こんちくわHIKOです。
先日いつものようにポータルサイトを巡回していたところ、調整区域で解体更地渡しで建物が建っている物件を発見しました。
建物は写真ではまだ使えそうな雰囲気
土地も広く駐車場も2台程度確保できそうでした。
普段私は調整区域の物件を好んで買うことはありません。
築古戸建てプレーヤーのくせにフルレバレッジで融資引いて規模拡大していますので、金融機関の評価の低い調整区域を買い進めると、どうしても信用棄損して融資が引けなくなってしまいます。
※調整区域についてはここで説明しないので投資初心者の方は、市街化区域・調整区域でググってみてくれ
ですが、路線価の高い地域の物件を安く買い集めていると逆に担保余力が余ってきます。
そんな時は調整区域でも「エリアがいい、自宅から近い、建物が新しい」物件なら購入を検討します。
そもそも調整区域ですから安いですしね。
そんな訳で早速仲介会社に電話してみました。
「古家を購入して借家として賃貸する事業をしてるんですが、掲載の○○物件について教えてください」
こんな感じです。
すると、「あれね解体更地渡しで土地としてしか売れないの」
あれ?なんか怒ってる?機嫌悪い?
「古くても瑕疵担保責任無しでそのまま買い取りますよ?」
「いや、調整区域だからね、そういう用途の方には売れないの」
……?
なんで?
そもそも調整区域だと賃貸業やったらあかんのか?
そして何か仲介が恐ろしく感じが悪い。築古戸建て投資家になんか恨みでもあるんか?親の仇か?
とりあえず「あ、わかりました~すみませ~ん」と言って電話を切ったものの釈然としません。
まあ仲介のおっさんの態度はともかくとして調整区域だと賃貸業やったらダメなの?という問題について今回は書いていこうと思います。
まず、実際に私は既に数軒、調整区域で賃貸しています。
もちろん、ちくわの国の建築指導課に電話して調査済みでございます。
基本的に線引き前宅地なら問題ないそうです。
線引き前宅地とは、市街化調整区域に指定(※線引き)される前から宅地であった土地のことで、都市計画区域が設定される前はどこに家を建てても良かったんですね。
それがあるとき、「ここは市街化区域とする」「ここは調整区域とする」って決められたんだけど、基本家が建てられない調整区域に指定された場所に家を既に建ててた人は特例としてそこに住み続けていいし、家が古くなったら壊して再建築してもいいよっていうルールになったわけだね。
他人に土地を売却する時も家を建てられない土地じゃ資産価値が大きく減ってしまうから土地を買った人も家を建てていいよってなっててこれが線引き前宅地なんだ。
では、線引き前宅地でない調整区域に家が建っているのはなぜか。
これはいくつか条件があって建物が建っています。
よくあるのが、農家の分家として家を建てたパターン。農家の分家として行政が許可した建物なので第三者が住んだり、売買もできません。
ですから当然賃貸もできないというわけです。
沿道サービスとして建てられた建物も同じで、行政が沿道サービスに対して建築許可を出していますので、これを賃貸に出すことはできません。
※沿道サービス施設(えんどうサービスしせつ)とは、開発許可制度において、市街化調整区域内であっても、道路の円滑な交通を確保するために適切な位置に設けられる道路管理施設、休憩所又は給油所等である建築物等であって、開発許可等の対象となるもののことである。(Wikipedia参照)
沿道サービスの建物を売却して、買い主がそこで沿道サービスを行う場合は問題ありませんが、用途を変更して賃貸用住居にすることはできません。
と、いうことで多分仲介のおっちゃんはコレらのことを言っていたのだと思います。線引き前宅地だから問題ないはずなんですけどね~
私が既に数件賃貸している調整区域物件は線引き前宅地なのでセーフということです。
ところで、こういった線引き前宅地以外の調整区域物件を実際に賃貸物件として運用している人がいないかと言えば、たぶんいます。たぶんね。
「何かそういうデータとかあるんすか?」と聞かれれば無いけど。
それに対して行政から何かしらの罰則的な物があるかと言えばそんな話聞いたこと無いですね。
ですが、何かしらのトラブルが発生した場合、例えば大規模災害とかですかね。
入居者に万が一あったらひょっとしたら管理者責任を大家が問われることなんてのもあるかもしれませんね。
農家の大家さん、分家として建てた家、今は空いてるから賃貸に出してませんか?
沿道サービスで店舗として建物を建てて廃業後、空いた店舗を住居として賃貸してませんか?
私は、ちくわの国と投資対象エリアである隣国の建築指導課に電話して確認していますが、各自治体で多少基準が違ったりするかもしれませんので、詳しくは物件所在地の自治体に問い合わせてみてください。
コンプライアンスが声高に叫ばれる昨今、安易に目先の利益を追ってリスクを冒すとろくなことが無いので、皆さん法令遵守で行きましょう。
ではまた。
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