北国の大家@不動産投資6年目

地主系の専業大家です。

夫婦で不動産投資に奮闘しております!

<謎の写真>

これは何でしょうか?

1.換気口

2.戸当たり

3.小便器の排水溝

 

零細の1棟だけのサラリーマン大家時代を含めると、大家歴28年になります。

(零細時代を含めると)四半世紀以上に渡り大家業をやっている訳ですが、一つ言えることは大家には特権があったって事です。

大家はけしからん!

とお叱りを受けるかもですが、大勢の大家さんが特権に浴していました。

なんなら、今も残りの特権に浴しているはずです。

 

大家特権も少しずつ減る日々です。

少し振り返ってみます。

<項目>

1.原状回復費用

2.給湯器・暖房機

3.保証料 (家賃保険!?)

4.ドア鍵交換

5.まとめ

最後に、今後の対策もあります。

1.原状回復費用

入居社が合意するものは全て貰う感じだったと思います。

退去は管理会社の担当者が立ち会います。

 

退去立ち合いでは、入居社と実際のお部屋を見ながら原状回復費用の借主/貸主割合を決めます。

昔の事なので言ってしまえば、管理会社は大家側についた感じで交渉します。

管理会社は家主の代理人なので当然と言えば当然です。

とはいえ、管理会社によっては、やり過ぎ感満載な時もありました(汗)。

 

当時の私はブラック企業勤務のサラリーマン大家でした。

忙しいながらも、退去の原状回復費用負担率を見ると、明らかに入居者負担が過大では?ってのが多々ありました。

入居社と負担割合に関して合意をしているので、形式的には問題ないのでしょうが、今風に言えば情弱ジネスっぽい面があった気がします・・。

 

自分が賃貸に入る事があれば、退去する時の費用負担は怖い。

賃貸はお部屋を大切に使わなきゃなって思った記憶があります。

 

原状回復をめぐるトラブルが急増したことを受けて、1998年に国交省が賃貸住宅の原状回復ガイドラインを設定しました。

法律ではなくガイドラインなので、法的拘束力まではありませんが、管理会社の退去立ち合いのスタンスには大きな影響を与えました。

 

私の感覚だと、ガイドライン公表後の管理会社のスタンスは2種類に分かれました。

・地主系の管理会社

コロッと手のひら返しで、グレーな部分は全て貸主(大家)負担にします(涙)。

 

・投資家系の管理会社

従来のガイドライン公表前のスタンスを崩しません。

貸主(大家)負担を減らすジャッジをする事が多いように感じます。

 

あっさり書きましたが、割と大きな差になるはずです。

2.給湯器・暖房機

プロパン業者の貸与契約です。

大家はイニシャルコスト・ランニングコストの両方を削減できます。

新築時のガス配管は、プロパン会社が負担します。

建築費が下がり、利回りが上がります。

 

運営中に給湯器・暖房機が壊れると、プロパン業者が無償で交換してくれます。

大家負担なしです。

更にエアコン、ドアフォン、シャンドレなど設備を無償・格安で設置して貰えるサービス付きです。

いやー本当にありがたかったですね。

 

ですが、これも封じられました。

上記コストは入居者のガス・灯油代に転嫁されていました。

 

これは昨年、封じられました。

 

私の記憶が不確かですが・・

封じられるまでの長い経緯を書いておきます。

プロパンスキームは国会で何度か取り上げられ、世に知られるようになります。

 

国会議員が質問する

沈静化する(何もなかったかのように)

 

これを私の記憶では3回以上繰り返して、やっと昨年対策が打たれた(スキームが禁止された)感じです。

 

これでプロパンのメリットはないと都市ガスエリアでは投資家は都市ガスで新築するようになりました。

札幌だと都市ガス工事は人気があり過ぎて、年内の施工は予約が埋まっていると言います。

今後作る都市ガスの新築プランは来年の施工になるようです。

 

都市ガスにシェアを奪われる形になったプロパン業者も対策を打っています。

 

プロパンが問題になるのは単身物件よりもファミリー物件です。

ファミリータイプを中心にリミットプラン(上限ありプラン)が増えています。

 

北海道だと暖房費が発生する冬の燃料費が正念場です。

ファミリー3人暮らしの2LDKの燃料費が8万円とか普通にありました(汗)。

私たちの管理担当者はプロパン物件に住んでいた時、暖房費が安い都市ガス or 灯油物件に引っ越さなければ離婚すると言われたそうです@@)!

 

ファミリータイプで2.5万円/月額(2LDK)、3万円/月額(3LDK)のような燃料費に天井(リミット)を儲ける契約が増えてきました。

渡地たちの管理担当者が住んでいたプロパン物件の8万円とリミットプランの2.5万円ではトリプルスコア以上の差ですね@@)

 

投資家が新築する際にどう考えるかと言うと、

プロパン=高い、都市ガス=安い

と言う一般の方の心理を想定して、都市ガス物件が増えています

但し、北海道などの暖房必須エリアでは、

 

じ・つ・は

灯油 < 都市ガス < プロパンガス

 

といった感じで、一番燃料費が安いのは灯油物件なのです。

情弱ビジネスっぽい香りの話をします。

投資家にとっては入居者に人気があるか、家賃を高く設定できるかが関心事です。

 

入居者で特に若い人は、これを知らない人が結構います。

灯油 < 都市ガス < プロパンガス

 

賃貸仲介の営業マンも3年以下だと、この知識がなく都市ガスが一番安価って説明をする場合も多いようです。

 

新築の建築費(イニシャルコスト)も、灯油 < 都市ガス な場合もあります。

個人的な事を言うと、大手の燃料会社に知人がいて新築の見積もりを取ると、都市ガスよりも安い見積もりでした。

中小の燃料会社や一見さん価格だとどうなるかは不明です。

 

イニシャルコスト・ランニングコスト共に、灯油 < 都市ガスで作れます。

但し、灯油物件は全物件の5~10%と非常に少ないという状況なのですよね~。

 

リーシングの人気の高さから投資家は都市ガスを選択している感じです。

戸建ては都市ガスエリアでも灯油物件が多いのですが、賃貸物件は真逆だって事です。

 

建蔽率を使い切っている投資家物件だと、冬場の給油に作業員が給油しにくいとか、ホームタンクを設置する場所がないとか、確かに事情があるのも事実です。

3.保証料 (家賃保険!?)

民法改正で連帯保証人に極度額が設定されて以降、入居時に連帯保証人ではなく、家賃保証会社の保証が必須!の物件が多いですよね。

私たちの物件も全て保証会社必須にしています。

 

これは昨年コラムにしましたが、国会議員がネガティブな質問をしています。

要約するとこうです。

・滞納時に家賃を保証するのだから家賃保険だ

・受益者負担の観点から、大家が保証料を支払うべきで、入居者が支払うのはおかしい。

 

確かに火災保険の保険料は大家が支払いますよね?

現状、保証料(家賃保険)は入居者が支払います。

本来、大家が支払うべきでしょうか、どうなのでしょ(汗)!?

 

この問題もプロパンスキームに似ているかも!?って感じています。

あと数回国会で取り上げられると、法制化される可能性もあるかな?って思っています。

4.ドア鍵交換

入居時にセキュリティーのため、ドアキーを交換しますよね。

皆様の物件は入居者負担 or 大家負担のどちらでしょうか?

 

AIに聞くとこう答えました。

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、鍵交換は物件管理上の問題であり、貸主(大家)が負担することが妥当とされています3。ただし、このガイドラインは退去時の原状回復に関するものであり、入居時には直接適用されない場合があります。

 

但し、契約で入居者負担と謳い、かつ高額でない場合は、契約が有効と言う裁判例もあるようです。

 

札幌の管理会社も対応は真っ二つに分かれます。

5.まとめ

大家歴28年の私たちとしては、正義とかを脇に置くと(汗)、純粋に大家負担が増えて来たなーって感じです。

感覚的には、退去立ち合い時に管理担当者が、大家側ではなく入居者側に付くとでも言うか・・。

 

経費的な事を考えると、将来的に保証料、ドアキー交換などが大家負担となる将来もありそうです。

数年前までは、プロパンスキームが禁止されると本気で思っていた人は少数派だったはずです。

 

そういう意味では、大家の経費率が上がる事も十分にあると想定を置く必要もあるかな!?って思います。

 

対策としては大きく言えば一つだけです。

家賃を上げる!

その動機が、相場が上がったから上げたい!だけではなく・・

 

新築・築浅は、将来的に入居者・大家の負担変更なども考慮(経費率が上がる)して、積極的に家賃に織り込んで、賃料アップしたいなって思っています!

 

築古は、(高利回りの)安く買っただけで競争力のない物件は、将来的には更に安く買う(高い利回りで買う)必要がありそうです。

売る時は高く売りたいけどね(笑)

 

冒頭画像の答えは「2.戸当たり」でした!

 

私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。

我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。

―以上です―