◆今年は近年稀に見る申込者数

 日曜日は令和6年度宅建士試験(宅地建物取引士試験)がありました。

 

 この楽待コラムを読んでくださっている方の中にも、受験された方がいるのではないでしょうか!?

 

 今年は33年ぶりに30万人の受験申込みがあり非常に話題となっていました。30万人はすごいですね!驚

 

 宅建に合格するのはおおよそ3万人~4万人と言われています。合格率はおおよそ16%前後です。

 

 合格率だけで言うと、1級建築士(23.3%)や税理士(21.7%)よりも低いですから、他の国家資格と比べても難関の部類に入るのかもしれません!?驚

(宅建は受験者の幅が広いので単純な比較はできませんが)

 

 しかも、今年は30万人超え、1年に1度しかない試験としては間違いなく人気No.1の資格となっており、合格率はもっと下がる可能性があります。

 

 合格予想も50点中36点前後になるだろうと言われています。でも、不動産投資に宅建って必要なんでしょうか?

 

=== 記事一部抜粋 ===

2024年度宅建試験10月20日実施、合格ライン36点前後

 

 2024年度の宅地建物取引士資格試験(宅建試験、実施機関=不動産適正取引推進機構)が10月20日に全国47都道府県の試験会場で実施された。今年は、受験申込者数が30万人を超えて注目を浴びている中で、実際の受験者数も注目される。合格発表は11月26日。

 

 同機構の最新速報によれば、申し込みは30万1336人、受験者数が24万1054人となり、受験率は80.0%だった。弊社ホームページ上で、宅建試験解答速報を公開している。想定合格ラインは36点前後。

 

(2024年10月20日 住宅新報記事より)

=== ここまで ===

 

◆不動産投資に宅建は必要か?

「不動産投資するなら宅建を持っていた方が良い!」

 

 そんな風に言われることもありますよね。ただ、正直言うと、私は微妙だと考えています。

 

 たとえば、過去の問題にこんなものがありました。私たちが所有物件を売却する際に関係してきそうな問題です。解けたらすごいです!

 

 あなたは解けますでしょうか?

 

 

◆解答は・・・

 久しぶりに宅建の問題文を読みましたが、読むだけで嫌になりますよね。目がチカチカするというか笑

 

 それでも、なかには解けた方もいるのではないでしょうか!?とてもしっかり勉強されている方ですね。

 

 答えは、全部「違反しない」の「4」が正解です。

 

 たしかに所有物件の売却時に関わりそうな問題ですから、不動産投資にも役立ちそうではあります。

 

 ただ、実需系の不動産取引においては役立つこともあるかもしれませんが、不動産投資の世界では役に立たないことも多いのです。

 

 ましてや実務レベルで言うと、宅建業ルールの多くが無視されてしまっているのが現状ではないでしょうか。そもそも指定流通機構(レインズ)が機能していないエリアもありますからね。

 

 「私は宅建持っています。これは宅建業法違反だ!」と言ったところで、「うるさいお客さんとは付き合いたくない」とそっぽを向かれてしまうことすらあります。

 

 もともと宅建業法とは、狼のような悪い業者から、か弱い消費者を守るために作られたような法律です。「投資家」という立場に立った途端、消費者とはみなされず、事業者とみなされるからです。

 

 ですから、人前で話をしたり、こうやって偉そうにメルマガやコラムを書いている手前、私は10年以上前に宅建を取得しましたが、不動産投資の取引において、不動産投資家が宅建を活かせる場面は意外と少ないんですよね。

 

 何十時間と宅建に勉強する時間を費やすぐらいなら、物件探しに時間を割いた方が良いという考え方もあります。

 

 

◆実務講習がとても役立つ!

 ただ、それでも「宅建を受けられるなら受けた方が良い」と私は考えています。

 

 それは、宅建合格”後”の実務講習がとても役立ったからなんです!

 

 受験当時(2013年)、私はすでに1棟マンションを複数所有はしていましたが、不動産投資本レベルの学びしかなく、不動産実務までをちゃんと学んだことはありませんでした。

 

 朝から夕方まで2日間みっちり実務講習を受講することによって、登記簿、重要事項説明書、売買契約書、さまざまな書類のポイントを学んだのです。

 

 しかも、不動産経験豊富な講師が、生々しい不動産取引事例を紹介しながら、すごく分かりやすく教えてくれました。この知識は今でも生きています。

 

 そのため、不動産投資をこれから始める人はもちろん、すでに物件をいくつか所有している人でも、ぜひ宅建は受講することをオススメします。

 

◆宅建知識が役立つ時もある

 不動産投資家に限らず、不動産業者でも宅建の資格を持っている人は、意外と少ないものです。

 かぼちゃの馬車問題や三為業者による売り逃げが問題となりましたが、信頼できる業者かどうかを判断する1つの指標として、宅建は簡易チェックになります。

 

=== CHECK! ===

 

▢ 宅建資格を持っていない従業員が重要事項説明してないか?

 

▢ 重要事項説明の時に、宅建の資格免許を見えるところに提示しているか?

 

▢ ひとつの事務所毎に、従業員5人につき1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士をおいているか?

 

=== === === 

 

 これから物件を買おうとしている不動産業者が、このような基本中の基本がしっかりと守られている業者かどうかをチェックするのは、良いかもしれません。

 

 専任の宅建士をおいていない不動産業者、専任の宅建士の人数が足りてない不動産業者、宅建士を名前借りしている不動産業者、こういった不動産業者もたくさんありますから!

 

 また、不動産投資コンサルの人も宅建を持っているかどうかを確認してみると良いかもしれません。不動産投資コンサル業に宅建は必須ではありませんが、不動産のコンサルをするぐらいなのですから、宅建は持っていて欲しいところです。

 

 (もちろん宅建を持っているからと言って、信頼できるワケではありませんが、目安にはなります。)

 

 

◆まとめ

 ということで、不動産投資に宅建資格は必要かについて、私なりの考えを書いてみましたが、いかがだったでしょうか?

 

 繰り返しになりますが、宅建を持っているからと言って、不動産投資に役立つかといったら必ずしも役立つとは言えません。

 

 宅建資格とは、言ってしまえば、「お客さんに重要事項説明ができる」という程度の役割です。宅建取ったら不動産投資で必ず成功できるなんてことはありません。

 

 それでも、宅建合格後の実務講習はとても役立ちましたし、不動産取引の基本を知っておくためには役立ちます。民法や相続の知識も得ることができますし、心の拠り所になることもあるでしょう。

 

 ですから、もし時間に余裕があるようでしたら、宅建資格の取得をオススメします。

 

◆編集後記

 昔、子どもに「パパは弁護士とか税理士と同じような、○○士と名前がつく偉い資格をもってるんだよ!」とえばったことがあるんです。

 

 そしたら、子どもたちが「ナミも偉いの?」って言うんです。(えっ、ナミ?)

 

 よくよく聞いたら漫画ワンピースに「ナミ」というキャラクターがいて、ものすごい航海士がいるそうなんです。パパの話は完全に流されてしまった次第です。

 

 ナミさんって、すごいんですか?笑