■建築単価の上昇
こんにちは! 埼玉サラリーマン大家です。
前回のコラムでは、建築単価の上昇について取り上げました。私は本業が建築系です。そこで受注してきた建築単価のデータ(2019年~2024年)を集計してグラフにしてみました。5年分のデータですが、2022年から急激に単価が上昇したことが分かるので面白いグラフになりました。
ここ最近は、みるみるうちに上昇していく感じでした。次の現場を受注するたびに単価が上がっていくことを繰り返していくので・・・変化スピードの速さに驚愕でした。一方で、下請業者への支払や建築資材、運送料などもインフレの影響で上昇が続いていきます。
■潮目が変わったかも?
ただ、ここ最近は少し潮目が変わってきたような気もします。上のグラフでも表れていますが、2024年後半から2025年前半は横ばいとなっています。
これまでのように、『受注単価がどんどん上がる!』という世界ではなくなってきたようにも感じます。まだ断言はできませんが、上昇局面から横ばいの局面になったのかもしれません。
(この瞬間に感じたことを速報的に書いているので間違っているかもしれませんが・・・、間違っていたら再度で訂正コラムを出します)
リーマンショックとかの大不況になると、仕事が一気に無くなるので・・・倒産が多くなるのも建築関連の宿命です。いまのところは、そこまでの変化はありません。ただ、少しだけライバルとの競争が増えた気がするし、受注単価が横ばいになってきた気がします。もしかすると、大阪万博の特需も終わりましたし、職人不足も少しは解消されてきたのかもしれませんね。それに、建築単価の高騰に実需がどこまで付いてこれるのかという心配も常にあります・・・。
そんな中で、トランプ大統領の関税爆弾が投下されました。この影響がどう出るのかも戦々恐々としています。景気が冷え込むと、一気に建築計画は少なくなります。つまり、建築単価は下落します。
景気が冷え込んだら『横ばい状態』から『下落局面』へ変化があってもおかしくないでしょう。これからどうなるのか目が離せない局面になってきました。
そうは言っても、直近で見れば経営状況は順調ですし、受注状況も1年先くらいまでは大丈夫だと思います。なので、今すぐにどうこうなるということではありません。ただ、『なんとなく潮目が変わってきた気がする』というくらいの変化です。
これまでのように、みるみるうちに単価が上昇していくような局面は終わったのかもしれません。あれが続いたらヤバかったですし・・・。あのグラフの上昇角度が続いたら3年で単価が2倍になっちゃいますから(汗)
これから下落局面が来るのかどうかは分かりません。新築を建築しようとしている方だと建築単価の下落を待っている方もいるかもしれませんね。ただ、最近の建築単価の上昇の要因としては建築資材の高騰も大きいので、不景気になったとしても以前のような低コストで建築できるようにはならないのかもしれませんね。不景気で仕事がなくなって競争が激化した分だけ人件費部分は下がるでしょうけど。
・・・ということは、今の建物の価値を見直す必要もありそうですね。建築コストが上がっているということは、大規模修繕をしっかりとして躯体を長く使う努力をするのも重要になってきそうです。
最近は物件探しも大変になったという声が多くなったと思いますし、実際に以前と比べたら表面利回りは大きく下がりました。そういう観点からすれば、建築単価が下がって、景気後退局面に入って、物件価格が下がって、表面利回りが高くなったほうが不動産投資はやりやすい部分もあるかもしれません。
ある意味では、不景気の相場はチャンスでもあるわけです。最近は、そこまで大きな不景気がやってきていないので忘れがちですけど。
不景気なんて来ないほうが良いに決まっていますが、来たら来たで仕方がありません。そのときにはチャンスを掴めるように準備をしておかないとですね。そんなときには融資も通りづらい環境ですし、不安だらけで底が読みづらい相場となりますから。
プロフィール画像を登録