前回の続きです。

 

今回は証人尋問について書きます。

証人尋問当日、

必殺側陣営の弁護士・必殺・元所有者は、

裁判所の待合所で軽い打ち合わせの後、法廷に向かいました。

法廷に入ると、見慣れた権藤、初めて見る女性(これがB号室に住む女性)

それと、初老の小柄で痩せた男性・・・

この方が元管理人、小西でした。

まずは、全員で宣誓書の朗読です。

まあ、形式的なものなのですが、

コレで嘘をつかなくなるとは思えません。

宣誓書の朗読が終わり、いよいよ証言の開始です。

1番目は元管理人小西からの証言からです。

※約1時間ほど時間を費やしたのですが要点のみ書きます。
(原弁護士=必殺側弁護士 被弁護士=権藤側弁護士 小西=元管理人 必殺心=私の感情です)

被弁護士)貴方は権藤の部屋がA号室B号室が行き来出来るのを知っていましたか?

小  西)ハイ!知っていました。
(必殺心)ゲッ!知っていたのかよ!!

被弁護士)それはいつ知ったのですか?

小  西)漏水事故があったときに入室しました。

被弁護士)そのとき、権藤氏に対し壁が取り除かれていることに対し文句を言いましたか?

小  西)いいえ、言っていません

被弁護士)では、黙認したということですか?

小  西)いいえ、許可はしていません。

被弁護士)許可はしてなくても壁の件で文句は言ってないんですよね?

小  西)そうです。この時代、文化住宅(長屋アパート)で2部屋を借りて
     壁をぶち抜いて住んでいる人は多かったですから、気にも留めませんでした。
(必殺心)ぎゃー!!!そんなこと言うなよ!!!

被弁護士)よくわかりました ニヤ・・・

つづいて原告側弁護士の質問です。

原弁護士)権藤氏はあなたに壁の撤去の許可を得ていると答弁書で証言しているのです が、壁の件で許可しましたか?

小  西)いいえ、許可していません。
     私が壁の撤去を知ったのは壁を取り除かれたあとのことです。

原弁護士)では、元所有者さんは壁のことを知っていたと思いますか?

小  西)いえ、元所有者さんは知らなかったと思います。

原弁護士)では、元所有者さんが壁の撤去を相談されたら、
     元所有者さんは壁の撤去を許可したでしょうか?

小  西)いえ、許可しなかったと思います。

原弁護士)それはなぜ?

小  西)元所有者さんは几帳面な方で、

     2部屋を一部屋にするなんて認めないと思います。

原弁護士)分かりました。では次の質問をします。

     被告は台所のキッチンが使用不可能とのことで、

     被告の費用負担でキッチンの入れ替えをしたと言っていますが、

     それについて何か言ってきたり相談等ありましたか?

小  西)いえ、キッチンについて何か言われたことはありません。

原弁護士)分かりました。それでは次にB号室についてお聞きします。

     B号室のトイレと風呂が故障していて使用できない状態が何年も続いている

     何度も管理人の貴方に修繕するように依頼したが応じなかったと

     主張しているが、これについてはどうですか?

小  西)いえ、聞いていません

原弁護士)もし被告から修繕の依頼があれば対応しましたか?

小  西)はい、対応したと思います。

原弁護士)では、元所有者が直接、故障の事実を知ったらどういった対応をしたと思いますか?

小  西)元所有者さんはキチッとした方ですので、必ず修理を依頼したと思います。

原弁護士)その他の部屋は故障の際に、修繕を渋ったり断ったりすることはありましたか?

小  西)いえ、故障を放置したことは一度もありません。

原弁護士)これで終了します。

うーーーん、この小西の証言は微妙です。

私が感じた勝敗で言うと五分五分でしょうか?

権藤は小西に壁の撤去の許可を得ていたと言っていましたが、

小西の証言でこれはウソと判明しました。

ただ、小西は許可はしていないにしても、

この時代の文化住宅では珍しいものではなく、

結構誰もがしていた。

退去の際に直せばいいとの認識でいた。

なので、壁の撤去はたいしたことではないと思っていたとの証言です・・・

うーーーん、

これは痛い・・・

許可はしていないが黙認はしていたのは確実だし、

壁の撤去は結構みんなしていた・・・

裁判官の心象はどうなんでしょう????

次は元所有者の証言です。

次回につづく