今回のコラムでは銀行口座差し押さえを実行して、

実際に現金が回収できた事案を書きたいと思います。

その前に、口座差し押さえの強制執行費用ですが、

金融機関1行につき印紙や切手代で約7000円ほどの費用が掛かります。

ですので、2行同時に執行書けた場合には約14000円

3行同時だと約20000円程度の費用が掛かってしまいます。

当然ですが、口座そのものが該当なかったり、該当があっても小額(数十円)しか口座に入っていないなど回収不能であっても支払った費用は返ってきません。

 

では、どんな場合に取立てが成功するの?

数少ない成功例をご紹介いたします。

1、保証人が田舎住まいだった

賃貸借契約において、契約者(息子)は都会(大阪)で暮らすために部屋を契約し、その保証人が母親(和歌山)に居住していた。

5万円の家賃を約10ヶ月滞納の上退去、退去時には滞納家賃50万円を分割で支払う約束をしていたが、1円も支払わず行方不明になった。

そのため本人に成り代わって保証人母親に支払いする様に請求書を出しました。

ところが、いくら電話しても留守電ばかりで話しが出来ませんし、

いくら督促状を出しても全て無視です。

こうなったら裁判を起して揺さぶりをかけてやろうと保証人を訴えました。

ところが、裁判にも出廷せず判決となっちゃいました。

※以前の記事でも書きましたが、回収の基本は裁判という武器をチラつかせて、和解という形で回収するというのが一番回収しやすいんです。

判決が出てしまった以上、強制執行で回収を試みてみました。

幸いにも和歌山の山間部で、その地域には地方銀行1店舗と郵便局だけでした。

そこで、銀行30万円と郵便局20万円に振り分けて強制執行をしたところ、

見事!銀行口座30万円の差し押さえに成功しました。

その後、残金20万円を口座があっ銀行へ執行をかけて回収いたしました。

※おそらく1度目で全て終わったと思ったんでしょうね

全額回収できた要因としては、保証人が田舎住まいで金融機関が1行しかなかった

保証人は元々地元の名士で、地元でアパート経営していた。そのため毎月そこそこの収入があったと思われる。しかし、そのアパートも抵当権がメチャクチャ入っていて全く価値がない状態。おそらく息子に食われたんだと思う・・・

2、消費者金融の過払い金から回収

これは、80万ほどの滞納案件なのですが、

これも退去後分割で支払う旨の約束をしたのだが、5回ほど支払ったところで、

弁護士から破産しますという内容の介入通知が・・・

※介入通知とはこの債務者は破産するから取立て行為しないでね♪取立て行為をしたら揚げ足を取って訴えちゃうから♪なんて手紙です。

こうなると手も足も出せなくなっちゃいます。

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あれ1年経っても破産通知が届きません。

※通常、債務者が破産した場合債権者には破産した旨の通知が届きます。

という事で、弁護士に連絡してみました。

必殺:○○(滞納者)さんの件で連絡しました。1年前に受任通知をいただきましたが、その後どうなったのでしょう?

弁護士:あっ、調べて電話します。

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1週間待っても弁護士から返答がありません。意外かもしれませんが、こういう弁護士って多いです。自分に都合が悪いと連絡を取ってきません。

必 殺:あの~1週間前に問い合わせた○○さんの件はどうなりましたか?

弁護士:あ~、あの方ね!その依頼人は破産しましたよ

必 殺:そうなんですか・・・、では事件番号教えてください

弁護士:事件番号?そんなの聞いてどうするの?

必 殺:どうするというか、裁判所へ破産確認するんです。

弁護士:あっそ、じゃあ調べてコチラから連絡するから

必 殺:お願いします。

・・・・・

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やっぱり弁護士から電話はありません。

必 殺:○×先生お願いします

事務員:どちら様ですか?

必 殺:必殺と申します。

事務員:確認いたします・・・

    (保留の後)〇×弁護士は外出中です。

こんなやり取りが数回続き、折り返しの電話依頼も当然無視!!

しかし、しつこく電話していると、やっと弁護士本人とつながり

弁護士:あ~、あの依頼人ね、私は辞任しているから分からないよ

必 殺:あっ、そうなんですね!わかりました~

※ココでピン!ときました。この弁護士は過払い専門弁護士だ・・・おそらく過払いの回収だけ行なって後の債務は知らん顔なんだろう・・・

※弁護士に文句をいくら言っても無駄です。ウソも立証されなければウソにならないと思っている連中ですからね!(注:もちろんウソをつかない弁護士もいます

さっそく債務者の住民票を取得したところ、過払い金が入ったであろう時期に引っ越しています。

これは引っ越した先の銀行に預けていると予想し、銀行口座差し押さえを実行しました。A銀行40万・B銀行40万と分散して実行

予想通り、引越し先住所近くのA銀行口座で40万円を差し押さえできました。B銀行は該当なし

差し押さえた現金を回収した後、もう一度A銀行口座の差し押さえを実行したのですが、もう引き出された後で、残高は数十円程度でした。

その後本人と話し合い、残金は今も分割で払ってもらっています。

 

ただね、今回成功例を2例出しましたが、

10件ほど実行して成功は2件ですから決して効率の良い回収法ではないと思います。

最後に注意点として・・・

民間の我々が銀行口座を差し押さえるのは大変なのですが、

税金関係はどこの金融機関に預けていても、

100%差し押さえが出来ます。

税金関係は逃げれませんのでご注意ください・・・・