投資エリア:静岡県 福岡県 埼玉県
保有物件:新築7棟(うち2棟新築中)、中古3棟
年間家賃収入:1億5000万円

RC 4階建て 11室
新築物件概要
良い中古物件は競争が激しいが、良い土地は残っている
私は、新築を検討している時点での「中古物件の利回り相場」と、「新築で得られる利回り」を、築年数を中心にどちらが有利なのか詳細にシミュレーションしています。その結果、新築が有利だと判断する場合に新築投資をしています。
中古物件は、だいたい利回りの目安がわかるため、良い物件であればネットに載ると取り合いになることも多いと思います。しかし土地の場合は、土地情報だけで利回りのイメージを持てる人は少ないため、採算があう土地であってもネットで長い間公開されている場合があります。
私は新築の中でもいわゆる「さらし物件」となっていた土地を購入し、目標の利回り(エレベーター付きで9%以上、エレベーターなしで8%以上)を得ることができました。ですので、ネットの公開情報も丹念に調べることが大切です。
もちろん、公開される前の情報も入手していますが、そのためには「どんな土地が望ましいのか」を仲介業者に理解してもらう必要があります。より具体的に伝えるために、低層のRCだったらどんな土地が良いのか、木造だったら……、また採算が取れる土地価格はどのくらいなのかなど、大雑把で良いので知識を得ておくと良いでしょう。
まずは複数社に声をかけてから、信頼できる業者を絞るべし
どんな業者にお願いするかは、とても重要な要素です。私の場合は、建築現場があれば、その会社をメモしておき、完成時点での出来栄えを確認します。完成見学会も開かれる場合が多いので、機会を逃さず見に行くようにしています。また、投資仲間同士での情報交換などでも業者情報を入手しておきます。
そして、土地が出た段階で構造、ボリュームをイメージし、それに適した業者に声をかけます。
当初、建築費の相場が分からなかったため複数社に声をかけていましたが、現在は構造によって信頼している1社(たとえばRC壁式構造ならA社、木造在来工法ならB社)に絞込み、その会社に依頼することで、信頼関係を強くすることを心がけています。
このように、信頼できる業者と出会うためにも、まだどこの業者とも繋がりを持たれていない方は、「大家さんの味方」の一括見積もりサービスなどを活用して、まずは複数社にアプローチしてみると良いでしょう。
業者選定を見誤ると、新築途中で倒産する危険性も!?
複数社に声をかけた後、どの業者にお願いすべきか私自身もいろいろと悩みましたが、見積書が詳しく書かれ、発生するかもしれない別途費用、たとえば地盤改良や杭工事費用などについても概算を計上してくれている業者は責任を持って施工してくれるように感じます。
一方、他社より特段に安価な建築費を提示してくる会社には要注意です。経営的に苦しく、利益よりもとりあえず受注だけは切らしたくないといった事情を抱えていることがあります。安価で、そのまま完成してくれれば良いのですが、工事が中断してしまうことや、最悪の場合倒産してしまう危険性もあります。
私の場合、新築中での倒産はありませんでしたが、完成後数カ月で倒産したケースもありましたので、価格だけでなく経営状態も考慮する必要があります。
競争力のある新築物件を企画
その後、実際に施工会社が決まったら、物件の企画に移ります。具体的なプランは建築士などから提案してもらいますが、間取りはあくまでたたき台として考え、アイディアを出し合ってより使いやすく効率の良いプランを作りこんでいきます。デザインは外部のデザイナーを依頼したこともありますが、現在は管理会社の若手社員などの意見を参考にして自分で選定しています。
最近は新築の供給も増え、1年前なら入った家賃でも、今ではまったく入居が望めないケースも出てきました。数年経てば、その影響は既存の古い物件に波及し、新築の入居率は高く維持されると思いますが、一旦下がった家賃相場は復元しないと思われます。
ただし新築は、物件の完成前に満室にできたり、退去が出てもすぐに入居が決まったりと、「新築プレミア」と言われるメリットを享受できます。実際に、無理をしていない家賃であれば10年程度は空室率5%以下に収まっています。
家賃相場に一喜一憂せず、独自性のある物件を作りこんでいく必要性を感じています。新築の企画は様々な知識とネットワークが必要になってきますが、それが実現し、形になったときの充実感は中古物件では得られないものです。努力は必要ですが、ぜひチャレンジしてみてください。