必殺大家人宛に読者様より質問が寄せられましたので、

この場でお答えしたいと思います。

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はじめまして、ブログ拝見させていただきました。
参考になることばかりで、大変ありがたく見せていただきました。

大変お忙しい中、恐れ入りますが、
できましたらご教示いただきたくメールいたしました。

居住者が滞納のあげく、家財を置いたまま夜逃げしてしまいました。
(昨年10月頃より不在、ガス、電気はストップし水道メーターも昨年より動いていません)

そして先日強制退去の催告が行われました。
5月8日が断行日です。

執行人は公示送達であり、住んでないようなので、断行日に、形式上即日売却し、
廃棄するとのことでした。ただし、パソコンやら写真やらが残っているので、
断行日に執行補助者に荷物を運び出してもらい、
債務者のプライバシーにかかわるものは保管してもらう、とのことでした。(約30万かかる)

そこで質問ですが、プライバシーにかかわるものだけを持って行ってもらい、
その他のごみは後で自分で処分できないでしょうか?
即日売却ならば、所有権が債権者に移転するので、
なにも大人数で執行官のいるときに出さなくても良いと思うのですが。

平成7年には、他の夜逃げ者の荷物をその場で買い取って、
後日すべて自分で処分した経験があるのですが、
執行官にそれを言ったら「今はそういうことはやってない」と言われてしまいました。

お手すきの時でけっこうです、お教えいただければ助かります。
もちろんブログに公開していただいてもかまいません。
何卒よろしくおねがいいたします。

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お答えします。

強制執行についてですが、

地域によって(執行官によって?)対応がマチマチですね

私の地域(大阪)では非常に柔軟に対応してくれて

特に揉めそうな案件以外は「現地保管」をしてくれています。

※「現地保管」とは、断行日に玄関のドア鍵を交換して、
 その部屋にて1ヶ月保管する。(家財の梱包や運び出しがないから人手がいらない)

今回の質問者さんの事案ですが、

>>断行日に執行補助者に荷物を運び出してもらい、
>>債務者のプライバシーにかかわるものは保管してもらう、とのことでした。(約30万かかる)

この執行補助者(いわゆる断行屋)に仕事を依頼したのでしょうか?

裁判所としては、断行をスムーズに行なうために断行屋への依頼を強力に奨めます。

だって、断行初心者だと”素人の手際の悪さ”で、

断行が一向に進まない現実があります。

 

表現が難しいのですが、

部屋の明渡し執行は”裁判”ではありませんので、

専門的な法的手法などは存在せず、
(判決が出た案件なので、揉め事がないと考える)

手続きのスムーズさを優先されるんです。

 

なので、今回の事案では断行までに執行官と打ち合わせをして、

1、即時売却が可能であるか?
  (売却だと公示が必要になるので難しいと思うのだが・・・)

2、プライバシーの荷物は、大家側の倉庫(空家)で預かりたい

3、執行屋に頼まないで対応できるか?

などを聞いてみてください。

 

執行官によっては、どうしても執行屋を頼まないとダメという方がいますが、

ケーススタディとして↓(現地保管がダメな場合)

(執行官の言い分)

荷物の梱包運び出しに人手がいるでしょ?

貴方に用意できるんですか??

それを短時間(1~2時間)で終わらせないといけないんですよ!

(必殺なら)

大丈夫です。

引越し屋さんにお願いします。

(執行官)

倉庫も用意しないといけませんよ

(必殺なら)

空家がありますので、そこで保管します。

※保管要件として、屋根があり鍵がかかる施設と規定があります。

断行屋=30万

引越屋=10万程度

自分で手配するならこんな感じですね、

何にしても、もう一度執行官と打ち合わせをしてみてください。

執行屋さんに頼むと全てお任せ出来ますので、

楽で簡単ですが、大家としてのスキルは向上しません。

 

次に同じ様な事案が出ても自分では対応できませんよね?

でも、今回このような事案に対し、

執行官と折衝したり自分で手配することで、

執行のポイントが分かって来るはずです。

それによって次回はもっとスムーズに対応でき

もし、トラブル満載の格安物件に出会った時に、

躊躇なくチャレンジできるようになりますよ!

これが本当のお宝物件に化けるんです。

 

頑張ってください!

※競売での強制執行では、また違う対応が求められます。