新築物件概要【2棟分】
初めての新築は欠陥住宅だった……
私が最初に新築で建てた物件は、自宅を兼ねた賃貸併用住宅です。せっかく自宅を兼ねるので、最新設備を取り入れた綺麗な物件にしたいと考えていました。また、住宅ローンを使って低金利で長期間ローンを組むことができるので、収益性を鑑みた上で賃貸併用住宅を選びました。
建てた物件は、3階建ての重量鉄骨造で、外壁に素焼きのレンガを貼り、3階にはサンルームを設けました。屋上は入居者が楽しめるようにBBQができる仕様にしました。間取りは、他の部屋を通ることなく各部屋に移動できる振り分けタイプ、キッチンは対面式で食器洗い乾燥機付きの当時人気のタイプにしました。
この物件の建築を依頼したところは、新聞の折り込みチラシで見つけた業者。地元で多くの物件を手掛けており、近所の施工物件の外観を見るかぎりモダンでおしゃれな印象を受けたため、この業者を選びました。
しかし、いざ施工が始まると、私が現場で写真を撮るのを嫌がるなど、「何かおかしいなあ」と感じることがありました。案の定、受け渡し後にすぐ雨漏りがするなど、不具合が出てきたんです。業者に連絡をしても、社長が夜逃げをして事実上休止状態……。仕方なく、他の業者に屋上防水工事を依頼したところ、費用はなんと300万円! とても苦い経験でした。
失敗を活かして2棟目の新築は成功!
それから11年後、知り合いから土地を紹介してもらい、そこに賃貸併用住宅を建てることにしました。
1棟目の失敗経験から、2棟目の業者は慎重に探しました。候補の業者とミーティングを重ね、周りの人にセカンドオピニオン、サードオピニオンを聞き、本当に信頼できるところを選んだ結果、日本の優秀ビルダーに選ばれ、施工実績が多く地元に長年愛されているところに建築をお願いしました。
建てた物件は1棟目と同じく賃貸併用住宅で、木造の3階建て。外壁をタイル調のサンディングにし、掘りごたつの和室を設けて和室好きにアピールしました。地盤が弱かったため、柱状改良を行って耐震性を高め、築12年経った今でも物件に問題は生じていません。
1棟目と2棟目を建てたそれぞれの業者の特徴とは?
1棟目の新築は大失敗、2棟目の新築はおおむね成功という私の新築経験。
建築を依頼したそれぞれの業者の特徴を比較すると、「注意した方がいい業者」「任せた方がいい業者」はそれぞれ以下のように言えそうです。
<注意した方がいい業者>
・社歴が短い
・見積りがおおざっぱ
・口コミや評判で手抜き工事をすると言われている
・約束を守らない
・提案がない
・社長がワンマン
<任せた方がいい業者>
・社歴が長い
・仕事に対して真摯で誠実な対応
・インテリアや外観を含めた提案をしてくれる
・会社が綺麗
・営業マンが親身になってくれる
これから新築を建てる方は、以上の特徴を参考に、業者をしっかりと見極めて選んでください。
賃貸併用住宅の新築だからできること
業者選びの失敗もありましたが、物件の企画から自分で考えることができたのは新築ならではの楽しみでした。また、工夫した結果、賃料アップや入居率アップを図ることにも成功しました。具体的には、屋上を設置した1棟目は、家賃相場が10万円のところを11万円に、和室を設置した2棟目は、家賃相場が11万円のところを12万円にすることができました。
また、賃貸併用住宅には、アパートやマンションにはない独特のメリットもあります。特に、私が実感したのは以下のような点でした。
●低金利で長期間の住宅ローンが組める
一般的に住宅ローンの方が投資用ローンより低金利かつ少ない自己資金でお金を借りることができます。賃貸併用住宅の場合、建物の50%以上が自宅用スペースなら、住宅ローンを組める金融機関が多いようです。実際に私は1棟目を金利2.1%・期間25年、2棟目を金利0.975%・期間35年で借りることができました。どちらも自己資金は300万円しか入れていません。
●節税になる
当時サラリーマンだったので、減価償却を経費で落とせ、所得税、住民税を軽減できました。さらにマイホーム減税も使えたため、所得税はほぼ0円でした。
●ローンの返済に入居者からの家賃が充てられる
●近居なので管理がしやすい
このように、賃貸併用住宅のメリットは、主に融資面に特徴があります。同時に自宅を手に入れられ、自宅にいながら物件の管理ができるという点も魅力です。投資戦略にもよりますが、新築を検討している方は賃貸併用住宅も選択肢に入れると良いと思います。