おはようございます。
しげお@です!
楽待記事「底地を扱う不動産屋」を読みました。今日のコラムは底地権を活用した不動産です。
長文のコラムになりますが、底地を知って不動産活用の選択肢を増やすきっかけになると嬉しいです🤲
底地はご存じ借地権の土地部分、コーヒーカップのお皿の部分です。
底地の所有者は、大半が代々土地を継いだ方で、長らく賃貸し、固定資産税の数倍の地代をいただき、オーナーになっています。
土地契約は非堅固建物(木造とか)で期間20年で更新です。20年前の契約書は残っているか、更新料をいただける契約になっているか、公募と賃貸面積が違う、よくわからないけど昔からこうだから同じで貸し続ける、、、期間が長いから放置している場合があります。
地代をいただくのに当時は保証会社なんてない。借地人の中には地代支払いが遅れている人がいる、毎月数千円の地代だってのに、、ああ督促するのも面倒だ、固定資産税が上がったから数千円地代を上げたいのに上げてくれない、出ていってほしいが、借地借家法なんてよくわからないものがある。私の土地なのに…
売ろうにも底地だけを買う人はいない、利回りは土地の価値に対して低い。利回り2%だ!
借地人に土地を買って欲しいけれど、お金がないから買えないと言わた。このまま底地だけ持っていて、私の次の代に同じ思いをさせたくない。
不動産屋さん誰か買ってくれる人いませんか!!
という理由で底地の売却の”起こり”があります。
(例)
更地の実勢価格が坪100万円として、
路線価割合は借地権6:底地権4です。
↑この割合は路線価図に書いてます。
第三者に売る場合、底地を↑の割合通りに更地40%で買ってくれる方はいない。もう少し価格は下がり、底地相場は更地価格の15%〜30%でしょう(底地権の内容次第)
敷地全体で150坪あったとします。
借地権者は3人(3宅地、各建物がある)
地代はわかりやすく坪1,000円、全体月額地代は150,000円です。15万円×12ヶ月で年間地代は180万円。
更地価格を坪100万円とすれば、土地全体は更地1.5億円の価値があります。
年間180万円の地代が入る、借地権者との契約書は昔の手書き、3人のうち1人は地代が何ヶ月か遅れているがよくわからない。もう1人は値上げで関係が悪くなった。
この底地案件、いくらで買いますか?
底地売買は、このような状況で始まることが多いです。昔からの土地、測量だってしていない、貸している面積も曖昧、複数いる借地権者の境界はわからない。
借地権・底地権を管理してくれる不動産屋がいるのは地主くらい。例にあげた規模だけを持つ底地所有者に、日頃からベッタリ付く不動産屋はいない。(底地管理だけでは仕事が発生せず、お金にならないから)
さて、100坪、1.5億の価値(更地)
地代は年間18万円(固定資産税別)
ちなみに坪単価1,000円の地代は、私のイメージだと豊島区、杉並区、大田区、このあたりです。目黒世田谷区は坪1,200〜1,800円くらい(一種低層住居地域)※都内全部はわからないです😅参考に
底地権は、ぐちゃぐちゃに絡み合った紐を、一つずつほぐして外して、それでも硬く結ばれた箇所をどうするか。
不動産営業マンで借地権、底地権の売買・賃貸・更新などの実務をやったことがある人は少なく、頭で分かっていても実際どうやる?査定は?出口は?と混乱する方がいるそうな。
底地の組み立て方の続きは、次回コラムで!
とコラム数を稼ぎたいところですが、最後まで書きます。
100坪、1.5億の価値(更地)、
地代は年間18万円(固定資産税別)、
ここから先は借地人次第です。
契約書があるか、どんな借地人なのか(底地を買えるか、買えないか、属性)、法廷更新になっているか等、ヒヤリングと現地確認です。
例えば、この底地を2,000万円〜3,000万円で買います。(更地価格の20%くらい)借地人らと交渉します。
選択肢は
①賃借人に底地を売る→所有権
②賃借人から借地権を買う→所有権
③土地賃貸借のまま契約を継続する
④底地を転売する
まずは①と②の交渉をします。
借地人にとって、底地を買って「所有権」になるのは大きいです。融資も使える。第三者が底地を買うより底地に価値があります。
待て待て、
なぜ最初から、地主は①をやらないか??
それぞれの借地人に貸している面積と公募がバラバラ、契約書は手書き、それを整理するのが面倒なのと、自分ではできない、それを整理してくれる仲介会社がいない等。(できる方は稀でしょう。
1.5億円の土地を3分割したら、一つあたり5,000万円の価値がある土地です。
借地人が買う底地相場は、所有権になる価値を考えれば更地価格(5,000万円)の3割4割くらい(1,500万円〜2,000万円)でしょう。※私が借地人で、「この価格で底地を買わないか?」と言われたら買います。借地人が買うから意味がある。
仲介会社目線で書くと、
手間暇かけて、この額(1,500〜2,000万円)の仲介手数料は… 底地側からは手数料を貰えても借地人側から正規手数料は取りにくい。この仲介手数料で底地の紐を解き、測量し、交渉し、成約しても割に合わない。そもそも地主と借地人の仲が悪いこともある。時間がかかります。
もし仲介によって交渉して決裂したら…
さらに底地の価値が下がるかもしれない。売るときに、第三者の買主には交渉したけれどダメでしたと告知しないといけません。
仲介会社は底地全体を業者に売った方が楽と考えます。これを買うのは業者になるので、両手仲介は狙えるし、底地契約の資料がなくても公募売買、契約不適合責任免責でOKです。その代わり少し安くなるけど、売主(地主)はもう嫌になっているので…
さて、更地1.5億円の底地を2,000〜3,000万円で買った業者どうするのか?
①借地権者に売る。
②逆に借地権を安く買い取って、建物を空にし、所有権にできたら、更地価格で第三者に売ることができます。
3宅地あれば、1つの仕事がまとまれば原価の回収はできるくらいで仕入れるでしょう。残り2つは交渉が決裂しても地代を取り続ければいいし、契約書を整理して他の底地買取業者に売ってもいい。
保有による底地権の強さ(借地権売買や建て替えによる名義変更料など)もある。借地権売買時に承諾しないで借地非訟に持ち込む、底地同時売却を提案するなど。底地同時売却の場合、グリップは底地側の方が強い。借地人非訟で鑑定価格になってから買えばいい。
3宅地分の借地権を各2,000万円で全て買い取ることに成功したら、仮に底地2,000万円+3宅地借地権6,000万円=8,000万円が原価、これを1.5億円で売る。
借地権、底地権は、お金と人の心で紐が絡まり、ぐちゃぐちゃになっています。交渉力が試されます。成功したら利益は大きい。
どんな底地が儲かって、どんな底地は塩漬けになるのか、その土地自体のポテンシャル次第、借地人次第です。関係が悪かった地主から、第三者が底地権者となることで、これを機に契約をきれいにしたいと思う借地人は多いでしょう。
底地、不動産投資の一つとして面白いかも?
知れば知るほど、沼る不動産。
久しぶりに3,000字を超えるコラムになりました。最後までお読みいただきありがとうございます☺️
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