最近は優良中古賃貸物件の減少から、

新築物件に関する相談が増えています。

この現象は納得できる流れではないでしょうか。

 

現状の中古物件はかなりギャンブル的な投資になりそうです。

というのも皆さんもお気づきのとおり、

中古賃貸物件市場では本当の優良物件が僅少な状況です。

本当の優良物件は水面下で取引されていますので、

一般の投資家にはまったく目にできない状況だと考えられます。

たまに優良っぽい物件もサイトなどで見かけますが、

実際には何らかの問題を抱えていることがほとんどです。

更には見るからに優良物件であると確信しても、

調査できなかった見えない部分の問題を抱えている物件もあります。

その点新築物件は法律で保護されていますので安心できます。

 

しかし、新築賃貸物件にも問題はあります。

新築物件はやはり中古物件と比べると価格が高くなります。

これは当たり前のことではありますが、

価格が高くなるということは利回りが下がるといったことです。

最近の投資用1棟物アパートで6%~7%後半といったものが主流です。

当然東京のような大都市では利回りも低く、

フルローンで購入するとほとんど利益が出ません。

 

利回りが下がることはデメリットとなりますが、

新築物件は融資が付きやすいという良さはあります。

また最長で35年ローンなんて長期のローンが組めます。

でも、返済期間が長くなると金利の占める返済額も多くなります。

 

そして新築の最大のメリットといえるのは当初10年程度、

ほとんど修繕費がかからないことと、

入居者の獲得が容易であることでしょう。

このあたりを良く考えると

中古に比べて確実な家賃収入を得ることができるのです。

中古物件で利回り12%の物件でも入居率50%なら利回りは6%です。

この状態で修繕費が発生したらどうでしょう?

確実に赤字です。

 

「新築物件は儲からない!」と世間では言われています。

これは確かに本当のことです。

年間キャッシュフロー(CF)も100万円あれば良い方です。

これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれでしょう。

しかし、前記のような利回り12%の中古物件で年間CFを

200万円で見積もっていたけど実際には-100万円だった。

そして毎年数十万円の赤字になったなんて事例もよくある話です。

 

よくカリスマ不動産投資家の本などに書いてあるような

優良物件も確かに存在します。

そのような物件であればCFも潤沢で大きく儲けることができるでしょう。

でもそんな物件は現実ではほとんどありません。

もしあってもその見極めができるのはかなりの達人でないと不可能です。

 

以上のような現況から、

これから不動産投資で一気に大儲けしよう!なんて考えるのは止めましょう。

中古物件で始めるのであれば利回りそこそこの修繕費のかからない

管理会社付きの好立地物件がお奨めです。

中古物件は良くわからないし不安があるようであれば新築物件が良いでしょう。

いずれにしても高利回りで一気にリタイヤを目指すなんて時代じゃないです。

中古RCなら多少利回りが低くてもCFは多くなるから良いのでは?

なんて思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、

RCは修繕費も高額になりますし税金も高い

という事実を十分認識しておいて下さい。

 

なかなか先人達のように一気に大儲けとは行かないのが現状です。

とはいえまだまだ不動産投資はとても有効な投資方法です。

焦らずにゆっくりと資産形成していくのが良い投資法ではないかと思います。

 

アパマンの匠こと戸田匠