◆大手銀行各社も金利引き上げ

 「住宅ローンの金利引き下げ交渉」について、シリーズでお届けしています。今回は第5回目。本日最終回となります。

 

 #165 -0.75%ダウン成功!住宅ローン金利引下げの交渉方法(4)

 

 先日のニュースでも報じられましたが、ついに大手銀行各社も10月からの変動型の住宅ローンの基準金利を引き上げ出しましたね。。

 

=== 記事一部抜粋 ===

住宅ローン「変動」「固定」どっちが得?大手銀行も17年ぶり引き上げで家計負担増…物件価格は下がる?

 

 大手銀行各社は、10月からの変動型の住宅ローンの基準金利を引き上げた。

 

 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンク3行は、10月から変動型住宅ローンの基準金利を一斉に0.15%引き上げた。この基準金利の引き上げは17年ぶりで、既存の借り入れをしている人向けには、基準金利を2.625%に設定した。

 

 これは、日銀が7月に政策金利を引き上げたことを受けたもので、多くの家庭で家計の負担が増えることになる。

 

(2024年10月5日 日テレニュースより)

=== ここまで ===

 

◆金利上昇時代に必須の知識

 すでに地銀や信金では金利引き上げの動きは始まっており、各銀行おおよそ0.15%の金利引き上げを通知しているところが多いようです。

 

 そして、これからも金利は上昇していくことが予想されています。日銀は政策金利を近い内に0.5%、そして数年内に1%後半から2%程度に上昇していくと考えられています。

 

 これからの金利上昇時代においては、金利交渉の知識はこれまで以上に重要な知識になっていきそうですね。

 

 私も自宅を購入した時の住宅ローンの金利は、1.475%と住宅ローンとしてはかなり高めの金利設定でした。そのため、「金利をどうやって下げるか?」が喫緊の課題だったんです。

 

 そこで、「金利をどのように引き下げたのか?」について、コラムを読んでくださっている方にシェアさせていただいています。

 

 前回のコラムでは、ライバルB信金から提案してもらった金利0.325%をA信金にぶつけたところ、A信金からは0.725%の提案をもらったことをお伝えしました。

 

 #166 -0.75%ダウン成功!住宅ローン金利引下げの交渉方法(4) 

 

 B信金の提案には及びませんが、それでも借り換えはせずにA信金との付き合い継続しようと考えていました。

 

 ”ある条件”をA信金が飲んでくれたら・・・

 

◆ある条件とは?

 今回の金利引下げに加えて、どうしてもA信金に飲んでもらいたいと思っていた1つの条件がありました。

 

 それは、「連帯保証人から妻を外す」ことなんです。

 

 あっ、別に離婚するからじゃないですよ!(笑)妻の心理的負担を少しでも減らしたいなと思ったからなんです。

 

 住宅ローンの連帯保証人が重荷になって、不自由を感じていたら嫌じゃないですか。(不自由を感じていないと信じてますが)

 

 そのため、妻の連帯保証人を外すことができるのであれば、B信金に借り換えはせずに、A信金との付き合いを継続しようと思ったんです。

 

 そして、「金利については分かりました。」「妻の連帯保証人を外してもらえますか」とA信金に伝えたんです。

 

 すると、A信金からはすんなり了承を得ることができました。金利は1.475%→0.725%へと下がり、妻を連帯保証人から外すことができたんです!

 

 しかも今回の金利交渉で最も良かった点は、A信金ともB信金とも良好な関係を続けながら、金利引下げすることができたんです。

 

 ここまでをまとめると、金利引下げをしてもらうには、単純に「金利を下げてください」と言っても「できません」と終わってしまうため、準備が必要です。

 

 その準備とは、ライバル銀行と付き合っておくことです。ライバル銀行の存在こそが金利引下げには最も重要なポイントなんです。

 

 

 

◆金利引下げのために重要なポイント(残り2つ)

 そして、お伝えしていなかった金利交渉を有利に進めるための残り2つのポイントをお伝えしておきます。

 

ポイント2.残債 < 担保価値(+金融資産等)

 住宅ローンは不思議なローンです。

 融資金額に対して明らかに担保価値が足りていなくても、銀行は融資したがります。新築物件なんかは、購入した途端、2割~3割の価値が下がることはよくあることです。

 

 5000万円で購入した家に1日でも住むと中古となり、4000万円とか3500万円でしか売れなかったりします。「残債 > 担保価値」の状態がいつまでも続いてしまうんです。

 

 これだと金利交渉を有利に進められません。

 

 一方で、自宅購入を不動産投資と同じように考えると、銀行と交渉しやすくなります。「残債 < 担保価値」の状態だと金利が下がりやすくなります。

 

 さらに、空き担保を利用することだってできるようになります。

 

 たとえば、担保価値5000万円の自宅の住宅ローン残債が3000万円だとすると、単純計算で空き枠2000万円を使って、物件購入の自己資金に当てたり、フルローンを引くこともできるようになったりもします。

 

 自宅購入時から残債と担保価値のバランスを意識しておき、住宅ローンの残債が担保価値を下回るような状態にしておくことが重要です。

 

ポイント3.確定申告 or 決算書

 そして3つ目のポイントは、確定申告や決算書です。

 

 すでに収益物件を所有しているのであれば、確定申告や決算書が黒なのか赤なのかによって、金利交渉に影響してきます。

 

 有利に金利交渉をしていきたいと考えるのであれば、黒にしておいた方がいいでしょう。

 

 

 ということで、ここまで私が実践してきた住宅ローンの金利交渉について赤裸々にお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?

 

 役に立ったかどうか分かりませんが、少しでもみなさんが金利交渉する上で役に立つことがあれば嬉しく思います。

 

◆編集後記

 以前、「仕事やめたいんです。不動産投資のこと教えて下さい!」と若い銀行員からお願いされて驚いたことがありました。

 

 若手の担当者が次から次へとやめてっちゃうんですよね。

 

 ドラマ「半沢直樹」のような世界が本当にあるのかは分かりませんが、銀行って本当に辛い職業だなと思った次第です。。。涙