有名投資家に聞く!売却体験談 ~山森 浩之さんの場合~

私が「損切り」を決断した理由

山森 浩之(やまもり ひろゆき) 昭和45年1月生、城北中学・高校、早稲田大学社会科学部卒業(平成4年)
有楽土地(現、大成有楽不動産)
平成4年~平成13年 本社開発事業部(マンション開発)、
仙台支店(法人向事業用地仲介・自社ビル運営管理)
Hudson JAPAN(米国投資ファンドLone Star Funds AM)平成13年~平成23年
ヴァイスプレジデント、不動産営業部長、GMを歴任。
ファンドがバルクで取得した様々な種類の債権・不動産・法人のディスポジション売却処理。エリアは日本全国。

不動産と関わって通算20年余り800件以上の不動産を個別に売却。
現在、株式会社ヤマックス・エステート代表取締役社長

早稲田大学不動産稲門会(副代表)
荒川稲門会(幹事)
大学不動産連盟(UREL)理事
日本不動産経営協会(JRMA)理事
(公社)東京都宅地建物取引業協会荒川区支部(班長)

所有不動産:8棟(134室)

今回は「収益物件の売却」というテーマをいただきました。
いろいろと売却した中でも、あまり話したくない「損をした物件の売却」について敢えてお話しさせて頂きます!

売却を検討したきっかけは?

売却時期
2007年
購入時期
1996年
構造
RC造の区分マンション
エリア 宮城県仙台市
購入金額 2,880万円
売却金額 1,720万円
売却益 -1,160万円
仙台の区分マンションに関しましては、賃貸に出してから5年くらいで家賃が約13.5万円から8万円まで落ちてしまい、投資用不動産としては非常に厳しくなっていましたので、その負の部分を早く断ち切りたいと思ったのが一番の理由ですね。

所有して10年が過ぎ、ずっと毎月4万円以上の持ち出しが続いている上、固定資産税を毎年支払っていました。

地方銀行での支払いでしたので余分に入れておくのももったいないし、持ち出し分補填の送金手数料も高くてとても面倒でした。

なによりも、送金の度に損している気分になるのが一番嫌でした。
しかしながら、賃貸のままだと1200万円くらいでしか売却できませんので、次回、賃貸人が退去した時点で売却を決断しました。
思いが通じたのか1年後に賃借人が退去し、すぐに売却することができました。

売却をしてみて、良かった点・悪かった点を教えて下さい

良かった点は、とにかく「売れた」ということですね(笑)。

毎月の持ち出しがなくなったのが一番です。
また、損はしましたが、失敗も話のネタになるので、話したくないという割にはいろんな機会にお話ししています。

その講演のネタ料と思えば良い経験だったと思います。
悪かった点は、投資と考えた場合には損をしているということですね。
単純な売却益で考えると、1,160万円のマイナスですから(笑)。
でも賃借人が退去して空室でエンドへ売却できたので500万円くらい得した気分です(笑)

売却の時期として、市況から見て「今」はどうですか?

上記のように区分所有建物は、賃貸し収益物件とした場合と、空室で売却した場合とを比べると、かなり安く(上記のケースでは500万円くらいの差)なってしまいます。

ですから、区分所有建物を収益物件として所有している方は、賃借人が退去した都度、所有物件の売却査定をおすすめします

その際は、「売りたい」と考えている方はぜひ売ることをお勧めします。
市況はもちろんですが、「売りたい」と考えたときがその人にとっての一番の売り時だと思います。

地方の物件を持っている方が資産入れ替えとして、地方物件を売却し、都心部の物件を購入するというケースも増えていますので、地方物件を売却したいと考えている人は思い立った今が「売り時」だと思います。

また、物件は売りたいと思ったときに必ず良い形で売れるとも限らないので、「売り慣れる」という意味で、保有資産のうち規模が小さい物件や地方の物件を、時間のある時にまず売却してみるということも、長期的に見て売却を成功させる1つの方法かもしれません。

売却するか保有するか迷った際の判断はどのように行いますか?

減価償却の計上が終了し、デットクロスを迎えた場合に、やむを得ず物件を売却する人が非常に多くいらっしゃいます。

物件購入当初は減価償却費が大きく取れたので利益が出ているのですが、年々減価償却費が減り、結果的に返済額よりも税額の方が大きくなってしまうという場合です。

そのような状況になる前に売却をすればよい条件で売却ができるのに、「売却しなければならない状況」で売却活動をすると、やはり買い叩かれて不利な条件での売却となってしまいます。

また、例えば大幅な修繕費がかかる状態の前、例えば屋上防水や外壁塗装などですが、見るからにこの費用がかかりそうだと修繕費を差し引かれた金額での売却価格になってしまいます。

ただし、それがあと少しでかかりそうではあるものの、見た目にはっきりわからなければ修繕費を差し引くことなく売却が可能になるはずです。

私自身も実弟より勧められ、物件における設備やリフォーム部分全てのチェック表を作り、「エアコン全戸分/3年後150万円」「屋上防水/5年後200万円」「鉄部塗装(共有部分)/80万円」など、金額と費用を計上しておき、まとまって費用がかかりそうな手前で売却を検討するというのはわかりやすく、堅実な方法だと思います。

ポイントは、費用が掛かる前、デットクロスを迎える前に計画的に売却を検討することです!!

これまで「800件以上」の売却をご経験とのこと、売却を検討する際のポイントを教えて下さい!

1.全所有物件について、今、売却したらいくらになるのかを把握しておきましょう。

2.売却しなければならなくなってから売却するのではなく、計画的に売却に備えましょう

3.いざ売却する時の為に「売却に慣れる」ことは大事です。「売らなくても困らない」「面倒だから後回し」などの理由から不用な物件や手間のかかる物件をそのままにしていませんか?
後回しにせずに今から売却して整理しましょう

4.不動産投資は、利回りも重要ですが出口が一番大事です。
購入時には、売却を考えて購入しましょう

売却を検討する際は、1社の不動産会社に「専任」という形でお願いをした方が良いのでしょうか?

一概には言えませんが、よっぽど信用のおける会社であれば専任で任せるのも1つだと思います。

ただし、私が個人で物件を売却すると考えた時は専任媒介は結ばず、一般媒介で、2~3社に任せて売却活動をしてもらうと思います。

1社に任せてしまうとあまりにも情報が閉ざされてしまい、上手く流通しない場合も多々有りますから。
収益不動産の場合、情報が流通しすぎるのも問題ですが、流通しすぎないことも問題で、売却がうまく進まない原因になり得ますので、その見極めには注意が必要です。

それでは、「信頼できそうな会社、信頼できる営業マン」はどのように見極めればよろしいのでしょうか?

いろいろなポイントがあると思いますが、私が考えるポイントは3点です。

1.嘘をつかず、事実をきちんと伝えてくれるかどうか?(あたりまえなのですが・・・)
2.売却の金額に関し、「すぐに売れる価格」と「がんばれば売れる価格」などを明確に伝えてくれるかどうか
3.この物件を何人のお客さんに直接紹介できるか、瞬時に回答をもらえるかどうか

この3つのポイントを抑えている業者さんであれば、大手に限らず信頼して相談してみても良さそうです。
具体的には、「直近で売却(仲介)した物件はどんな物件ですか?」「今はどんな物件を扱っているのですか?」「物件の売却に関して、具体的なプランはありますか?」などと質問してみるとその会社の実力や信頼に値するか否かが見えてくると思います。

収益物件の一括無料査定