今回は、債権回収のための強制執行『動産執行』について書きたいと思います。

今回紹介する『動産執行』とは?

債権回収を目的に、債務者の自宅にある家財道具などを差し押さえて換金(競売)し、債権回収を図るものなのですが、

現実的には債権回収はほぼ不可能です!

以前、私は経験値を上げるために、資産も支払う気もない債務者から回収する手立てを研究していたのですが、

督促状←無視

直接訪問←無視

調停←無視

裁判←無視

給料差し押さえ←生活保護受給で不能

預貯金差し押さえ←口座に数十円程度しか入っていなく不能

なにをしても1円も回収できませんでした。

そこで最終手段として、動産執行を申し立てたのですが、

申立段階で執行官からはこんな一言が・・・

執行官:動産申立ね~、現実的には回収できないよ・・・

必 殺:なんですと???生活必需品以外の家財道具(ゲーム機など)は差し押さえ出来るんですよね?

執行官:それが債務者の所有物である証拠がいるんです。例えば友達に借りているなんて言われれば差し押さえできません。

必 殺:ということは、家にあるのも全て借り物と言ってしまえば差し押さえ出来ないんですか?

執行官:そのとおりです。

必 殺:・・・そんな~

執行官:どうします?それでも動産執行しますか?

必 殺:もう打つ手がないのでお願いします。

執行官:わかりました。それでは00月00日の10時に現場で待ち合わせしましょう

動産執行当日、債務者宅前で待ち合わせてイザ突入です。

ただ、突入と言っても執行官が『ゴメンください~いらっしゃいますか?』

なんて、ソフトに応答を待ちます。

債務者宅:はい?

執行官:〇〇さんのお宅ですか?

債務者宅:はい

執行官:裁判所ですが開けてください

※債務者宅のドアが開き、中から中学生位のヤンキー男性が怪訝そうな顔で対応し始めます。平日の昼間ですが、学校には行っていない様子・・・

執行官:〇〇〇〇さんは在宅ですか?

ヤンキー:おらへん

執行官:では、ドコに行ってるんですか?

ヤンキー:知らん

※ぶっきら棒に必要最低限の言葉しか発しません

執行官:今日は裁判所命令で部屋の中を見せてもらいたんですが、いいですか?

ヤンキー:友達が来てるから見せられへん

※確かに奥の部屋からは話し声が聞こえます。

執行官:それでは室内の写真を携帯で適当に撮ってもらえませんか?

ヤンキー:部屋の中を撮ればいいんですね?

執行官:はい1部屋で2、3枚撮ってもらえばいいですので~

ヤンキー:ハイハイ

必 殺:そんな適当で良いんですか?中に入って差し押さえの手続きしてくださいよ

執行官:いや~、本人が居ない中で室内には入りづらいんです・・・

必 殺:いやいやいya、貴方裁判所の執行官なんでしょ???

執行官:いや~、こういった場合、強引に室内に入ると人権弁護士が出てくるんです・・・なので、執行なんて名ばかりで差し押さえなんて出来ないのが現実です・・

必 殺:では、家財道具に赤紙を貼っていくなんてことは・・・?

執行官:この動産執行では余程の物がなければありえません。

必 殺:では意味のない制度なんですか?

執行官:まあ債務者に対して手紙を置いていきますので、反応があれば話し合いで債権回収を図るのもいいとは思いますが。。。

現実的に執行官が室内に入ることも赤紙を貼ることもありませんでした。ということで、執行不能と決定され、この動産執行作戦は失敗に終わったのでした。

一応、執行官から債務者への通知(手紙)で、反応があるか?と少しは期待もしてみたのですが、債務者から一切の連絡もありませんでした。

この様に財産を持たない相手には動産執行は無力ですが、ライブドアの堀江モンの様に財産を持っていても支払わない相手には多少の効果はあるようで、何年か前に動産執行でワインセラーなどを差し押さえられたと報道されていました。

結局、精神的プレッシャーを与える程度しか効果はないですが・・・