」
と質問してくれていた裏には、
そんな話があったんです。
苦心惨憺しながら、ようやく支店内での稟議が通りました。
ただ、一介の、地主でもなく、資産も無ければ賃貸業の経験もない。
そうしたサラリーマンに融資をするための最後の条件。
それが、支店長面談を経て、支店長が得心することでした。
支店長とは、都合2回面談をしました。
一度は、紹介してくれた仲介さんのお店で。
次は、支店長室で、です。
どちらの時も、僕なりに真摯に対応したつもりです。
ただ、彼のそうした苦労は知る由もなく、
自分の夢や思いを、熱く語るのみでした。
仲介さんの店舗での面談の際には、
質問は、主に彼が僕にしてきました。
・なぜ不動産をやろうと思ったのか?
・サラリーマンをしながら、物件の運営はどうするのか?
・どういうリスクがあると思っているか?
・それに対しては、どう備えるか?
・どういった経営をしていきたいのか?
等など。
そうした質問に、当時の僕としては精いっぱい
真摯に応えたつもりです。
ただ、僕は、質問をしてくる彼の顔を見るのが精いっぱい。
支店長まで、気を配る余裕は、ほぼありませんでした。
面談が終わり、支店長と彼がその場を辞した後。
仲介さんが、
「支店長、面談の間、ずっとMOLTAさんをじぃっと見ていましたね」
と言われて、
初めて気が付いたくらいです。
そんなこんなを経て、
ようやくいただいた融資承認。
支店長承認で済んだのか、
本部承認まで必要だったのかは存じませんが、
大変だったと思います。
本当にありがたいことです。
その融資承認を、僕はお断りしちゃった訳です。
公庫は一般の金融機関としての機能は持たないことから、
お家賃の扱いについては、御行でお願いします。
そう伝えた僕に、
「分かりました。ありがとうございます」
そう答えて、信金に戻った彼は、
上司から、
「顧客のグリップが、できてない!」
と、またこっぴどく叱られたそうです。
本当に、すみませんでした。
でも、その話を笑いながらしてくれた後に、
大変でしたが、自分と同じサラリーマンが、
不動産投資なんてできるんだ!
そう気づきをいただけたのは、
MOLTAさんの案件のお陰でした。
あれからも、そのことがずっと心に残っており、
遂には自分でも不動産投資を始め、
今では業者にまでなっちゃいました。
あの時のMOLTAさんとの出会いが、僕の人生を変えたんです。
だから、謝らないでください。
むしろ、お礼を言いたいのは僕なんです。
そう言いながら、彼は笑ってくれました。
そんな彼と、
大家仲間として、また出会えたことが、
本当にうれしくて。
人の出会いの大切さ、有難さが身に染みた…
そんなエピソードでした。
がんばりましょう!
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