北国の大家です。

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<ワインを楽しむ会>

ワイナリーオーナー、ソムリエなどが参加した会です。

15人で飲み干しました。

 

最近は金利上昇を実感する場面が増えましたよね。

北海道でアパートローンに熱心だった信金・信組も標準的だった2.3%→3%近い金利に上がった所が幾つかあります。

私たちがメインでお付き合いしている信金のアパートローンは道内の信金では最低金利に近いですが、一見さんで1.8%→2.3%に上がりました。

取引が長いと0.5%前後の金利引き下げ交渉は可能です。

アパートローンに積極的な東北の地銀も、金利は上記の信金と同じで、1%半ばだった所が2%台に上がった所があります。

 

今までの低金利時代は、年収が高いサラリーマンが、将来の年収が資産とばかりに、フルローンで(自己資金の投下を最小限に抑えて)高いレバレッジを掛けた投資ができました。

 

それが最近は不動産投資の様相が変わり

プレイヤーチェンジが始まった!?

 

最近、エリサーXさん(私の読者)が購入を検討していた物件で

売主の売却理由が恐ろしい

物でした。

 

売主はS銀行のローンで取得したA物件が、金利上昇で運営が回らなくなった。

金利3%台で借りていたが、昨今の金利上昇で支払利息の負担が重く運営が回らない。

 

売主はA物件(S銀行)を売却するが、売却価格が残債以下なので早く売れそうなB物件(優良物件)を手放すようです。

B物件は札幌市郊外では好立地の物件で、借入は地元の信金で金利は2・3%(札幌では標準的な金利)でした。

 

売主はB物件を売り急いでいたので、価格設定は安めでした。

人気物件となり、エリサーXさんが買い付けを入れた時は3番手まで買い付けが入っていました。

その後、1番手がローンブレイクしました。

ワンチャンあるか!?

 

私も物件を見に行って、外壁の補修・塗装の必要性を確認したり、外壁塗装業者、ドローンで屋上防水の劣化具合を確認する業者の手配も検討していました。

しかし・・1番手が別の銀行で融資を付けました。

 

ジ・エンドです(ジュニアさん風に汗)

ここで1番手が購入することになりました。

 

エリサーXさんはB物件を買い逃しましたが、外壁のクラックの補修の要不要を判断したり、(私の紹介ではありませんが)外壁塗装業者と繋がったりと、良い経験になったと思います。

 

ちなみに、ドローン業者の料金体系は、屋上の動画撮影時は100円/㎡です。

飲み仲間ですが、300㎡で3万円は交渉の余地がありそうです(汗)。

50万円近い高額なドローンですが、補助金が結構出るらしいです。

 

今回のケースを一言で言うとこうです。

高金利物件(A物件)の取得が、優良物件(B物件)を手放す事に繋がった

もちろん、金利上昇だけではなく、築年年数が古くなる事による競争力の低下(空室率の上昇、家賃の低下)、サブリース会社による家賃の引下要求、外壁・屋上などの大規模修繕が必要になった、フルリフォームが必要な程度に居室が劣化したなど、他の理由もありそうです。

 

A物件を売主が残債以下で売却したので

プレイヤーチェンジが始まった

と言えそうです。

高掴みした物件を運営でフォロー(回避)するのは、至難の業です。

 

皆が口を揃えるように、不動産投資は安く買う事が最も大切です。

東京の地主の高橋洋一でさえ(!?)同じことを言います。

逆に言うと、今回のケースは高掴みしているから、借換先が無いとも言えます。

1個の金融機関で融資が出た!からと、物件を買うのは怖いですね。

 

今回の売主が、キャッシュが無くても破産しなかったのは、資産(B物件の含み益)があったからです。

これがですよ・・

サラリーマンが将来のサラリーを主な資産として借入すると、自己資金・損失額などによりますが、最悪は早々に破産した可能性もあります。

 

本件の教訓はこうです。

・高金利物件はリスクが高い

買えれば良いという訳ではない

 

・物件取得で高掴みしない

せめて数年後に借換できる物件にする

 

・純資産を適正な規模に維持する

破産防止、安心感を得る(心の安らぎの)、デフォルトリスクを減らすって事です。

 

物件が他行で借換できるかを把握するのは、一つのバロメーターです。

私たちの自宅併設物件は、築3年目くらいまで地銀から借換打診の営業電話がよく掛かって来ていました。

 

考えてみると、

借換できなければ金利交渉もクソもなく、今後の金利上昇をダイレクトに受け入れるハメになりますよね。

 

結論はこうです。

・規模拡大にはBS上の資産を増やす

・将来のサラリーは(マイホームの取得以外は)担保にしない

事が重要かなと思います。

CF追求・規模拡大系の投資家に警鐘を鳴らすコラムでした。

 

今回のコラムは如何だったでしょうか?

私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。

我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。

―以上です―