=== コラムの目次 ===
1.頭を悩ませる違法駐車
2.違法駐車対策としては正しいが・・・
3.違法駐車に悩まされていたスーパー
4.ネッカーの立方体
5.B社の逆転の発想
5.まとめ
6.編集後記
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◆1.頭を悩ませる違法駐車
以前、楽待相談室に違法駐車で困っているという大家さんから相談が寄せられていました。
所有しているマンション(おそらく)の敷地の駐車場に違法駐車が数台いて困っているという相談です。
相談者さんとしては、駐車場に空きもあるわけだし、借りてくれれば1番良いと考えていらっしゃるようですが、みなさんだったらどんなアイディアがあるでしょうか?
(2024/4/9 楽待相談室より)
◆2.違法駐車対策としては正しいが・・・
今回の相談、大家としてはありがちな相談ですよね。私も違法駐車には悩まされたことがありました。
一般的に考えられる対策の答えとしては、次のようなものではないでしょうか!?みなさんだったらどれを選択するでしょうか?
1.監視カメラを設置する
2.張り紙をする
3.張り込みをする
4.時間貸しパーキングにする
これらの対策は、違法駐車を防ぐ意味ではすべて正しい対策だと思います。おそらく粘り強く対策すれば違法駐車は無くなくなることでしょう。
ただ、対策には労力もかかりますし、場合によってはお金もかかる。違法駐車を防ぐことはできるかもしれませんが、相談者が望む空いている駐車場を借りてもらえことにはつながらないですよね。
違法駐車をしている人たちには「停めたい」という需要があるわけですから、空いている駐車場を借りてくれるようなアイディアはないでしょうか?
◆3.違法駐車に悩まされていたスーパー
以前、同じように違法駐車に悩まされているA社とB社の2つのスーパーマーケットがありました。2社は同地域のライバル関係です。
2社のスーパーとも、駐車場には買い物客が無料で停められる広いスペースがありますが、違法駐車と思しき車が停まっていることも頻繁にありました。
そこで、A社B社とも違法駐車に対してなにか対策すべきか頭を悩ませていました。
A社は、2千万円の費用をかけて、防犯カメラを設置して、駐車場をゲート式にして、買い物したお客さんは2時間無料にしました。一方で、B社は特に駐車場には何もしませんでした。
数年後どうなったか?
A社のスーパーは違法駐車はなくなりました。ところが、お客さんも激減してしまったんです。
なぜこんな事態になってしまったかというと、A社のスーパーに訪れるお客さんが駐車場の精算や出口渋滞を煩わしいと感じるようになり、簡単に出入りできるB社のスーパーに流れてしまったんです。
一方で、B社のスーパーはどうなったかというと、A社のスーパーのお客さんを取り込んだだけでなく、違法駐車していた人からお金をいただくことにも成功したんです!
◆4.ネッカーの立方体
ちょっと話は変わりますが、「ネッカーの立方体」というのを聞いたことがありますでしょうか?
次のような箱です。
この箱の陰になっている部分は、外側でしょうか?それとも内側でしょうか?どっちだと思いますか?
お気づきになられた読者も多いと思いますが、この箱は二通りに見ることができる箱です。視点を変えることによって、影の部分が外側に見えたり、内側に見えたりするはずです。
そして、この箱は私たちに「視点を変えること」の重要性に気づかせてくれる箱でもあります。
何かうまくいかない問題が起きたとき、私たちが視点を変えることで、それまで問題だと思っていたことが問題ではなくなってしまったことってないでしょうか!?
実は、逆転の発想もここにあるのです!
◆5.B社の逆転の発想
話を元に戻します。B社のスーパーはまさに視点を変えたんです。
B社は違法駐車が多いということはたしかに問題だけれど、「買い物以外に駐車したいというニーズがあるのではないか?」と考えたんです。
そして、調査をすると、近くの公園やサッカー場に訪れた人たちが違法駐車していることが分かったんです。特に息子や娘のサッカーの観戦に訪れた保護者たちが定期的に利用していることが分かったんです。
そこで、B社はそばのサッカー場を利用しているサッカーチームや協会に事情を説明した上で、保護者に買い物割引券やチラシを配ってもらうようにしたんです。
それが見事に大成功して、B社は大金をかけて違法駐車対策することなく、違法駐車をしていた人たちを利用客に変え、大きな売上アップに成功したんです!
先ほどのネッカーの立方体ではないですが、視点を変えることによって見え方が変わり、問題だと思っていたことが問題ではなくなってしまった好事例ではないでしょうか!?
◆6.まとめ
ということで、今回は「違法駐車」をテーマにして、逆転の発想で売上アップに成功したB社の事例をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
何かうまくいかない問題が起きたとき、私たちはすぐそれを「問題」と決めつけ、反射的に「なんとか解決しなくてはいけない」と思考回路が働きだしがちです。
しかし、ちょっと待ってください。それは果たして「問題」なのでしょうか。もしかすると、それは問題ではないのかもしれません。
今回相談の違法駐車についても別の視点はないでしょうか?
詳しい事情が分からないので的外れかもしれませんが、たとえば、空いている駐車場をいっそのことゲスト専用としてもいいかもしれません。
そうすれば、最初からゲスト用駐車場付きとして、少し家賃or共益費を上げて入居募集することもできるかもしれません。(どう管理するかなど課題はありますが)
もし違法駐車している人の目当てが、相談者のマンションではなく、別の目的があるのであれば、その目的に注目してもいいかもしれません。B社の事例のような解決策があるかもしれません。
不動産投資で成功するためには、いつでも柔軟な視点、逆転の発想を持てるようにしていきたいと思っている次第です。
今問題を抱えている人に少しでも参考になれば幸いです。いいねボタンよろしくお願いします。
◆6.編集後記
以前ホームステイしていたオーストラリア人のTさんに、「なにかオーストラリアンジョーク教えてよ」とリクエストしたんです。すると・・・
Tさん「オーストラリアって野生のワニがいるの知ってる?」
ななころ「えっ、そうなの?」
Tさん「野生のワニを見られるツアーもあるんだけど、みんな犬を連れて行くんだよ!」
ななころ「えっ、なんで?ワニに襲われないように?」
Tさん「ワニが襲ってきた時にその犬を水に投げ込むんだ。その間に急いで逃げるんだよ!」
私「えっ!?」
Tさん「うそうそ!!はははははははは!!!爆」
私「えっ!?」
このオーストラリアンジョーク、みなさん理解できます?
世界のジョークを理解するためには、柔軟な視点を持たないといけないのです!笑
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