お疲れ様です。

昨日は、仲良くしていただいている管理会社の
創立20周年記念パーティにお呼ばれしてきました。

東京湾クルーズの船に乗って、約2時間半。
緩やかに揺れるローリングに船旅気分を味わいながら、
業界の集まりらしく、
懐かしい顔もそこここにあり、
会話やスピーチを楽しみ、
お料理を味わいながら、あっという間の2時間半でした。

ご招待いただき、ありがとうございました。

その中で伺った社長のご挨拶が、
とても印象的でした。

20年前。まだ30歳手前で創業した時は、
良くしてくださっていた不動産会社の社長にお願いして、
事務所の一隅に机を置かせてもらい、
たった一人での旗揚げだったそうです。

売買・賃貸・管理と、
一通りの仕事をするつもりで立ち上げたものの、
なかなか成約には至らず、焦る日々。

知り合いの社長の行為に甘んじて
間借りしている身としては、
一年以内にきちんと利益を出して、
自分の事務所を構えたい。

けれど、
なかなか決まらないビジネスに、
焦燥感ばかりが募ります。

そりゃそうですよね。
自社のオフィスもない。
恐らくは、HPもない。
そんな会社が「仲介しますよ」といったって、
なかなか信用してもらえないですよね。

そんなことはないのでしょうが、
間借り先の社員の視線も、
日に日に冷たくなってくるように思える、
そんな中。

とある訳アリの経歴を持つ、
お部屋を探している人と出会います。

色んな部屋に入居のお申し込みをするも、
その訳アリが邪魔をして、
なかなか大家の許可が出ず、
住むところが決まらずに困っていたその人のために、
必死で部屋を探して、ようやく決まったのが、
会社として、最初の仲介手数料が入った時だったそうです。

会社として、初めての収入です。
それはもう嬉しかったのですが、
その時の、訳アリの人の嬉しそうな顔を見て、

「お客様に、ここまで喜んでもらえた。
 そのことが売り上げとセットになってきてくれたことが、
 自分は本当にうれしい」

そう、思えたそうです。

近江商人流の三方嘉とは、
よく言われる言葉ですし、
それを社是として語る社長もまた、
多いと思います。

ですが、
会社としての最初の売り上げと合わさって、
その思いが魂に刻み込まれた結果、
1年弱で、晴れて自分の事務所を構えることができ、
そこから少しずつ業容が拡大していった今。

20周年を経て、
こんなにも多くの社員に支えられ、
100人もの顧客を招待するセレモニーを開催し、
2年後には上場を目指す規模にまで、
成長することができたのでは。

そう、お話を聞いて思いました。

なお、
最初に快く事務所に間借りさせてくださった
大恩人の社長さんは、
その後、50代半ばで急逝されたそうです。

創業当時の苦しかった時に手を差し伸べてくださった、
その社長が、こ逝去されたことを語る時。

思いが溢れたのか、
言葉に詰まってしまった社長の顔が、
印象的でした。。。。

なにも、
事業規模を大きくすることが、
全てではありません。

周りに煽られるのではなく、
自分にとって、コンフォータブルなゾーンはなにか?
を見つめ、その実現に向けて、頑張りたいと
常々思っています。

ですが、
今回伺ったお話しのように、
自分の幸せだけでなく、
社員の、
そしてお客様の、
ひいては社会全体の幸せに、
些かなりとも寄与したい。

そうして、人生という旅路の最期に、
自分の人生を振り返って、
色々あったけれど、
良い人生だったと。
そう思って旅立ちたい。

改めて、そう思った次第です。

がんばりましょう。