■良さそうな条件でも

こんにちは! 埼玉サラリーマン大家です。

前回のコラムでもお伝えしましたが、私が主戦場としている埼玉県のエリアでは戸建やアパートの建築が旺盛です。そんな『伸びていく街』で不動産投資をしていくとメリットも多いというのが前回のコラムの主旨でしたね。

新築で建ったそばから瞬殺で売れていくような状況で、『この街は人気があるな~』と思っています。そんな街だと不動産投資としても安心できます。入居率も高い数字を維持できますし、資産価値も維持できます。

 

ただ・・・

そんな中でも、なぜか6か月以上も売れずに販売中の旗が悲しげにはためいている新築戸建があります。複数戸を同時に販売中なのですが、ほとんど反響がないまま売れ残っているのを見ると地元民としては『やっぱりね・・・』という感じもあります。

 

◆スペック

販売価格:4800万円
立地:埼玉県(国道16号の内側エリア)

駅徒歩:15分
道路付けなど:広めの公道沿いの整形地
土地面積:25坪くらい
構造など:新築の木造の戸建
駐車場:あり

 

という感じです。土地としてはエンド感覚で坪あたり100万円はいかないかな?というレベル感のエリアです。このくらいの戸建だったら飛ぶように売れているのですが、なぜか売れていません。

 

どうしてだと思いますか?

 

■売れない理由

この物件には大きなデメリットがあります。紙面上の条件だけを見ていると気づかないのですが、地元民には有名なデメリットです・・・。

この物件の前面道路は朝と夜に大渋滞で動きません。いつも家の前が車で埋まっている状態になります。地元民にとっては日々のストレスに感じているところであり、嫌いになっている立地なんですよね。そういう微妙な理由が隠れている土地ってどこにでもあると思います。

でも、こういうのって数字上の条件で精査しているときには引っかかりません。そして、土地勘のない人だとスルーしちゃいがちなデメリットなのかもしれません。

 

こういう実需の新築戸建であれば、買うのも地元民だから『売れない』という結果に陥ります。ただ、投資物件だったら土地勘の無い投資家が数字上の条件だけで『安い!』と思って買っちゃう可能性も高いのだと思います。

 

この物件のヤバイ状況を見ていると、そんな不動産投資の危険性を感じます。やっぱり、不動産投資は『土地』が重要であり、それは数字だけでは分からない部分も大きいです。物件の検討段階では数字で比較していきますが、購入前には現地に行って違和感が無いかを確認していくことも重要です。購入後に、人気のない理由があって入居付けに苦労したら・・・、その後の30年、40年と大変なことになりますから。

 

こういうのがあるから、土地勘の無い土地での不動産投資って難しいんですよね。やっぱり、違和感センサーは土地勘があるところのほうが働きます。私は自宅から車で2時間以内のところまでしか物件がありません。一番遠くの物件は東京都ですが、ここも大学に通っていた街なので土地勘がある程度ありました。

やっぱり、土地勘があるところのほうが良い物件を選定しやすいというのはありますよね。でも、そうやって絞ると機会損失も発生しやすくなる部分はあるので難しいところもありますが。