こんちくわHIKOです。

 

前回のコラムで浄化槽についてお話しましたが、前回にも増して臭ってきそうなお話です。

 

汲取りトイレ、通称BOTTON

浄化槽ですら都心で大家業している方には馴染みが無かったりしますが、汲取りトイレとなると、どうなんでしょう?

都心のタワマン投資をしている方には100%興味無い話だと思うのですが、タワマン買うような方はそもそも私のコラムを読んでいないでしょう(笑)

 

私も戸建て物件で汲取りトイレの物件を1軒所有しています。

水洗トイレが主流となった現在では絶滅寸前となってしまった汲取りトイレ。今日はめくるめく汲取りトイレの世界にご案内しましょう。

 

 

前回お話した様に水洗トイレには下水道、浄化槽があります。

汲取りトイレは浄化槽が普及数前にデフォルトだったトイレで、地中に埋めたタンク(便槽)の上に便器を置き、汚物をためておくという極めて原始的なシステムでした。

そう、一番の違いは水洗トイレのように浄化しないんです。

ですから、ひたすら汚物が便槽に溜まっていきます。これをバキュームカーで汲取ってもらう必要があります。

当然便槽に溜まっているだけなので、同居人数が多くなれば多くなるほど溜まる速度が速くなり、頻繁に汲取りを依頼する必要があります。早い話がほかっとくと溢れます。大惨事です。

 

私は汲み取りの家に住んだことが無いので実際に見たことはありませんが、バキューム後便槽を水で洗浄するようです。

 

汲取りトイレのデメリットはまず臭いと虫でしょう。水洗トイレは便器や配管の途中にあるトラップに水が溜まっている(封水)為、下水や浄化槽から臭いや虫が上がってくることはありません。※空き家期間が長いとこの封水が蒸発して臭いや虫が上がってくることがあります。

 

この虫や臭いを防ぐ為に殺虫剤や洗浄剤などを定期的に入れる必要があります。

 

また、これが最悪なんですが汲取りトイレに物を落とすことがあります。

水洗トイレでさえスマートフォンを落として阿鼻叫喚の状態なのに、これが汲取りといれとなったらどうでしょう。もう地獄絵図です。

物ならまだしも、小さい子供が落ちたりすることがあるので気を付けなければいけません。

 

実は数年前、家族で山の中の茶屋に昼食を取りに立ち寄った際、トイレが汲取りだったんですよ。

そこで用を足しまして、ズボンを上げた瞬間、どこかでカランカランていう音がしたんですね。

背中に冷たいものを感じましたね。何が落ちた?
100円ライターか? ※当時タバコ吸ってました

ライターなら気にしなくてもいい・・・・お・・ポケットにライターあるぞ。

携帯・・もあるな。

 

はて?気のせいだったのか?

 

・・・・

・・・・・・

 

あ“!! 車の鍵。今乗ってきた車の鍵が無い!?しかもスペアじゃなくてキーレスの本体が付いてるやつ!!

 

 

その後奇跡的にBOTTONの途中に引っかかっているのを腕を突っ込んで救出に成功しました。※どんな状況だったかは書きませんが皆さんが想像している通りです。

 

家族「遅かったね」

ちくわ「あ・あぁ」

家族「何食べる?私たちもう注文したよ」

ちくわ「ぉれはぁ~ ぃぃゃ~・・・食欲無くて・・・」

 

皆さんも気を付けてください。BOTTONには魔物が住んでいます。

 

 

さて、汲取り式トイレにもちょい進化版があります。

それが簡易水洗トイレというやつです。これは便槽に汚物を溜めて行くのは変わらないのですが、水を流して便器を洗浄することができます。便座も様式で水が流れるので、一見普通の水洗トイレと変わりません。

新幹線のトイレをイメージしていただけると近いです。

メリットはやはり水が流せるという衛生面と温水洗浄便座も利用できることでしょう。

デメリットは水を使用する分便槽の汲み取りサイクルが短くなるということです。

 

私は大人になるまで住居の簡易水栓トイレというのに出会ったことが無く、全く持って存在すら知りませんでした。

そんな簡易水洗トイレと初めて出会ったのは20代前半の頃、彼女の実家に初めて遊びに行った時でした。そこで見たことない謎のトイレと出会い衝撃を覚えたのを今でも鮮明に覚えています。

彼女に「お前んちのトイレ何アレ?」と聞くのも失礼かと思ったのでその後20年近く謎なままでしたが、不動産賃貸業を初めて謎が解けました。当時ガラケーの時代ですからね、グーグル先生もいなかったんですよ。

 

今でも築古戸建ての内見で簡易水栓トイレに出くわすと当時の彼女を思い出しますゴメンナサイ

 

 

そんな汲取りですが、臭突(しゅうとつ)というのがトイレの近くの屋外に立っています。

これは便槽から臭いを逃がす煙突みたいな筒です。

ネットで物件を見つけると、まずストリートビューで確認しますが、この臭突があると汲取り物件だということが分かります。

当然汲取り物件は家賃設定を低くするか、水洗に変える工事をしないと入居者が決まりにくい傾向にありますので大切なチェックポイントです。

 

せっかくいいエリアの物件でも「うわぁ 汲取りか その分多めに指値入れないといけないな」となる訳です。

 

簡易水栓に工事してあると臭突が撤去されていたり、水栓になってるのに謎に臭突が残っている物件がたまにありますが、内見する前に汲取りだということがある程度分かれば、家賃設定と購入金額を計算し、内見しに行く価値がありそうか判断する一つの材料になるでしょう。