家賃値上げについて質問が寄せられましたので、
お答えしたいと思います。
必殺様
日頃は有益なブログ毎日拝読させて頂き、誠に感謝申し上げます。
さて、今回ご連絡申し上げましたのは下記事例の賃料増減請求権について御意見を伺いたいと思ったからです。
御多忙の所、大変恐縮ではありますが、よろしければ御意見下さい。
何卒よろしくお願い申し上げます。
現在私の所有しているアパートに生活保護者が居住しています。
前オーナー時の4年前に締結した賃貸借契約書には駐車場が込みとの記載はありませんが、
昨年アパートを購入した際に売買仲介した不動産屋が生活保護の主張に言い負け、
勝手に駐車場1台込みとの記載の所有者変更通知に押印をもらってきました。(当方の押印はありません)
この生活保護者の賃料は3.5万円で同タイプの部屋は駐車場1台込みで4万円です。
そこで2月初め、賃料増額か駐車場を明け渡すか交渉しに行きました。
生活保護者は当時、やや納得がいかないながらも、
賃料5000円増額か1台込みをやめるかの2択とすることに口頭合意をしました。
しかしその後、知人の行政書士、弁護士に相談したらしく、
「賃料に込みになっているのだから合意無く1台込みをやめるのはできない筈」
「賃料増額請求についても差額が12.5%程度では裁判で認められない」
「そもそも適正賃料の証明も困難な筈」と言われたと言って来ました。
また、「納得いかなければ供託をすればいい」や
「実力行使されるなら損害賠償請求できる」などとの入れ知恵まで受けてきたそうです。
過去の賃貸借契約については元貸主も仲介した不動産屋も覚えていないし認めたつもりも無いとのことでした。
恐らく売買仲介した不動産屋が早く決済したくてろくに交渉もせず言い負けた格好だと思われます。
もちろん決済前に売買仲介した不動産屋へ確認はしたのですが、
「本人が言うから仕方ない。後は直接交渉してくれ」と取り合ってもらえませんでした。
過去の話しはさておき、せめて駐車場賃料は増額したいのですが、
最悪調停・裁判まで行っても賃料増額請求については認められないでしょうか。
裁判費用からは見合わない事は承知していますが、
このまま何も言わずにしておくのも嫌なので必殺様だったらどのようになさるかアドバイスお願い致します。
ちなみに物件自体は近隣賃料相場より安く提供している為、
4万円駐車場1台込みなら直ぐに客付けできるのでこの生活保護者には退去してもらっても構いません。
また、近隣の駐車場相場は5000円です。
——————————–
お答えします。
一番最初に申し上げておきますが、
私は法律家ではありませんので、一不動産大家の経験者として回答させていただきます。
対応策を練ると
>>勝手に駐車場1台込みとの記載の所有者変更通知に押印をもらってきました。(当方の押印はありません)
↑
これの書類に貸主さんは押印したのでしょうか?
貸主さんが押印していなければ『間違いだった』を通せば良いんです。
裁判になっても『錯誤』を主張すれば認められると思います。
>>しかしその後、知人の行政書士、弁護士に相談したらしく、
↑
専門家がついても大丈夫です。
だって、彼らはこんな金にもならない仕事を受けません。
※アドバイス程度は言うでしょうが、裁判の代理人までは100%受けないでしょう
(生活保護ですので法テラスという制度は利用できますが、今回の場合は難しいと思われます)
>>「賃料に込みになっているのだから合意無く1台込みをやめるのはできない筈」
↑
賃貸借契約書に駐車場込みとの記載はないんですよね?
それならじゅうぶん法廷で戦えます。
言った言わないは裁判では通用しません。
賃貸借契約書が優先されます。
>>「賃料増額請求についても差額が12.5%程度では裁判で認められない」
↑
そもそもこれは賃料の値上げではありません。
仮に賃料の値上げだとしても、そんな相手の主張に耳を傾ける必要はありません。
借主は借主の主張
貸主は貸主の主張
それぞれ主張しあうのは当然です。
>>「そもそも適正賃料の証明も困難な筈」と言われたと言って来ました。
↑
まあね!
でも、方法は幾らでもあるんです。
1、お金をかけていいなら不動産鑑定士に賃料の鑑定書を作ってもらう
但し20万~30万かかる
2、お金をかけない方法としては、自分で近隣家賃を証拠書類として提出する
厳密には、同じ築年数の同じ間取りなんて存在しませんので、
参考程度にしかなりませんが、それでも参考資料としてはじゅうぶんです。
>>また、「納得いかなければ供託をすればいい」や
↑
させたらいいんです。
相手が面倒なだけです。
コチラが特に警戒する事案ではありません。
>>実力行使されるなら損害賠償請求できる」などとの入れ知恵まで受けてきたそうです。
↑
実は駐車場に関しては実力行使(自力救済)できるんです。
住居には居住権がありますので、家賃滞納=カギロック←自力救済でアウトです。
しかし駐車場には、その様な権利は存在しませんので、
車が止まっていないときにポールを置いたりしても、
権利の侵害にはなりません。
(但し正式な賃貸借契約書があったり期限の利益を犯していない場合は、
契約者に権利がありますので、損害賠償の対象になります)
まあ、今回の場合は実力行使は控えたほうがいいと思います。
>>もちろん決済前に売買仲介した不動産屋へ確認はしたのですが、
>>「本人が言うから仕方ない。後は直接交渉してくれ」と取り合ってもらえませんでした。
↑
こんなモンです(笑
諦めましょう
>>過去の話しはさておき、せめて駐車場賃料は増額したいのですが、
>>最悪調停・裁判まで行っても賃料増額請求については認められないでしょうか。
>>裁判費用からは見合わない事は承知していますが、
↑
1、駐車場1台込みの契約に判を押していないなら、
駐車場の支払いを求める”訴訟”を起す
2、駐車場1台込みの契約に判を押しているなら
家賃値上げの”調停”を申し立てる
最後に裁判に勝つ方法をお教えします。
それは・・・
弁護士を雇わないことです。
弁護士に依頼した場合、費用倒れになっちゃうんです。
と言う事は、相手が弁護士立ててきたら、
相手が干上がるまで裁判を続ければいいんです。
負けても負けても控訴します。
所謂、牛歩戦術ですね!
ちなみに弁護士に依頼せず、
自分で訴訟を起した場合の費用は、
約2万円といったところでしょうか?
負けても、痛くも痒くもないでしょ?
参考になれば幸いです。
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