建替え前の物件/建替え後の物件概要
築43年の古いアパートを建替えて、100万円以上の収支改善!
元の物件を取得した時点で建替えを視野に入れていました。
築40年を超えて老朽化が進み、様々な修繕費用が収支を圧迫するようになっていたのです。また、物件の所在地が名古屋市内でも家賃がそこそこ高いエリアだったことも建替えの決意を後押ししてくれました。このまま安い家賃でおいておくより、建替えて新築物件として家賃収入を得た方が効率的だと思ったのです。
修繕費用の削減と家賃上昇のおかげで、年間で100~150万円は収支が改善する見込みです。
入居者に退去依頼の通知を送ったが……実は住んでいなかった!?
初めての「アパート建替え」で大変だったのは、「入居者に退去してもらう」ことでした。これは、管理会社に協力してもらい、入居者一人ずつとお話しさせていただきました。引っ越しに関する金銭保証など、費用は300万円ほどかかりました。
管理会社さんにも大変な手間がかかることになるので、当初は難色を示されるかと思っていたのですが、管理会社さんにもメリットのある条件をつけてお願いしました。すると、担当者さんが上手く調整してくださったようで、快く動いていただけました。
一番困ったのは、入居者のうち一人が「家賃は振り込んでいるが住んではいない」状態だったことです。連絡が取れず、退去依頼の通知もできず、物件の取り壊しを行えなくなるところでした。その間、他の入居者は退去し、家賃収入はなし。ローンの返済だけが(利子のみですが)発生していました。
施工会社もいつまでも待たせておくわけにはいかず、八方ふさがりになりかけましたが、最終的には弁護士を通じて所在が分かり、解約に応じていただけました。
施工会社は、様々な角度から評判を調べる!
施工会社選びは、地元での実績があり、「土地のポテンシャルを生かす」物件を建てられる会社を探しました。建蔽率・容積率いっぱいに物件を建てられるかどうか、将来の価格競争に巻き込まれないためにはどうしたらいいか、などを考え、それを実現できる会社を探したところ、まずは設計事務所を選定することになりました。
コスト面だけではなく、付き合いのある不動産仲間に話を聞いて評判を確認。何社か面談もしたうえで決定しました。
実際に施工を担当する会社に関しては、「建築費を支払ったはいいが倒産してしまい、建築が途中で暗礁に上ってしまう」といったことがないように経営状況も確認したいところです。私の場合そこまでしませんでしたが、与信調査を行ってくれる会社に依頼すれば数万円で経営状況は確認できます。
今後に繋がる交渉を! 融資をスムーズに受けるコツ
プランが決まってきたら、次は融資をしてくれる銀行を探さなければなりません。今回、プランが客観的に見て良い条件でしたので、地場の銀行をたくさん回り条件競争をしてもらいました。
その際工夫したのは、自分の資産一覧表、今後10年の不動産賃貸業に関するシミュレーション、買い増しの計画などの資料を用意したことです。こうした資料は、例え今回の案件で条件競争に敗れても、今後の付き合いが見込めるということを各銀行の担当者に提示するためのものとなります。
そのおかげで、別の物件の持ち込みや知人の紹介ができる関係を複数の金融機関と築くことが出来ました。
元の物件と利回りが同じでも、手残りは大きい!
私が思う建替えのメリットは、主に以下の4点です。
1.融資面の条件がよくなる
2.一戸当たりの家賃が上がる
3.入居者属性が上がる
4.修繕が当分発生しない
1と2が揃った結果、元の物件と利回りが同じでも手残りが大きくなります。こうしたメリットは、金銭面ではリスクに見合っていると思います。しかし、上手く行っている物件を建替えるとなると、慎重すぎるくらいでちょうどいいということで、今後のことを常に考えています。
建替えを検討しているがリスクが心配……という方は、「現状の収支がどうなるか」だけではなく、10年後、20年後のことを考えながら臨んでください。