◆本日の相談
毎週月曜日は、「楽待相談室」に寄せられている質問への回答を抜粋して、同様の悩みを持っている方にも参考になるよう補足して解説していきます。
今回は「2024.9.26 築古物件購入と今後の融資について」という相談を取り上げたいと思います。
※事前に質問を読んでから記事を読んで頂くとより有益です。(コラムのルールでリンクが貼れないため、楽待相談室から検索ください。)
今回の相談者はすごいです。年収2500万円と属性が良い方で、築35年渋谷利回り5%の1棟アパートを1億円で購入検討されている方からの相談です。
資産価値も高く個人所得の節税にもなり、良い投資だと考えていらっしゃるようですが、一方で債務超過を心配されているようなのです。
「ノンバンク使って、このような築古い物件を最初に買ってしまうと債務超過で買い増しが難しいと聞いたことがあるのですが、cfが少しでも黒字であれば大丈夫でしょうか?」
と、相談には記載がありますが、みなさんはどう思われますか?
◆今回の相談のポイント
たぶんこの相談を読んで、みなさん思うことは「相談ってそこ?債務超過なの?」ということではないでしょうか。
このコラムを普段から読んでいるような方には、質問者さんが心配されいている「債務超過」についてあらためて説明するまでもないと思います。
往々にして都心の物件は、築古であろうが新築であろうが、債務超過になりがちです。銀行評価(≒ 積算評価)と実勢価格の乖離が大きいからです。
「銀行評価(≒ 積算評価)< 実勢価格」となりますし、ましてや今回のようにノンバンクで30年の超長期融資を受けるとなれば、物件単体でみれば債務超過になるのは仕方が無いのかなとは思います。
しかし、それを補うだけの属性と金融資産があるようですので、債務超過は今回の相談のポイントではないと考えます。
◆不動産投資は市場の○○を突く投資
「不動産投資は市場の歪みを突く投資」
どなたが言い出したかは分かりませんが、本当にその通りだなと思います。不動産投資はまさに市場の歪みを突くから面白い!
たとえば、私は地方高利回り投資を得意としますが、どんな市場の歪みを突いているかというと、主に2つだと思っています。(他にもありますが)
1.「銀行評価(≒ 積算評価)> 実勢価格」
地方物件は、銀行評価(≒ 積算評価)に比べて、極端に売買価格が安かったりします。そのため、債務超過になるどころか、買った途端に資産超過になることも珍しくないんです。
昔に比べたらそのような物件を探すのは難しくなりましたが、それでもしっかりと探せばまだあります。3年前に購入した物件も、銀行評価では9000万円を超える物件を5000万円で購入できました。
地方高利回りの投資妙味はここにあります!
2.家賃収入比物件価格
また、地方は都心の物件と比べて、家賃収入に対して物件価格が極端に安いです。
たとえば、年間家賃収入500万円の物件が、都心だと8000万円だったり、今回の渋谷だと1億円するわけですが、地方だと3000万円で買えてしまったりするわけです。物件価格でいうと3倍の開きです。
一方で、地方と都心とで、同じ間取りの部屋の家賃が3倍の開きがあるかというと、せいぜい2倍です。(もちろん築年、エリア、部屋によりますが)ここに歪みがあります。
(渋谷でも5万円台のお部屋はごろごろ)
◆市場の歪みはどこ?
このように市場の歪みを突くところに不動産投資の妙味だと思っているのですが、今回の相談ではどうでしょうか?どんな歪みを狙うことができるでしょうか?
今回の相談のような超都心の物件を購入する場合、たとえば賃料相場の歪みを狙うことができそうです。
現在は昔に比べていろいろな物が高くなっていますよね。家賃も以前と比べて上昇傾向です。特に渋谷のような超都心はすでに大きく値上がっています。
そこで、この渋谷の築古アパートを利回り5%で購入。値上がる前の家賃で住まれている入居者がいるようならチャンス。家賃を上げることができるかもしれません。
もし家賃を10%上げて、5年後に購入時と同じ1億円で売却することができれば1.1億円。1千万円も利益が増えます!驚
また、渋谷駅徒歩10分といっても、築古アパートの賃料だと、せいぜい1K6万円とか7万円が相場です。先ほどのように5万円台もごろごろ。
一方で、インバウンド向けや外国人向けマンスリーで貸すと、1泊1万円取れたりします。1ヶ月15日稼働すれば15万円ですから、単純計算で倍稼げることになります。(経費率は違いますが)
このうように様々な市場の歪みを突くことができたら面白そうですよね!
◆まとめ
このように、市場の歪みを突くところに不動産投資の妙味があるわけですが、いかがでしょうか?
今回の相談の渋谷の築古アパートの詳細が分からないため、市場の歪みを突く投資になっているのかどうか、良い投資なのかの判断ができませんでした。
この手の物件の購入相談をするときには、どのような目的or意図で、どんな物件を買うのかを明確にして質問すると、良い回答が得られるんじゃないかなと感じた次第です。
不動産投資の目的が節税ではなく、儲けを出すたならば、市場の歪みを突くことを意識していきましょう!不動産投資って楽しいですね!
◆編集後記
いや〜、サラリーマン時代、私にとって年収2500万円というのは夢のまた夢でした。
そんな高額年収を稼ぐことなんて一生無いだろうなと思ってました。
そして、卒サラした今、本当に一生無くなってしまいました笑
今はキャッシュフローで達成したいなと思っている次第です!
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