「新築ならいい設備を」はNG!! オーバースペックにならない設備の選び方

hikdaigaku86

写真© Monet-Fotolia

「新築を建てる」。自分が住む家を建てるときは、どんな家にしようかなとわくわくしますよね。ところが、収益物件の場合はわくわくだけではうまくいきません。エリアの特性や周辺環境を踏まえた上で、ターゲットを明確にし、そのターゲットに本当に必要とされている物件とは何かをきちんと見極めることが大事です。 

特に初めて新築を検討される方は「せっかく新築で建てるんだから、良いものを」、「良い設備を付けたら、入居率は高くなる」と考えがちです。そこに落とし穴があるのです!

意外!? ターゲットにそぐわないオーバースペックになりがちな設備

本来必要のない過剰な設備がついているいわゆる「オーバースペック」な物件。便利な物件、設備が整った物件を目指すあまり、下記のような設備を付けてしまう場合があります。

  • ・浴室テレビ
  • ・追い炊き機能、高温差し湯機能
  • ・浴室乾燥機付きユニットバス
  • ・ウォークインクローゼット
  • ・3口コンロ

上記のような設備を備えていれば、確かに入居者には喜ばれるかもしれません。

しかし、これらの設備を備えた分建築費用は高くなり、それに伴って家賃も高額になってしまうでしょう。新築とはいえ、家賃設定の段階で周辺の競合物件とギャップが大きすぎてしまっては、選択肢に入ることすら難しくなります。

では、こうした設備を備えた新築物件では、失敗してしまうのでしょうか?

必ずしもそういうわけではありません。対象にするエリア、ターゲットによって備える設備を選択していけば、入居者に「選ばれる物件」となるのです。

必要な設備かどうかを判断するには……

必要な設備かどうかはどのようにして判断するのでしょうか? それは、実際に入居者が部屋に住んだ時のことをイメージすることで判断が可能です!

例えば、お風呂にテレビがついていたらこんなシーンがイメージできませんか?

今までお風呂を嫌がっていた小さい子供がお風呂に入りたがる、女性が半身浴をしながらDVDを見る……つまり、ターゲットはファミリーや女性になります。

ビジネス街からアクセスが良く、単身のサラリーマンがターゲットになり得るエリアに、浴室テレビを設置した物件を建てても、ターゲットにそぐわない過剰な設備がついた物件になってしまいます。しかも、そのために賃料が高くなってしまうと、部屋を探している人は「この設備のせいで高くなるなら、設備がなくていいから安いところを探そう」となる可能性があります。

新築を建てる際に、「これだけ設備が整っていたら賃貸経営は安心ですね!」、「せっかく建てるので、最新の設備を付けましょう!」と言われても、本当に必要なものなのか冷静に判断する必要があるのです。

新築の特権! 備えておきたいこんな設備

費用がかかる「新築ならではの設備」でも、費用対効果が高いものもあります。それは、エントランス部分に設置するオートロックです。近年、住まい探しにおいてはセキュリティを重視する傾向が強くなっており、エントランスのオートロックは入居者から人気を維持しています。都心ならば、家賃の押し上げ効果があるほどです。

では、オートロックはなぜ新築の特権と言えるのでしょうか? それは構造上後付けが難しいからです。実際に、楽待コラムニストのストレージ大家ひらさんが購入した中古ビルも構造上オートロックの後付けができなかったそうです。

多少費用がかかったとしても幅広い層の入居者から人気があり、家賃の押し上げ効果も期待できるオートロック。中古の物件への後付けも難しいからこそ、新築時に備えることを検討してよい設備のひとつでしょう。

複数社から見積りを取り、「必要な設備」を見極める!

新築を建てる際には、上記のように費用対効果が高くて費用をかける必要がある設備、費用をかける必要がない設備があります。様々な会社のプランを比較し、本当に必要な設備だけを取り入れた物件を建てられるよう、新築を建てる際は必ず複数の会社から見積りをとって提案してもらいましょう。

実際に、楽待の一括見積サービスを通じて新築マンションを建てた方の中には、10社以上の会社から話を聞いて、自分の納得する業者に出会ったという方もいます。

どんな構造にしたいか、ターゲットはどこかなど、さまざまな条件によって建築費が大きく変わってきます。オーバースペックにならない適切なプランを提示してもらえるよう、複数の業者から話を聞き、提案されたプランを冷静に判断しましょう!

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(参考)片山さんの新築事例 ストレージ大家ひらさんのコラム ものぐさ大家さんのコラム