こんちくわHIKOです。
私は高校を卒業してから飲食店にリラクゼーションサロンとずっとサービス業をしてきました。人に物やサービスを売るということをいつも考えてきたんですね。
その中でも今回は販売促進用のPOPと賃貸業についてお話しようと思います。
POP(ポップ)とはPoint Of Purchase(ポイント・オブ・パーチェス)の頭文字を取ったもので、売り場に設置された販促用の掲示物になります。
例えば居酒屋のビールのポスターですとか、特価!!なんて書かれたプライスカードとか、喫茶店の卓上にあるデザートの写真が載った卓上スタンド、ブラックボードにマーカーで書かれた本日のおすすめメニュー、屋外だとのぼりなんかもそうですね。
チェーン店だと最近はデジタルサイネージとかもありますね。
たかがPOPですが、このPOPの内容によって顧客の購買意欲にかなり差が出てきます。
POPで成功した企業で有名なのがヴィレッジバンガード、通称ヴィレバンです。
本屋らしからぬあの店舗には、訳の分からない雑貨やら謎のDVDとか体に悪そうな色した海外のお菓子が並んでいて、そこに黄色い紙にマジックで面白いことを書いたPOPが付けられているのが特徴です。
ここで大切なのはよくある商品のスペックを説明したPOPではないことです。
POPには「まずいからもう入荷しません」とか「こんなもの買っちゃダメ」とか「鼓膜がこのイヤホンに出会えた喜びに震えている」とか、足を洗えるバスマットには「彼女の機嫌が良くなりました」や、「足が臭いので助かります」といった具合に何だか必要もないのに思わず手に取ってしまいそうな文言が書かれています。
基本的に商品やサービスを売るときに商品のスペック説明は重要ではありません。
商品のスペックを気にするのはマニアだけです。
TV通販でお馴染みジャパネットが一代であそこまで拡大できたのにも商品のスペックではなく、その商品を購入するとどんな素晴らしい生活が手に入るのかを高田社長がTVで訴えたからです。決してあの高い声とキャラクターだけでのし上がってきたわけではありません。
デジカメを売るとき、何万画素で、○○社の最先端のイメージセンサーを搭載していて、画面が何インチで、などとスペックの紹介はしません。してもちょっとだけです。
それより、「このボタンを押すだけ、それでお孫さんの運動会の写真をこんなにキレイに残すことができるんです。ほら、簡単でしょ?」
と、商品ではなくその商品を購入することで得られるであろう素敵な未来を説明する訳です。
これをPOPに落とし込んでいくわけですね。
これは私がアパートの入居者募集の際にいつもつけている入居者プレゼントのPOPです。
内見者が来た時に契約してもらう為の背中を押すのに入居者プレゼントを置いておく大家さんも多いと思いますが、ただお得なだけでなく「この物件に住んだら何となく素敵な日常が始まりそうだな」とイメージしてもらうことが大切です。
※このネスカフェバリスタプレゼント作戦はコストが4,000円ほどですし、デッカイ箱がインパクトがあってよかったんですけど、安価なマシンの販売が終了してしまったので今後どうしようか検討中です。
POPが活躍するのは何も入居者プレゼントだけではありません。
設備を新品に入れ替えたら、新品の設備だとアピールした方がいいですし、梅雨時に畳の表替えをあらかじめしておくとすぐカビるので、入居時に畳の表替えをしますと書いて、過去の表替えをした際のキレイな写真もPOP内に印刷しておけば、入居者さんがイメージしやすくなります。そして「新品の畳の香りが帰宅したあなたを癒してくれます」など、畳のメリットを添えておけば、全室フローリング化しなくても畳の良さを感じてもらえる方がいます。
そもそも内見案内をしてくれる仲介さんは管理会社さんだった場合はともかくとして、どの設備が今回入れ替えた新品の設備なのかとか、エアコンがクリーニング済みなのかとか、その物件の良いところを知らないわけです。そういった仲介さんの営業のサポートをPOPがしてくれるんですね。
因みに私は戸建て物件は全て自分で入居者募集も内見案内もするのでPOPも用意していませんし、そもそも戸建てというだけですぐ入居者が決まるので入居者プレゼントも用意していません。
戸建より差別化が難しいアパートの場合にだけこうした施策を行います。
かかるコストと手間は微々たるものです。しかも一度作っておけば入居者入れ替わりの度に使えます。
24時間365日休まず営業してくれるPOPを有効に使うことで成約率を高めるのです。
更にこのPOP、手書きの方が効果が上がるというデータがあります。
人はイビツナな物を見ると気になってしまう習性があります。キレイにPCで打った文字より、人間が書いたいびつな文字の方が目に留まるのです。
そして、そのいびつさ故に、そこに人の気配や温かみを感じます。
物販売り場でメーカーから支給されたキレイに印刷されたPOPより、パートのおばちゃんが手書きで書いたPOPの方が売れるのはこの為です。これを人気(ひとけ)を感じると言ったりします。
この人気(ひとけ)を感じるというのは非常に大切で、10年位前に私はサプリメントのメーカーを立ち上げ、楽天市場やAmazonで直接顧客に販売していました。(女性投資家さんならプラセンタサプリ)と言えばわかるかな?
楽天で出店すると各店に一人、楽天の担当が付いてデータ分析やショップサイトの構成などのアドバイスをしてくれます。
ここで、しきりに言われていたのが、人気を感じさせるページを作れということでした。
具体的には、販売責任者の顔写真を乗せる、ショップスタッフが商品を使ってみての感想や、レビューへの返信、ブログでのプライベートの発信や、リアルタイムで今何が売れているか販売画面に表示されるシステムの導入などです。
顔の見えないECだからこそ、人気を大切にする必要があります。
スパーでこの大根は○○の誰々が作りました、と写真入りで掲示してあったり、テレビ通販で現在の電話の込み具合がグラフで表示されたりといったのも人気と安心感の演出ですね。
単純接触回数の法則(ザイオンス効果)を意識的に使うのも効果的です。
これは、特定の人物に何度も繰り返し接触することでその相手に対する好感度や信頼度が高まるというものです。
そしてこれは実際に対面でなくても、顔写真やイラストでも同じ効果があることがわかっています。
ですからPOPに大家さんのイラストを入れておくことでそこに好感度や信頼度を付加することもできます。
手書きで書いたものをスキャンして画像やイラストとガッチャンコしてPOPを作ってデータ化しておけば、毎回手書きで作る作業からも解放され手書き風のPOPを量産できます。
手書きが苦手な方は手書き風のフォントを使うだけでも違うようです。
まとめ
POPは入居者募集の営業の強力なツールであり、そこに住むことで得られるメリットを提案することで入居者がその物件を選ぶ為の理由を提案してあげることができる。
そして、人気を演出することで顔の見えない大家との信頼関係や温もりを感じてもらうことができれば成約率を向上させることができるのだ。
あなたの物件にはPOPはありますか?
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