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収益物件を建築しようと考えた際に、その成功を左右する重要な要素の一つが「物件の構造」です。物件の構造は建築費を大きく左右するため、完成した物件の利回りに密接に関わってきます。また、法定耐用年数が構造によって異なるため、減価償却の期間や将来的に売却する際の売却しやすさにまで影響します。
しかし、物件の構造ごとの特色が分からず、どの構造を選べばよいのか分からない……という方も多いです。そして分からない状態で自身の投資戦略には合わない構造の物件を建築してしまうと、「新築物件なのにキャッシュフローが出ないどころか赤字……」なんてことになりかねません。
そこで、木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、RC造の4つの主な物件構造について、メリットとデメリットを比較してみました!
各構造のメリット・デメリット
■木造
<メリット>
・建築費が最も安い
・工期が短い
<デメリット>
・高級感が出にくい
・入居付けに苦戦しやすい
・法定耐用年数が短い(22年)
4つの構造の中で最も建築費が安いのが木造です。一坪あたり50万円が目安です。また、工期が短く済む(着工~完成まで、およそ階数+2ヶ月程度)ので、建築し始めてから収入を得るまでが早いというメリットもあります。建築する物件のプランとしては、2階建てのアパートなどが適しています。
■軽量鉄骨
<メリット>
・窓や入口を大きく取れる
・将来の間取り変更にも対応しやすい
・重量鉄骨やRCと比較すると、建築費が安い
<デメリット>
・隣、上下階の音が響きやすい
・鉄骨であるため、錆に弱い
・法定耐用年数が短い(27年)
木造の次に建築費が安いのが軽量鉄骨です。一坪あたり70万円が目安です。木造よりも大きな物件が建てられるため、3階建てのアパートなどが適しています。
■重量鉄骨造
<メリット>
・柱や梁に重量のある鉄骨を用いるため、壁のない広いフロアが実現できる
・法定耐用年数が長い(34年)
<デメリット>
・しっかりした基礎工事が必要になるため、軽量鉄骨と比較して建築費は高い
・高級感、賃料においてRC造に劣る
重量鉄骨の建築費の目安は、一坪当たり80万円です。軽量鉄骨よりもさらに大きな物件を建てられます。建築する物件のプランとしては、4階建て以上のマンションが適しています。
■RC造
<メリット>
・地震、火事に強い
・法定耐用年数が長い(47年)
・入居付けに有利
<デメリット>
・地盤改良が必要なことが多い
・工期が長い(着工~完成まで、およそ階数+3ヶ月程度)
・建築費が最も高価
4つの構造のうち、最も建築費が高いのがRC造です。一坪あたり100万円程度と、木造の倍かかります。しかしその分、法定耐用年数が長いため売却する時にも耐用年数が残っている場合が多く、売却しやすいといったメリットもあります。建築する物件のプランとしては、重量鉄骨と同じく4階建て以上のマンションが適しています。
どの構造を選ぶのが一番良い?
こうして構造別のメリット・デメリットを比較してみると、やはりそれぞれ一長一短です。どのメリットを重視するのか、どのデメリットを許容するのかで自身にとって最適な構造は変わってくるでしょう。
また、土地によって用途地域が決まっており、建ぺい率、容積率が制限されています。RC造の5階建てマンションを建築したいと考えていたにのに、実際は建てれなかった……なんて可能性もありますので、土地選びも非常に重要です。
このように、理想の新築物件を建てるには非常に多くの専門的な知識が必要となります。自分で勉強して習得するのが一番ですが、信頼できるパートナーを探して任せることが最も効率の良い方法と言えるでしょう。
どんな構造の物件が自分の投資戦略に適しているのか?建築費はいくらくらいかかるのか?土地をお持ちの方であれば、どんな構造の物件を建てれば一番収益性が高くなるのか?まずは、収益物件の新築のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
業者によって得意な構造、不得意な構造は大きく変わってきます。そのため、複数の会社に見積りを依頼して、提案内容を比較してみることをオススメします。