ワンコから一言:含み益で幸せを感じちゃダメなの?
前回のコラムでは、売却に伴う資産増の振り返りということで、ちょっと調子にのりすぎた(書き過ぎた)感があるので、自戒を込めて、融資を使った不動産投資における純資産の増減計算において、ミスリードにならないように、融資(元本返済と利子)と純資産の関係について、(シンプルに借金が正義とならないように)整理してみたいと思う。
結論としては、含み益で幸せを感じるのは危険だということと、不動産投資で幸せを感じるためのコツ(次のコラム)について、書いてみたい。
◆含み益で幸せを感じるのは危険だ
まず、含み益についてであるが、株の含み益と不動産の含み益に違いはない。株の場合、基本的に現金投資になる(信用取引の場合も、レバが掛けられるというだけで、同じといえば同じ)ため、100で買ったモノが130で売れるのか、70でしか売れないのかで、譲渡益のプラスマイナスが試算できる。
売却前の130に対して、100で購入している場合、30が含み益となり、売却前の70に対しては、-30が含み益となる。融資を使って購入した不動産の場合、年々元本返済が進むと、元本返済分の含み益が増えていくことになるが、売却前が70(要は市場価格が70)の場合、元本返済分が含み益になるとしても、残債が70を下回らない限り、売却時の譲渡益はマイナスになってしまう。
購入時の価格を100とすると、不動産の場合、売価想定=資産価値は、70ぐらいが現実的なところかと思う。
一般投資家にとって、130で売れる物件(すなわち資産価値が130の物件)を、100で購入できるケースは、ゼロとは言わないが、限りなく稀有なケースといえる。(そんな物件は、投資家よりも早く、買取専門の物上げ業者が仕入れてしまうし、投資家には、プロの物上げ業者のような買い方はできないからね)
というワケで、不動産投資家にとっては、物件価値の見極めが非常に重要であり、通常は、購入した物件によって、単体の投資の成功・失敗は、ほぼ確定してしまう。
またしても、リーマンまさゆきの独断と偏見で私見を書いてしまうと、不動産投資家は、リアルタイムの市場で売りに出したら、70でしか売れない物件を、100で買っているという自覚が必要である。
つまり、100で購入した物件が、100以上で売却できた時だけ、元本返済が、そのまま含み益になると言えるのであって、元本返済分をそのまま含み益という利益として計算するのは、危険だし、間違っているということだ。
もちろん、融資を完済し、累積CFがマイナスでなければ、名実ともに、売価がいくらになろうとも、売却額=含み益と言ってよいのだが、完済前に売却(すなわち資産価値の現金化)によって、利確したいと考えている投資家は、売却額=資産価値ということで、売却額と残債のバランスについては、物件購入前に、しっかり判断して、購入することが必要ということになる。
さて、含み益で幸せを感じるのは危険だ!ということにつき、コラムにしてみたが、危険を煽っているワケではなく、不幸な状態からスタートしていることを正しく理解した上で、不動産投資に臨むのが肝要だということを書いてみた。
不幸な状態の中でも最悪な状態は、どういう状態かというと、、、
融資が付くからといって、ガンガン借金を重ねて物件を購入したものの、この物件は、思っていたより儲からないので、ちょっと手放したいなと思った時に、売却査定をしてみたら、残債より売却査定額のほうが少なくなっていて、売るに売れない状態に陥ってしまうのが、最悪な状態といえる。
元本返済は、すなわち資産化(含み益)だとばかり、売却額も想定せずに、CFなんて要らねえよ!と、高値掴みの物件を、多額の融資をうけて買い進めるのは、とーーーってもデンヂャラスだよという話である。
長く保有していれば、いつか、残債の方が小さくなるだろうと頑張ったあげく、十数年後に、なんとか残債レベルで売り切ったものの、毎年のキャッシュアウトと譲渡損で、その物件を買わない方が、資産を維持できていたなんてことになっては、目も当てられないからね。
リーマンまさゆきの購入している物件は、築古をフルローンで購入した郊外のクソ物件だから、まやかしのCFで、儲かってる風味なことを言っても、最終的には↑こうなるぞ!と、6年前ぐらいに某若造のコラムニストだった「お侍さん」に実践大家コラム上で、罵倒されたことが懐かしいねw 罵倒されたけど、なにかとアドバイスもしてくれていたので、御礼を兼ねて、生きているならリアルに会って盃を交わしたいところなんだが、生きているんだろうかw
そんな厳しいことばかり言及してコラムにするのは、不動産投資が大好きなリーマンまさゆきの本意ではないので、本コラムの内容をうけて、次のコラムでは、不動産投資で幸せを感じるコツについて、コラムにしてみようと思う。(実際にリーマンまさゆきが実践している内容)
期待値を制御するという結論にはなるものの、ホントに、不動産投資で幸せを感じられるようになるからね。いろんな事がおこる不動産の賃貸運営において、精神衛生上も、ばっちり幸せ効果のあるやり方で、リーマンまさゆきも、不動産投資を始めて、7年間、いろいろありながらも、幸せに、不動産投資を推進することができたというコツについて、書いてみようかと。
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