~このコラムは、セカンドステージに入った8年生大家の新たなチャレンジを記した「実践」コラムです~

 

皆さん、こんばんは~

ジュニアです。

 

<正月用に買った梅酒>

<値段の差は味の差でした>

 

皆さん、

先日のおづかいさんのコラム「築古戸建ての火災保険がやばすぎる」は読まれましたか?

 

私は読みました!

 

5年契約の火災保険の更改保険料が約3万円から約18万円と6倍になったとのこと。

衝撃的な金額ですね。

 

今回は、この件についてプロの立場から背景と対策についてコラムにさせていただきます。

コラムを読んだからと言って、安く保険に入れるものではないことをご理解の上、お読みください<(_ _)>

 

1.火災保険の現状

火災保険の現状については、何度かコラムにしています。

#549 火災保険料率改定の影響の件
#525 損害保険業界の問題点と行き先の件
#496 築古物件の火災保険加入条件と保険会社の意図の件
#489 満期を迎えた火災保険料が2倍になった件

基本的に火災保険はここ10年ほど赤字であり、継続的に販売をするためには値上げが必要です。

自然災害の多発と、建物の老朽化、修繕費用の高騰などがその要因であり、そこについては異論はないかと思います。

損害保険協会の資料によると、以下のようになっています。

 

 

保険は社会インフラであるのと認識を持っていますので、保険会社も赤字だからといって売り止めにすることはありません。

また、火災保険において保険金を受け取れる人は10%もいないので、多くの人が払い損であることも事実です。

保険とは、相互扶助とはそもそもそういうものです。

 

これらの背景を、まずは是非ともご理解ください。

とは言え、6倍は高いですよね。

なぜ、そうなるのか。。。

 

2.高い保険料を提示する意味

結論から言います。

平たく言うと、保険会社はこのような契約を引き受けたくないのです。

何故なら、赤字だからです。

 

火災での保険金支払いが過去から比べて増えている訳ではありませんが、自然災害、給排水管からの水漏れなどを原因とする事故は間違いなく増えています。

保険会社では補償内容ごとに収支管理をしており、また商品ごとにも収支管理をしています。

収支が取れている補償もあれば、そうでない補償もあります。

先ほどの例で言えば火災補償は収支が取れており、風災や水災は収支が悪いもしくは赤字だと思います。

それらの複数を補償を組み合わせて火災保険は出来ており、トータルで収支を管理、その結果が赤字なのです。

 

さらに言えば構造別、築年数別、地域別にも。

そうなると築古の木造は、分が悪いですよね。

地域で言えばおこづかいさんのエリアである九州は、昔から火災保険の保険料が高いエリアでした。

それは台風の玄関口であり、それに伴う風災、水災が多く発生していたからです。

 

例えば直近の自然災害を少しネット検索するだけ、これだけの災害が出てきます。

◇2017年 豪雨
◇2018年 豪雨
◇2020年 熊本豪雨
◇2020年 台風10号
◇2021年 台風8号豪雨
◇2022年 台風14号

加えてこのところの建築費高騰。

ただし、これらの要因だけを勘案しても6倍の保険料にはなりません。

もう一つの要因として、火災保険も細分化されています。

例えば築年数を30年未満と30年以上の2区分に分けた場合と比べて、10年刻みで分けた場合は築40年以上の保険料が前者より高くなることはご理解いただけると思います。

さらに言えば、例えば築50年以上を引き受けなければ全体として保険料を下げられることも事実です。

ただ保険会社の使命としてお断りするわけには行かないので、結果としてリスクの高い物件には高い保険料を提示することになるのです。

 

但し、その構造的な問題は保険も共済も同じはずですよね。

 

3.対策

高騰する火災保険料の対策として共済への加入は、不動産投資としては王道だと思います。

それではなぜ、共済の掛金が安いのか。

あ、余談ですが民間の保険会社では保険料と、共済は掛金と言いますね。

 

話を戻しますが、共済の掛金が安い理由としては以下の点が考えられます。

①補償内容が限定的
②直販であり代理店手数料がない
③商品改定の間隔が長い

 

順番に説明していきます。

①はそのままですねw

例えば孤独死に関する補償は、民間の損保会社と少額短期保険にはありますが共済にはありません。(たぶん)
ポジショントークになりますが、言い方を変えれば商品開発力がないとも言えます。
幸か不幸か損害率の高い補償がないのが奏功している感があります。

 

次に②の代理店手数料もポイントの一つです。

損保会社の事業費率は32%程度で代理店手数料は保険種類によって変わりますが15~20%程度と思われます。

この部分が共済には掛からないので、その分安くなるということです。

 

最後に③については一般的に言われていることですが、今回私も改めて調べてみました。

 

(かながわ県共済HPより抜粋)

 

正直、驚きました。

少なくとも2017年以降、一度しか改定をしていないようです。

ちなみにある損保会社ではこんな感じです。

 

 

2017年以降で言えば5回改定しています。

それだけ補償内容もブラッシュアップされるのと、損害率の高さが反映されるスピードが速いと言えます。

 

つまり損害率が上昇基調にある現在において、改定スピードが遅いということは安い保険料が維持されることになるのです。

これが制度としてよいか悪いかは別です。

逆に損害率が改善傾向にある場合は、保険料を下げるタイミングが遅れることになるからです。

 

更には約款のページ数。

損保会社の火災保険の約款は地震保険と合わせて200ページほどありますが、共済のそれは地震保険を除いて10ページでした。

特約や補償範囲が狭いことためでしょう。

良くも悪くも「緩い」のはこのためかもしれません。

 

4.まとめ

繰り返しとなりますが、高騰する火災保険料の対策として共済への加入はアリだと思います。

但し、上記のとおり充実した補償内容や、個別のサービス、アドバイスなどを求めることは期待できません。

でも、

それは損害保険でも同じこと。

不動産投資に精通した代理店、募集人に出会う事、探すことは極めて困難です。

何故なら、損害保険のマーケットにおいて不動産投資家に合うことは極めてまれであり、その対応をすることも然り。

恐らく、多くの投資家は不動産投資を教えながら募集人を育てているのではないかと推察します。

もどりますが、募集人からのサービスを求めないのであれば保険でも共済でも同じこと。

ならば安い方が良いですよね。

 

だとすれば、保険については自ら学ぶしかない。

それもまた真なり、ですね。

 

 

今回のコラムは、いかがでしたでしょうか。

これから不動産を始める皆さんにとって、少しでもお役に立てれば幸いです。