「〇翼のボスの物件でした・・・。」

 それは、浮かれていたわたしを奈落の底に突き落とす突然の電話だった。。。初めての不動産競売の挑戦で、わずか30万円差で1番手で落札。築30年とはいえ、RC1棟7戸の物件で5戸が入居中。現況の入居数でも32%、満室時には47%という驚異の利回りの物件だった。わずか数年で投下した金額を回収できる。ここからは順風満帆な人生が待っているはず、だった。。。しかし現実は甘く無かった。

 

「えっ!?〇翼?どういうことですか・・・?」

 私は何度も聞き返した。地元では知らない人はいないほど有名らしい。まさか・・・。現地調査した時に、目の前にあるクリーニング屋さんは何も言ってなかったじゃないか。怪しい雰囲気も無かったはず。いや、そんなはずは・・・。

 

「大失敗だ・・・」

「法外な金銭を要求されたたらどうしよう・・・」

「部屋をめちゃくちゃにされたらどうしよう・・・」

「家族を危険な目に会わせてしまったらどうしよう・・・」

 頭の中をいろいろな思いが駆け巡った。不動産ド素人だったわたしは、どうしたらいいか分からず、先が真っ暗になり、ただただ狼狽してしまった。ネットでは、いわくつきの物件を落札した人が明け渡し時に軟禁され怖いに目にあったり、部屋中スプレーで落書きをされて嫌がらせをされた画像を見たりしていたので、良くない事ばかりが頭に浮かび、思わず頭を抱えてしまった。

 電話越しでは、落札を代行をしてくれた不動産屋が何やら話し続けている。茫然としていたわたしにはほとんど耳に入ってこなかったが、一言「考えてから、また折り返します。」というようなことを伝えて電話を切った。頭が真っ白だった。。。

携帯電話

 

それから、5年後・・・

 わたしは勤めていた会社を退職した。給与収入を遥かに上回る家賃収入を得ることができたため、以前から夢に描いていた、自分のやりたいことをして輝くための起業に挑戦。

 毎日遊んで暮らせるというほどではないけれど、今は何もかもが自由。とはいえ、ごくごく普通の一日のタイムスケジュールはこんな感じで、ハッピーリタイヤで遊びほうけているというよりは、サラリーマン時代よりも規則的かもしれない(笑)。

ななころの一日

 

 それでも休みたい時に休み、家族旅行に出かけたり、疲れているときは家でボーっとしていたりする。両親や92歳になる祖母をいろいろな所に連れていき、少しは親孝行できているのかなと思う。そして、毎日子供たちと一緒に遊んだりできることが何よりも嬉しい。次男は1歳で最初に覚えた言葉は「パパ」だ。

 サラリーマンだった頃のわたしは、毎日朝早く夜遅い時も多く、見るのは子供の寝顔だけだった。同じ家に住んでいるのに、妻や子供がまるで別の世界に住んでいるかのようだった。「何のために働いているのだろう?」と朝の満員電車の中で毎日考えてはいたが、不動産も投資も何も知らなかった当時のわたしが、その後大きく人生が変わろうとは知るはずも無かった。

 しかし、あるお昼のこと。内勤のわたしは、いつものように13時半ごろにお昼に出た。その日は、月に2,3回は行くインドカレー屋さんに行った。そこで目にした“あるもの”を見てその後の人生が大きく変わった。カレー屋さんにあった”あるもの”とは・・・。

(つづく)

※注意

この記事は、私の実際の不動産体験をもとにしていますが、多少アレンジした「フィクション」として楽しんで頂けると幸いです。

 

━━<編集後記>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ここまでたどり着くには、本当にいろいろな失敗がありました。怖かったことや苦々しいこと。思い出したくもない失敗もたくさんありました。たった5年間のできごとだけれど、久しぶりに会った友人からは、「別人のように変わった」と言われるぐらい大きく成長することができました。

 「大きく変わる」と書いて「大変」とは、誰が言っていたか忘れてしまいましたが、とても気に入っている名言の一つです。失敗して大変なことがたくさんあり、それを乗り越えてきたからこそ、大きく成長できたのだと感じる次第です。

 これまでの失敗を公開するのは、本当に顔から火が出るほど恥ずかしいのですが、これから不動産投資を始める人にとって役立つことも多いのはないかと思い、こちらのコラムでシェアしていこうと思います。